先日行われた川根小学校50周年祭までの日々を振り返っているこのブログ。
今回 FUNKISTのサポートメンバーとして参加してくれた
Dr.Yoco
B .kai
pr.KOU
key.祐日
彼らもまたこの日に向けてドキュメント映像を全部チェックしてくれて
『川根の子どもたちの為に』
と心を寄せてくれた頼もしきメンバーだ。
kai君に至ってはドキュメント見ただけでちょっと泣いていた。
体育館というけしてミュージシャンにとってやりやすい環境ではない中で、それでも不平不満一つ漏らさず、最後の最後まで
『子どもたちの声が届くように』
と試行錯誤を繰り返してくれた姿が嬉しかった。
FUNKISTというバンドが今もこうしてバンドとして続いているのは、奇跡とも呼べるこんな仲間たちとの出会いがあってこそだ。
周りに素晴らしいミュージシャンが沢山いる!
ありがたい!心強い!だからこそ甘えたくない!
『FUNKISTやっぱヤベェわ!』そう思わせるだけのヤベェ奴でありたい!!
仲間の存在がまた、僕らにハッパをかけてくれてる。今回の川根でも改めてそんな事を考えたのでした。
Dr.Yoco
B .kai
pr.KOU
key.祐日
本当にありがとうね。
さてそんなわけで前回の悔しい発表から1カ月ほど立った頃
(詳しくはブログのその1とその2をご覧ください)
二回目のワークショップがやってきました。
僕なりに前回なぜ歌い出せなかったか考え子どもたちとディスカッションをする事から始めました
『映像見たよ!山に向かって叫んだり、踊りを考えたりしてたね!!』
と伝えると一斉に子どもたちに緊張が走ったのが見えました
僕がそれをどう捉えたのか気になったのでしょう。
『最高!!超よかったよ!感動した!』
と伝えると子どもたちの緊張は一気に溶け、教室に笑顔が広がりました。
『見せてよ!みんなが作った踊り!!』
と言うと子どもたちは一列に並んで少し照れくさそうに、振り付けのついた歌を聴かせてくれました。
この1ヶ月。みんなで挑戦して練習してきた成果に僕はもう全員を一人づつ抱きしめたいくらい本当は感動してたんだけど
『すごくいいね!前と全然違う!!』
と伝えた上で
『でもね、まだなにかが足りないなぁ。なんだろう?』
とあえて僕は意地悪な質問をしました。
子どもたちはまたそれぞれに『なんだろう?』と話し始めました。
その中で僕は
『みんなと作った曲を今から2回歌います。歌う内容は全く同じです。でもなにか違う事があれば教えてください』
と伝え
その曲を2回歌いました。
子ども達に『どうだった?』
と訊ねると全員が
『2回目の方が全然よかった!!』
と言いました。
『なにが違ったんだろう?』と訊ねると
『声が大きかった?』
『なんか楽しそうだった?』
『顔が笑ってた』
など色々な意見が出てきました。
実はこの時僕は1回目は
・正確に上手く間違えないように歌う
という事に徹して歌っていました。
そして2回目は
・みんなが書いてくれた歌詞の先にある人一人一人を想いながら心を動かして歌う
という事をしていました。
そして子ども達が惹かれたのはやはり後半の歌。
そこで僕はこの2種類の歌のネタバラしをした上で
『みんなまだ自分が「誰に歌ってるか?」がハッキリしてないんじゃない?』
と訊ねると子どもたちは『うーん?』とまだ歌に想いを乗せるという事がよくわからずにいるようでした。
そこで僕はみんなに机を円にしてもらって歌詞カードと鉛筆を机に出してもらいました。
その時にみんなと作って出来ていた歌詞がこれです
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【タイトル無し】
限りある人生で君と出会い、一緒に過ごして描いた未来
一つひとつ繋がる思い、私たちずっとここにいたい
優しさが詰まった場所、喜び幸せを感じる場所
育ててくれてありがとう!
青空いっぱいに広がる愛情
wowo SLが走るこの町で
wowo 優しさに包まれながら
wowo 絆を信じて突き進め
wowo
春の桜に「大好き」を
夏の緑に青春を
秋の紅葉に別れを
冬は霧の中夢を見て
花びらから綿毛へ
羽ばたいて行け
タンポポ色の校舎に
今風が吹く 飛べ!
LOVE川根(いつでも)
ここからね(はじめよう)
LOVE川根(いつでも)
ここからね(はじめよう)
じゃあね またね
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見ただけでも子ども達の想いが伝わってくる素敵な歌詞です。
さぁそんなわけで僕から子ども達への質問責めが
始まりました。
『あのさ、最初の『限りある人生で君と出会い、一緒に過ごして描いた未来』の君って誰なの?』
と訊ねるとみんな『う〜ん』と考えて
その中の一人が『友達?』と答えてくれました。
『なるほど!友達か!じゃあさ、いつも歌う時友達を思ってちゃんと歌ってた?』
と訊ねるとみんなが一斉に首を横に振りました。
『OK!そしたら一人一人友達と向かい合って
限りある人生で君と出会って一緒に未来への時間を過ごせてて嬉しいよ!!ありがとう!
って想いを込めてみんなで歌ってみよう!!』
と提案すると子どもたちはすぐに立ち上がり、それぞれに向かい合って歌い始めました。
その時です
歌い出した声の音量はいつもの数倍大きくなり、そして向かい合い歌い合う表情はなんとも言えないくらい和らかく優しいものなっていたのです。
『すげぇいいよ!変わったの自分でわかる?』
と訊ねると子どもたちは『うん!全然違う!』と答え、その声に自分たちが成長している事への興奮が滲んでいるのが感じられました。
『じゃあ次の所行こう。
「一つひとつ繋がる思い、私たちずっとここにいたい」
これってどこにいたいの?家?温泉?』
と訊ねるとすぐさま『学校!!』という声がかえってきます。
『なるほど!学校か!みんな学校好き?』と聞くと
『好きだよー!!』
と当たり前じゃん!!にも似たニュアンスの返事が返ってきて、少年時代中々学校に馴染めなかった僕は一抹の羨ましさを子どもたちに感じつつ
『じゃあそこは学校での楽しいこと、友達との時間を思って「ずっとここにいたい」って歌わないとね。特に6年生はもうすぐ卒業だもん。この想いは強いよね?』
というと子どもたちは鉛筆で歌詞に『学校が好き』と書き込み再び歌い始めました
そんな風にして歌詞を一つづつ
『誰に』
『なにを思って』
歌うかを子ども達と考えていき
子ども達の歌はどんどんと厚みを増していきました。
そして毎回歌う前に僕は質問をする事にしました
『歌う時に大切な事が2つあります!なんでしょう?』
すると子どもたちは
『大きな声で歌い大きく動く事』
『想いをちゃんと歌に乗せる事!!』
と言い
それではやってみましょう!!
と毎回確認してから歌いだすというルールを作りました
『これは毎回俺がいない時もみんなで歌う前に確認して、丁寧に練習するんだよ!!』
と伝え子どもたちも理解してくれました。
そうして想いを言葉に乗せる事をみっちり練習して
この日の発表の時間がやってきました。
体育館には他のグループの子どもたちがすでに集まっています。
ダンスの子も、サッカーの子も、前回よりさらに動きに磨きがかかっていました
『歌グループ頑張れ!!』
心の中でそう思いながら
いよいよ歌グループの順番がやってきました。
前奏が始まり、歌いだす子どもたち
前回のように『歌えない』という事にはならなかったけど
練習の時より、動きも、声も、10分の1くらいしか出ていませんでした。
やっぱり『沢山の人の前で歌う』という壁は相当高く、その緊張感が彼女たちの中から『想いを伝える』という事を追い出してしまったように見えました。
さらに教室と違い広い体育館。
音が散ってしまい隣の子の声さえよく聞こえません。歌うほど自信をうしない、声が小さくなっていってしまう子どもたち。
最後は消えそうな声で歌いきり、発表は終わりました。
体育館で恒例の円になって座る僕たち。
2回目の発表も力を発揮できず、重い空気が僕らを包みました。
『どうだった?』
と子どもたちに聞いても返事はありません。
みんな俯いています。
『想いつたえられた?』と訊ねるとみんな首を横に振りました。
『人前で自分の想いを伝えるってすごく勇気がいる事だよね。簡単には出来ないね。だから僕たちは練習するんだよ。』
子どもたちからは返事がありません
ハマーさんが優しく伝えました
『練習ではあんなに出来てるんだから、自分を信じれば大丈夫だよ!自信を持って歌えたら絶対に大丈夫だよ』
子どもたちは小さく頷きました
子どもたちの力を発揮出来ず悔しそうな顔と、俯く背中を見ながら、再び僕は東京への帰路に着きました。
その時にふと陽子ちゃんの言葉を思い出してました
『練習だけが舞台で私を自由にしてくれる』
この壁を乗り越えられるかどうかは一人一人の頑張りにかかってる
信じよう!
次こそは笑顔で円になろう。
そして次回僕らの挑戦は
大展開を迎える事となる
そうあの季節が
川根の町に近づいていた
新緑が眩しいあの季節
川根が誇る
夏フェス
BIG NATURE 2018
の足音が
子どもたちの元へと
近づいていた
ー続くー