こんにちは、フリージョンです。

 

今回は、近年圧倒的に増えたオヤツやトリーツ(特別なごほうび)でのしつけについてお話したいと思います。

 

オヤツは「褒めるしつけ」の相方的な存在です。犬のトレーニングについての技術がない飼い主でもあげるだけで良いため、使いやすいのが利点です。

 

 

ただし、トレーニングの効果を考えると、オヤツをあげる目的やタイミングは考える必要があります。

 

おそらくはしつけの時に、例えば「スワレができたらオヤツをあげる」というパターンが大半だと思います。「◯◯ができたら褒美をあげる」パターンです。

 

ここで1番問いたいことは

 

そのオヤツは「ご褒美」か?「賄賂」か?

 

ということです。

 

 

オヤツは例えるなら人でいう給料のようなもの。必要な行動を実行した対価としてオヤツをあげるのが理想です。

 

「オヤツをあげるからスワレをやってね」ではいけないということです。

 

残念ながら、実際には後者が多いと感じています。声に出して指示を伝えるだけでは実行しないのに、オヤツを見せたときは実行するという現場を何度も見てきました。

 

これは、子どものしつけや何かの習慣づけで考えると分かりやすいと思います。

 

テストで90点以上取れたら新しいスマホを買ってあげる、成績が上がったらお小遣いの金額を上げる、などの例です。

 

つまり、勉強をするという行為そのものが楽しくなったり、認められたり、必要性を実感したりすることが大切なことなのに、表面的なものを使って勉強させるパターンです。

 

これではご褒美があるときは勉強をするけれどないときは勉強しない、またはもっとご褒美を要求する、という状況になるのは、自分の経験を振り返っても思い当たることなのではないでしょうか。

 

「◯◯ができたら褒美をあげる」というのは短期的(もっと言えばその場しのぎ)には効果はありますが、継続や定着させる効果は期待できません。


 

 

その子の未来を考えると、努力や良い行動に対して報酬を与えるのはOK、しかしこちらの望む行動をとってほしいがために物で釣るのはナシ、ということです。

 

ですから、オヤツを見せてオスワリができても、オヤツが欲しくてやってるだけでは、指示に従っているとはいえません。これではいざというときに指示を聞いてくれないのです。

 

オヤツにばかり頼ってると、それはただの賄賂になってしまいます。指示を聞いて実行するのが必要なことなのです。

 

結局のところは、関係ができていればオヤツは褒美になり、関係ができていなければ賄賂になります。

 

もちろんトレーニングの導入として、形を教えるために誘導的に使うのはOKです。

 

 

けれども、いつまでも賄賂のオヤツのままだと、「オヤツがあるからやるよ、ないならやらないよ」という、オヤツ以下の関係にしかなりえないのです。

 

犬を飼うということは、その命を預かっているということ。ましてや家族として一緒に暮らしているのであれば、その犬の未来のことも考えて、本気で向き合えるかどうかだと思っています。