前回のしつけの基礎編(トラブルを防ぐための「はじめの一歩」)に続き、次はしつけの応用編です。
しつけへの意識を変え、5項目の基本的な行動ができるようになったらぜひ試してみてください。
ちなみに、この応用編ができるようになると、日常で突発的なことが起きても基本の行動ができるようになります。
裏を返せば、応用編ができないと、いざという時に「マテ」も「オスワリ」も全く聞き入れてくれません。
ですので、ぜひトレーニングの方法として取り入れてほしいと思います。
さて、その方法は次のシンプルな3項目です。いつものトレーニングをちょっとだけ変化させます。
1、場所を変える
2、ご褒美を変える
3、順番を変える
以下、この3項目について順番に説明します。
1、場所を変える
ひとつめは、練習をする場所を変えること。
例えばリビングの絨毯で「オスワリ」をさせることが多ければ、今度はフローリングでやってみる。
これだけで出来なくなるパターンがかなりあります。
さらに、玄関や廊下、外に出て玄関の前。
色々な場所で試してみて、それぞれできるように何度も根気強くトライすることが大切です。
2、ご褒美を変える
続いてはうまくできたときのご褒美を変えることです。
おそらく、「オスワリ」などの指示を出すときは、エサをあげるときや、オヤツまたはオモチャを用意しているときが多いのではないでしょうか。
この場合は、目の前にあるオヤツなどのご褒美がほしくて「オスワリ」をすることが多いのです。
これでは、いざというときに指示が通らないので、声の指示だけでできるようにトレーニングをします。
ご褒美にオヤツやオモチャはありません。
その代わりに、できたときは、しっかりと、できたことを認めて褒めてください。愛情と真剣さは伝わります。
褒められて、「自分はできている」という達成感を得られることは、犬にとってとても嬉しいことです。
3、指示する順番を変える
最後は、指示する順番を変えることです。
いくつかの指示を連続で出すときは、どうしてもパターンが決まってしまいがちです。
「オスワリ→お手→おかわり」
「オスワリ→マテ→コイ」
など、いつのまにか順番が決まってしまい、指示する前に犬が次の行動をしてしまうことはありませんか?
「オスワリ→マテ→コイ」ができたなら、を次の日は、「オスワリ→フセ→マテ」の順番にしたり、「フセ→マテ→コイ」、「オスワリ→フセ→オスワリ」など日によって変えてみると、それぞれの指示の理解度が深まります。
また、ほかにも、
・「ツイテ」をして歩いている途中で「オスワリ」や「フセ」に挑戦する。
・「マテ」をさせたまま隠れる。
・犬から姿が見えないところで「コイ」の指示。
このようにバリエーションを持たせることができます。
これを完璧にできるまで繰り返して、はじめて「できる」という状態に到達します。
自宅で過ごす時間が増えている今がチャンスです。ぜひ応用編を試してみてください。
もちろん、短期間であっという間にできるものではありません。
ひとつずつ根気強くチャレンジしてください。
そうすることが、いざというときのトラブルを回避することにつながります。