後悔しない「新しいお墓選び」と「墓じまい」の知識 | 葬儀相談・葬儀専門家 生前葬儀アドバイザーの葬儀・終活相談所

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主に終活・お葬式・お墓・仏事・相続についての情報を発信いたします。高齢者のサポートが現代では求められる時代になりました。
終わるための活動ではなく「次世代への継承活動」を普及を行います。

最近、
「実家のお墓が遠くてお参りが大変」
「子供に負担をかけたくない」といったご相談をいただくことが急増しています。

時代とともに家族の形が変わり、お墓のあり方も驚くほど多様化しています。

 

しかし、選択肢が増えた分、「結局どれがいいの?」と迷ってしまう方も多いのが現状です。

この内容は、

  • お墓を検討中の方、

  • 「墓じまい」を考えている方

上記の方へ「最新のお墓事情と手続きのポイント」をわかりやすく解説します。

1. お墓を決める前の「4つの選択肢」の比較

お墓を選ぶ際、「みんなそうだから」と安易に決めてしまい、後悔する方がいらっしゃいます。

まずは、現在の代表的な4つのお墓のタイプについて、それぞれのメリット(利点)と注意点を整理しましょう。

① 一般墓(従来のお石塔タイプ)

いわゆる「先祖代々のお墓」です。

  • メリット: 「地面の上に建ち、従来からのお墓のイメージ」
    親族が目の前で眠っている実感があり、供養の気持ちを持ち続けやすいのが特徴です。

  • 注意点: 墓石代や永代使用料など、まとまった費用が必要です。
    また、継承者(跡継ぎ)が不在になると無縁墓になるリスクがあります。

② 永代供養墓・合祀墓

 

画像
永代供養墓のイメージ

お寺や霊園が、家族に代わって管理・供養してくれるお墓です。

  • メリット: 跡継ぎがいなくても安心。費用も比較的安価に抑えられます。

  • 注意点: 多くの場合、他の方の遺骨と一緒に埋葬(合祀)されるため、後から「遺骨を取り出したい」と思っても対応できないことがほとんどです。

③ 納骨堂(室内・自動搬送式など)

マンションのような形式で、都市部に多いタイプです。

  • メリット: 室内なので天候に関係なく、草むしりなどの掃除も不要です。交通の便が良い場所にあることが多いです。

  • 注意点: 建物の中なので、従来のような「お石塔に水をかける」といったお参りはできません。建物の老朽化や、将来の管理費値上げのリスクも考慮する必要があります。

④ 自然葬(樹木葬・海洋散骨)

自然志向の方に人気の、墓石を作らないスタイルです。

  • メリット: 「土や海に還る」というイメージが良く、継承者も不要です。墓石代がかからない分、費用を抑えられます。

  • 注意点: 海洋散骨の場合、手を合わせる「墓標」がなくなるため、周囲の親族の理解を得るのが難しい場合があります。
    樹木葬も、埋葬後は遺骨を取り出せないケースが多いので注意が必要です。

ワンポイントアドバイス
お墓は「亡くなった方のため」のものであると同時に、「今を生きる私たちが心の整理をつける場所」でもあります。
費用や管理の手軽さだけで選ぶのではなく、「どこで手を合わせたいか」を家族で話し合うことが大切です。

 

2. 「お墓じまい」のリアル

近年はお墓を建てるのではお墓を供養する「お墓じまい」という言葉をよく聞くようになりました。

 

しかし、お墓じまいは単にお墓を撤去して終わりではありません。

 

お墓じまいは「今あるお墓からご遺骨を取り出し、今の暮らしに最適な場所へお引越し(改葬)すること」であり、前向きな新しい供養の始まりと言われます。

なぜ今、墓じまいが増えているのか?

背景には、深刻な少子高齢化があり、お墓の「承継・管理ができる人」がいなくなってしまうことが多くの理由です。

  • 人口減少: 2065年には日本の人口が1億人を割る見通しとなっています。

  • 未婚率の上昇: 男性4人に1人、女性7人に1人が50歳まで一度も結婚しない時代となり、お墓を受け継ぐ人がいなくなっています。

  • 子どもの数の減少:戦後前後生まれの世代の兄弟姉妹の人数と現代の兄弟姉妹の人数は大きく異なります。
    複数兄弟が居る世帯が多かった過去と比べると、現在は一人っ子または子供がいない世帯も増えています。

改葬(お墓じまい)件数: 年間9万7千件以上(2016年度)もの改葬が行われています。

 

例えば、
「実家は地方であるが、自分は東京で暮らしている。高齢になり、雪深い実家のお墓参りが辛くなってきた」
という理由など「地方と都会」の生活拠点の課題があり、現在お住まいの近くの納骨堂へ移す(墓じまいする)ケースなどが多くの例となります。


3. 失敗しない「墓じまい」の5ステップ

墓じまいは、勝手に行うことはできません。

行政手続きやお寺との調整が必要です。大まかな流れを知っておきましょう。

①親族間での話し合い

  • 実はトラブルで一番多いのが親族間です。「勝手に墓をなくした!」とならないよう、事前にしっかり相談しましょう。

②新しい供養先の確保

  • 遺骨の引っ越し先(永代供養墓、納骨堂、樹木葬など)を決めます。

③墓地管理者(お寺など)への申し入れ・手続き

  • これまでお世話になったお礼を伝え、「離檀(りだん)」の話し合いをします。

  • 市区町村役場で「改葬許可申請」を行います。

④魂抜き(閉眼供養)・遺骨の取り出し

  • お墓から魂を抜く法要を行い、遺骨を取り出します。

⑤墓石の撤去・新しい場所へ納骨

  • 墓石を撤去して更地に戻し、新しい場所へ遺骨を納めます。

注意点 
離檀料やお布施、石材店の指定など、専門的な知識が必要な場面もあります。
自分ひとりで抱え込まず、葬儀・供養・終活の専門家などのような実績ある代行業者に相談するのも手段です。

 

お墓選びも墓じまいも、正解は一つではありません。

 

大切なのは、「ご先祖様を大切にしたい」という想いと、「残された家族に負担をかけたくない」という優しさのバランスです。

 

これからも「お墓の準備」や「お墓じまい」についての課題は増えていきます。

いつでもお問い合わせくださいませ。