大事な愛犬の病気やケガ。
調子が悪そうな様子を見ていると、とても心配になります。
けれどもそのようなときこそ、飼い主の「落ち着き」が大切です!
◯病気病気と思うと悪くなる
痛そうだな…
辛そうだな…
そう思うとどうしても、「かわいそうに」「かわりにやってあげよう」と、いつもより手を出してしまいがちです。
けれども、「かわいそうに、かわいそうに」「大変だ、どうしよう」と接すると、犬は「あれ、自分はいま変なのかな?」「良くない状態なの?」と感じます。
飼い主の焦りや不安が犬に伝わってしまうんです。
ですから大事なことは
「人間は、あせらない!!」
これに尽きます。
大丈夫だよ、よくなるよ、と、犬を安心させること。
堂々とした態度で落ち着いて接すること。
「ほら大丈夫!自分で動けるよ!動くようになるよ!」という雰囲気があると、それを信じて安心して頑張れるんです。
◯甘やかしたくなるけれど
また、過度に甘やかしてしまうことも良くありません。
手を出しすぎると、犬自身が自分の力で立ったり動いたりしなくなります。
「やってもらって当然」になってしまうからです。
動物は本来「動く物」です。
動くことで様々な機能をつなげて有効に自分の体を使っています。
ですから、動かない状態が続くと、あっという間に弱っていきます。
使わないと機能がどんどん低下するのです。
私たちも骨折など大きな怪我をした時に、長期間その部位を使わないでいると、びっくりするくらい筋肉がなくなっていきます。動かす感覚すら忘れてしまいます。
そうならないように、人間側は甘やかすことなく、いつも通りに接することが大事です。
「立てないのね、かわいそうに」とすぐ手を出すより、自分で立ち上がろうとする犬を「さぁ立つよ!大丈夫だよ!」と見守ってあげること。
絶対安静のときや危険なとき以外、私たちが手を出すのは、本当に最後の最後です。
◯感覚を忘れさせないこと
筋肉も神経も使わないとどんどん使い物にならなくなります。
立つときの感覚。
歩くときの感覚。
どんなふうに、どこを動かしていたか。どこに力を入れるのか。
健康なときは気に留めていなくても、使わない期間が長くなると、感覚は鈍りますし、動かし方もわからなくなります。
ですから、たとえすぐに動かなくても、体が感覚を忘れないようにしてあげることは大切です。
足が動かない状態であれば、
体を支えて、足を地面につけさせる。
足を持って、足を動かす動作を再現してあげる、曲げる動作をしてあげる。
もちろん、腫れていたり痛がったりするときは休ませなくてはいけませんが、そうでなければ、できる範囲で動かして、刺激を与えることはその後の回復に大きく影響します。
私たちには、親切心や弱いものを助けたいと思う気持ちがあります。
けれども長期的に見て、どうすることがその犬のためになるのか、手を出すべきか見守るべきかを考えてみることは、忘れがちですがとても大切なことだと思います。