私と家内は大阪で生活を営んでいるが、毎年夏になると此々富良野にやって来て避暑に勤しんでいる。お金では買えない気持ち良き冷気と冷水に接し、新鮮な野菜や果物に恵まれるので富良野の夏は「良いなあ」と毎夏思う。而し秋が到来しても私達は10月末迄は帰阪はしない。何故ならば富良野の一番の魅力は秋にあると思うからだ。8月の後半に成ると暦は未だ夏だが気温は25度以下の日々と成り、少し肌寒くて気持ち良く、9月の中旬には当地から見える旭岳や芦別岳がもう初冠雪を迎える。10月に入ると樹々は紅葉し、本州より一足早く中秋、晩秋の景観を楽しむ事が出来る。
富良野の秋の魅力は多彩だが端的に云えば「花と畑」に在ると云える。富良野はラベンダーの花で有名で主として中富良野の「富田ファーム」、上富良野の「フラワーランド」、美瑛の「管野ファーム」、美馬牛の「四季彩の丘」等の広大な面積の畑で鑑賞出来るが夏の花なので遅くとも8月初旬には刈り取られてしまいそれ以後は残念乍ら来夏迄は見られない。而し植えかえられて秋の花が登場する。即ち赤や紫のセルビア、コスモス、ポピー、鶏頭(ケイトウ)、リアトリス等だ。どの花も広大に植えられ一面の姿で鑑賞出来るので大変美しい景観を提供している。
畑に就いても同様の事が云える。赤肉で有名な富良野メロン(夕張メロン)と西瓜は8月一杯で収穫時期を終えるが、それ等に代わって9月になると畑には葉が少し黄色ばんだ大豆、それから小豆、かぼちゃ、じゃが芋、唐もろこし、ヤーコン等の野菜が登場する。而し何と云っても登場する主役は葡萄だ。富良野ぶどう果樹研究所がお薦めの新しい「ふらのワイン」と「葡萄ジュース」が一斉に売り出される。ジュースに就いて序に述べると富良野の各ジュースは乾燥チップで輸入され、水と糖を加えて復元される缶ジュースではなく、収穫した果樹を直ぐ圧搾した新鮮其のものの100%生ジュースである事だ。特にお薦めの美味しいジュースはデイジー食品工業(今年社名変更して㈱マルハニチロ)のトマト・ジュースとぶどう果樹研の葡萄ジュースである。赤葡萄ジュースの種はバッファロー、白はナイアガラと名付けられている。ふらのワインは主に富良野産のセイベル種とドイツ産のミュラー・トゥルガオ種の葡萄を醸造して拵えられるが、適度の甘み、酸味、えぐ味が有り、これは通にもいけるワインだ。
美味しいのは唐もろこしだ。普通全国的に収穫されるのは黄色い大粒のハニー・バンダム種で、蒸したり醤油に漬けて網焼きしたりして食べるが、― 此の種の唐もろこしは現今札幌の大通り公園の屋台売りで全国的に有名になっている ― 富良野産の唐もろこしはゴールドラッシュ種で薄黄色くやや小粒だが柔らかく甘く、只蒸して食すだけで大変美味しい。その理由は当地では唐もろこしの軸の上部を切って短くし伸びる為の養分や水分を結実にまわすからだ。一人で2本位は直ちに食べてしまう。それから実が白いホワイト・コーンも沢山育てられている。
余り知られていないのは10月中旬になると「10月メロン」と云って再びメロンが収穫されることだ。10月メロンは露地メロンではなくビニールハウスで育てた「ハウスメロン」で、5号玉くらいの大きさに成る。富良野の郊外で芦別岳の麓に位置する布部、山部地区を訪れると眼に余る程数多くのビニールハウスのメロンを見かける。だから富良野ではメロンを2回収穫出来るのだ。此々でメロンの事にもう少し触れておきたい。メロンには網系メロンと網なし系メロンとがあるが、此々に述べている10月収穫のハウス・メロンは全て網系で所謂マスクメロンであり、これは夕張、富良野産メロンの特徴である。葡萄にはぶどう糖、西瓜には果糖しかないが、メロンにはぶどう糖、果糖、蔗糖と三種の糖が含まれているので特に甘く、糖度は16以上ある。それ故体内で素早くエネルギー化し、エネルギーの補給、疲れた際の疲労回復には最適である。メロンには糖質だけではなくビタミンCとカリウムが多く含まれている。それ故我々日本人にありがちな取り過ぎの塩分を排出してくれるし、高血圧を予防してくれる。従って私達は毎年郷里の親族や友人に可成りの数のメロンを当地から送っている。郷里では此の果物は高価過ぎるからでもある。
秋の富良野はお祭りが目白押しである。9月と10月に富良野神社祭り、物産祭り、ワインぶどう祭り、チーズ祭り、もみじ祭り、筝と尺八演奏会等々が催される。其の何れにも特徴が有り、これ等も富良野の秋の魅力の構成因だが、これ等のお祭りに就いては昨年9月に「富良野の夏の魅力」と題して書いたブログと重複するので此々では描写を割愛したい。ブログの読者の方はhttp://www.iju.furano.jpを参照して戴きたい。
私は今ふらのワインを飲み、窓外の芦別岳山麓のやや紅葉した樹々を眺め乍ら書いている。爽快で至福を感じる。皆さん、特に停年退職されて時間と貯金とに余裕をお持ちの方は、自己人生の集大成の一つとして魅力一杯の富良野に移住する事をお考えになってみては如何だろうか。その際は富良野市の桂木町に存在する㈱北菱に相談される事をお勧めしておきたい。
平成24年9月1日 富良野にて
玉田東也
富良野の秋の魅力は多彩だが端的に云えば「花と畑」に在ると云える。富良野はラベンダーの花で有名で主として中富良野の「富田ファーム」、上富良野の「フラワーランド」、美瑛の「管野ファーム」、美馬牛の「四季彩の丘」等の広大な面積の畑で鑑賞出来るが夏の花なので遅くとも8月初旬には刈り取られてしまいそれ以後は残念乍ら来夏迄は見られない。而し植えかえられて秋の花が登場する。即ち赤や紫のセルビア、コスモス、ポピー、鶏頭(ケイトウ)、リアトリス等だ。どの花も広大に植えられ一面の姿で鑑賞出来るので大変美しい景観を提供している。
畑に就いても同様の事が云える。赤肉で有名な富良野メロン(夕張メロン)と西瓜は8月一杯で収穫時期を終えるが、それ等に代わって9月になると畑には葉が少し黄色ばんだ大豆、それから小豆、かぼちゃ、じゃが芋、唐もろこし、ヤーコン等の野菜が登場する。而し何と云っても登場する主役は葡萄だ。富良野ぶどう果樹研究所がお薦めの新しい「ふらのワイン」と「葡萄ジュース」が一斉に売り出される。ジュースに就いて序に述べると富良野の各ジュースは乾燥チップで輸入され、水と糖を加えて復元される缶ジュースではなく、収穫した果樹を直ぐ圧搾した新鮮其のものの100%生ジュースである事だ。特にお薦めの美味しいジュースはデイジー食品工業(今年社名変更して㈱マルハニチロ)のトマト・ジュースとぶどう果樹研の葡萄ジュースである。赤葡萄ジュースの種はバッファロー、白はナイアガラと名付けられている。ふらのワインは主に富良野産のセイベル種とドイツ産のミュラー・トゥルガオ種の葡萄を醸造して拵えられるが、適度の甘み、酸味、えぐ味が有り、これは通にもいけるワインだ。
美味しいのは唐もろこしだ。普通全国的に収穫されるのは黄色い大粒のハニー・バンダム種で、蒸したり醤油に漬けて網焼きしたりして食べるが、― 此の種の唐もろこしは現今札幌の大通り公園の屋台売りで全国的に有名になっている ― 富良野産の唐もろこしはゴールドラッシュ種で薄黄色くやや小粒だが柔らかく甘く、只蒸して食すだけで大変美味しい。その理由は当地では唐もろこしの軸の上部を切って短くし伸びる為の養分や水分を結実にまわすからだ。一人で2本位は直ちに食べてしまう。それから実が白いホワイト・コーンも沢山育てられている。
余り知られていないのは10月中旬になると「10月メロン」と云って再びメロンが収穫されることだ。10月メロンは露地メロンではなくビニールハウスで育てた「ハウスメロン」で、5号玉くらいの大きさに成る。富良野の郊外で芦別岳の麓に位置する布部、山部地区を訪れると眼に余る程数多くのビニールハウスのメロンを見かける。だから富良野ではメロンを2回収穫出来るのだ。此々でメロンの事にもう少し触れておきたい。メロンには網系メロンと網なし系メロンとがあるが、此々に述べている10月収穫のハウス・メロンは全て網系で所謂マスクメロンであり、これは夕張、富良野産メロンの特徴である。葡萄にはぶどう糖、西瓜には果糖しかないが、メロンにはぶどう糖、果糖、蔗糖と三種の糖が含まれているので特に甘く、糖度は16以上ある。それ故体内で素早くエネルギー化し、エネルギーの補給、疲れた際の疲労回復には最適である。メロンには糖質だけではなくビタミンCとカリウムが多く含まれている。それ故我々日本人にありがちな取り過ぎの塩分を排出してくれるし、高血圧を予防してくれる。従って私達は毎年郷里の親族や友人に可成りの数のメロンを当地から送っている。郷里では此の果物は高価過ぎるからでもある。
秋の富良野はお祭りが目白押しである。9月と10月に富良野神社祭り、物産祭り、ワインぶどう祭り、チーズ祭り、もみじ祭り、筝と尺八演奏会等々が催される。其の何れにも特徴が有り、これ等も富良野の秋の魅力の構成因だが、これ等のお祭りに就いては昨年9月に「富良野の夏の魅力」と題して書いたブログと重複するので此々では描写を割愛したい。ブログの読者の方はhttp://www.iju.furano.jpを参照して戴きたい。
私は今ふらのワインを飲み、窓外の芦別岳山麓のやや紅葉した樹々を眺め乍ら書いている。爽快で至福を感じる。皆さん、特に停年退職されて時間と貯金とに余裕をお持ちの方は、自己人生の集大成の一つとして魅力一杯の富良野に移住する事をお考えになってみては如何だろうか。その際は富良野市の桂木町に存在する㈱北菱に相談される事をお勧めしておきたい。
平成24年9月1日 富良野にて
玉田東也