「こんどっぐ」では、
訓練に通い、ある程度できるようになったら
大会参加を促します。
大会となると
「いつか、しっかり仕上がってから」と
考える人が多いのですが
仕上がりばかり気にしていると
いつまでたっても出場できません。
それに、良い順位を取るためではなく
大会を経験するということが
しつけの観点で有効と考えられるからです。
◯経験していたからこそ
今年の5月の大会で、
訓練競技会、レトリーブ、アジリティに
参加した飼い主&犬のペアは
訓練競技会での得点が昨年よりも10点も
アップしました。
このペアは去年訓練競技会に
2度の出場経験があり、
慣れていたのは大きい点です。
大会は雰囲気や使う道具がいつもと違います。
違えば当然、おじけづくものです。
結果、散々練習したのに
なにひとつできないこともあります。
脱走することもあります。
でも、犬と一緒に「大会」を見て聞いて感じる、
その経験は参加しないと得られません。
ちなみにこの飼い主さんは、
練習会の参加ナンバーワンです。
これまでの経験と練習を積み重ねたこと。
それらが今回の協議会の点数、意識や心構えに、
如実に現れていると感じます。
練習と経験は嘘をつかないんです。
◯経験が大事!
反対に、不慣れなアジリティは
2つ目のトンネルの後に脱走、
気持ちよさそうに芝生に向かって走っていきました。
レトリーブもクンクンと匂い嗅ぎで終了。
全くボールに反応しませんでした。
この結果についてご本人は、
「訓練の部分が不十分だった、ということが分かりました!」
とのこと。
「ダメ」が伝わらなかった。
脱走しても「おいで」で戻ってくればいい。
でも来なかった。
それは訓練の部分ができていないから、と。
そうなんです。
かっちりしていない自由度が高い種目ほど、
基本の服従訓練が大事になります。
ただのボール遊びとは違うんです。
そこに気づいて
次に生かそうと思えることが素晴らしい!
大会は、何が足りないかを知る
本当に良い機会です。
言葉で分かっているのと
リアルに感じることは全く重みが違います。
それは挑戦した人だけが得られる貴重なものです。
大人になると、
自ら挑戦し経験を積み重ねようと思うことは
少なくなります。
けれど経験にこそ価値があります。
「経験が大事!」
「去年出場していなければ、今年の結果はないです!」
この飼い主さんは、清々しくそう言葉にしていました。
◯次に向かう糧にする
さらにこの飼い主さんは、自身の経験をもとに
「大会は、全然ダメでも出たほうがいい」
「うちも脱走したよ!それも経験!」
と他の人の背中を押してくれています。
トレーナーである自分の言葉ではなく、
一緒に練習をやってきて、
目の前で挑戦し続ける人の言葉は
説得力があります。
「私は、先生が出てみたら、と声をかけてくれたら出る」
「なんでも出る、それすら経験!」
と笑って話していました。
挑戦すると、その全部が経験になります。
大会に至るまでの練習も、
大会当日に感じることも、
その後の振り返りも。
そのひとつひとつが大事な積み重ねになります。
挑戦し、経験を積み重ねた人と、
何も挑戦しなかった人とでは
成長の度合いが全く異なる。
このペアを見ていて本当にそう感じています。