「当たり屋にも、誠心誠意、対応すればわかってもらえる!」世間知らずの校長の言葉 | 元中学校教師が教える学校のウラ話

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公立の中学校で25年間、勤務していた私が「クラス替えの仕方」「修学旅行」「部活」「未納」「モンスターペアレント」「学級崩壊」「いじめ」「不登校」「人事異動」など、今まで話すことができなかった、学校のウラ話をお伝えしていきます。

修学旅行で当たり屋被害にあった子ども


1.修学旅行二日目の夜に校長の部屋へ!
2.修学旅行の二日目は班活動
3.友達と走って目的地に向かおうとして・・・
4.病院に行くかもしれないから電話番号と住所を教えて!
5.治療費の3万円を払ってほしい!
6.謝れば許してくれるよ!
7.校長は教育委員会事務局上がりの出世頭
8.示談が成立したと思っていた校長だが・・・



1.修学旅行二日目の夜に校長の部屋へ!

今から数年前の話です。

ある学校で生徒指導主事と3年生の担任をしていたときの話です。

修学旅行二日目の夜、私は校長の部屋に呼ばれました。

そこには、校長、学年主任、1組の担任が私を待っていました。

私が部屋に入ると、校長はその日にあったトラブルについて話を始めました。


2.修学旅行の二日目は班活動

1組に山本くん(仮名)という男の子がいました。

山本くんは、普通の中学3年生です。

山本くんは、元気に修学旅行に参加しました。

修学旅行の初日は、クラス単位で名所を回ります。

山本くんも笑顔で過ごしていました。

修学旅行二日目は、班活動の日です。

あらかじめ決めておいた見学場所を班の仲間と巡ります。

その班活動の途中、山本くんはトラブルに巻き込まれてしまいます。


3.友達と走って目的地に向かおうとして・・・

1つ目の見学を終えた山本くんたちは、2つ目の目的地に向かいます。

2つの距離は歩いて15分ほどだったため、山本くんたちは徒歩で2つ目の目的地にむかいました。

山本くんは、修学旅行で気持ちが舞い上がってしまっていたのでしょう。

友達と大きな声でしゃべりながら、歩いていたそうです。(後ろを向いて歩いたり、スキップをしたりしていたようです。)

少しすると、友達がこのように言って走り出しました。

「次の場所に、誰が一番はやく着くか勝負しようぜ!」

出遅れた山本くんも、焦って走り出します。

しかし走り出してすぐ、山本くんは近くを歩いていた男性にぶつかってしまいます。

ただ、ぶつかったと言っても、相手が倒れるほどではありません。

肩が少し当たった程度だったそうです。


4.病院に行くかもしれないから電話番号と住所を教えて!

山本くんは、すぐに謝りました。

すると、その男性は大きな声でこう言います。

「痛い!痛い!」

山本くんが、謝るとその男性はこう言ったそうです。

「肩が痛いから病院に行くかもしれない。」
「多分、大丈夫だと思うけど、一応、家の電話番号を教えて!」
「もし、治療費がかかった場合は請求するから。」

もちろん、中学3年生の男の子たちに「NO」と言う勇気はありません。

山本くんは、その男性の指示通り、名前と住所、電話番号をその男性に教えてしまいあした。


5.治療費の3万円を払ってほしい!

その夜、山本くんの家に、その男性から連絡がありました。内容は以下のようなものです。

「肩が痛むので病院に行った!」
「治療費に3万円かかった!」
「その治療費を払ってほしい!」

驚いた山本くんのお母さんは、すぐに担任に連絡を取ります。

電話を受けた担任は、山本くんと同じ班の仲間をよび確認をします。

そこで、わかったのが以上の内容だったのです。


6.謝れば許してくれるよ!

校長は私にこう言います。

「今から主任と一緒に、その男性に謝りに行く。」
「治療費も私(校長)が立て替えることにした。」
「菓子折を持って謝りに行けば、許してくれるだろう!」
「この後、子どもたちに何かあったら、先生(私)が対応をして下さい。」

食事と夜の研修会も終わっていたので、後は寝るだけです。

大きなトラブルが起きる確率はほとんど無いので、その点に関しては心配はありません。

ただ、私は生徒指導主事の経験上(普通に考えても)、少し気になることがあったので、校長に確認をします。

「お金を払って大丈夫ですか?」
「後から、何度も請求されたりしませんか?」

すると、校長はこう言います。

「大丈夫だよ!」
「誠心誠意、謝れば、相手もわかってくれるよ!」
「子どもがしたことなんだし!」


7.校長は教育委員会事務局上がりの出世頭

校長先生はとても優しい先生でした。

ただ、事務局上がりの出世頭の先生です。

30代前半から、教育委員会事務局に入り教員の指導をしてきた先生です。

40代前半には、教育委員会の事務局から、小規模校(トラブルのほとんどない学校)の教頭になっています。

そこで2年間、教頭を務め、また、教育委員会の事務局に戻っていった人です。

その後、40代後半からは、校長や教育委員会の事務局を行ったり来たりしています。

校内でトラブルがあったとき、校長に相談をしても、見当違いの対応を口にする先生でもありました。

人としては良い人かもしれませんが、教師としては、修羅場を全く、くぐってきていないと感じる先生でした。


8.示談が成立したと思っていた校長だが・・・

夜の10時頃、校長と主任は笑顔で帰ってきました。

様子を聞くと、校長はこう教えてくれました。

「うまくいったよ!」
「治療費と菓子折もすぐに受け取ってくれた!」
「ケガも大丈夫らしく、もう、病院には行かないそうだ!」
「治療費もこれ以上はかからないと言ってくれた!」
「良かった!良かった!」

しかし、数日後、家に帰った山本くんのもとに、この男性からこのような電話がかかってきました。

「また、肩が痛くなったので病院に行きました。」
「治療費がかかったので払って下さい。」
「遠いので持ってくるのは大変だと思います。」
「現金書留で送ってくれればいいです。」

最終的には、弁護士に対応をお願いしたことで、それ以降の請求はなくなりました。


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