前回の参院選から鳥取と島根、徳島と高知がそれぞれ一つの選挙区に統合された「合区」問題は、今後、人口減少ととりわけ地方の過疎化が進行していく中で、看過できない問題です。
しかしだからといって単に都道府県単位の選挙区から最低一人を選出する規定を憲法に設けることで合区解消を図ろうとする自民党案はあまりにも安易で全く賛同できません。
国民一人一人が国家との法的権利・義務の関係において等しく扱われなければならないという憲法が求める平等原則から一票の価値の平等は導き出されています。
この平等原則に例外を認めるためには、それ相応の合理的根拠がなければなりません。
各都道府県に最低でも一人というのは、憲法上、参議院議員は「都道府県の代表」と位置づけられているならば理解できますが、「全国民を代表するもの」と位置づけられている以上、これとは明らかに矛盾します。
私は合区は解消すべきだと考えています。
しかしそのためにはこの機会に衆議院のカーボンコピーと言われる現行憲法の参議院の役割を見直し、その上で参議院議員を「都道府県の代表」と位置づけるべきです。
私たちは参議院改革と一体となった憲法改正案を作り、それによる合区解消をめざしたいと思います。