アメリカ合衆国本土で最南端に位置する市都市は、フロリダ半島のマイアミ市ですが、そこから更に南側の海に点在するキー諸島も7マイルブリッジという橋で陸路が繋がっていて、その最南端がキーウエスト島です。
そして、そのキーウエスト島の南端の海岸には、USA最南端を示すサザンモストポイントの碑が設置されているのですよ。
キーウエストの街歩きを楽しみながら、島の南側の海岸を目指します。
フロリダの暑く輝く太陽に照らされ、ラテンアメリカの風に吹かれながら歩く道すがらは、簡素ながらも優雅なリゾートタウンといった雰囲気です。
一直線に海岸へ向かう道の先端に見えてきたものは、大きな赤いバケツをひっくり返して置いたような奇妙なオブジェと、大勢の人だかり...。
オブジェの前には、人の行列が出来ていますよ。
そうです。 この大きな赤いバケツこそが、アメリカ合衆国の最南端を示す記念碑だったのですよ。
恐る恐る近づいてみますが、やっぱりそれは大勢の人垣で囲まれています。
そこで私たちも、行列の順番に並ぶ事にしたのです。
直感的に知ったのは、その行列は写真撮影のための順番だという事でした。
おやおや、このポイントには路線バスもやって来るのですねぇ。
そして、乗り合いの観光シャトルも...。
この観光シャトルは、遊園地の機関車風乗用カートみたいなもので、かなりゆっくりのスピードで走り抜けます。
乗車客たちは、全員が楽しそうにしていました。
個人的に行動したいなら、ピンクのタクシーを使うという方法も有るようです。
観光タクシーなら、此処で降りて写真撮影をしている間くらいは待っていてくれるでしょう。
ただし、料金の方はいくらになるか、分かりませんけどね...。
私たちの場合なら、街の中心街でツアーバスを降りてから、此処までは歩いて来ましたから、時間にすると約20分くらいのものでした。
キーウエストの街を歩くのは、それだけで十分に楽しい観光ですよ。
それにしても、写真撮影の行列は長いですねぇ。
でも、誰一人として文句も言わず、先の人を急かすような事も無く、平和な時間が流れています。
そういったのんびりした雰囲気は、アメリカの場合はスーパーのレジに並んでいる場合も同じですよ。
そうこうしているうちに、列に並ぶ事約30分ほどで、私たちの順番となった訳です。
はてさて、この2ショット写真は、どうやって撮影したのでしょう?
実は、列に並んでいる時に、すでに前後の人と話が着いていて、お互いのカメラを交換し合って、それぞれの順番が来た時にそれぞれのカメラで写真撮影をしてあげるという、友好的に平和な契約が成立していたのです。
もちろん、その時の言語は英語ですし、例えば高価な一眼レフカメラを預かった場合には、そのカメラの使用方法なども教えてもらいながら、とにかくお互いの写真撮影ごっこは、暗黙の平和な国際ルールにのっとって運用されていたのです。
しかも、そういった事前契約の話し合いで仲良くなった行列人たちは、それぞれの写真撮影ではジョークと激励の歓声を飛ばしまくりで、やれ『ハグしろ!』とか、『キッスしろ!”』とか、『もっとくっつけ!』とか、とにかく周囲は大笑いの渦です。
これには、質素な男女の愛を重んじる日本人カップルとしては、恥ずかしいやら楽しいやらの超劇的カルチャーショック体験だったのでした。
その、質素な男女の愛を重んじるはずの日本人にしては、偶に大胆になったりしますけど...。
もちろん私たちも、カメラを交換し合った相手様の写真をバッチリ撮ってから、お別れの固い握手をしたのであります。
ちなみに、この時の行列に並んでいた日本人は、私たち二人だけでした。
キーウエストの最南端は、大笑いと大歓声と、熱い思いの国際ルールが適用される、とても平和な場所でしたよ。
サザンモストポイントでの写真撮影を終えてから、近くのショップを覗いてみる事にしました。
そのお土産ショップが、これまた優雅な雰囲気です。
一見して、お金持の別荘かな?と思うような邸宅造りのハウスが、ギフトショップだったりするのですよ。
販売商品も、優雅なアート作品が多いです。
そしてまた、マイアミやキーウエストに因んだコレクショングッズもズラリ...。
マグカップも、この場所ならではのデザインが目を惹きます。
そして、しっかりサザンモストポイントも、大小様々に販売されておりました。
おっと!” これは何だ???”
んぎゃ~!” これこそはメガロドンのジョーズです!
サメの歯も、お土産グッズとなって売られていましたよ。
サザンモストポイントから、少し離れた南海岸。
この海の先には、アメリカと政治的に対立しているキューバが在ります。
しかしながらそれは、北海道とロシアや、日本と北朝鮮を隔てる境界線ほどに、今は刺々しいものではないようです。
フロリダ半島を吹き抜ける南風は、時には巨大ハリケーンとなって大災害を巻き起こすけれど、平常には快適指数の極めて高い爽やかな気候なのですよ。
観光名所であるバハマ諸島はキーウエストよりも北側に位置していますが、この辺の海域を西インド諸島などと呼んでしまったのは、コロンブスの大きな勘違いが根拠となったものでした。
キーウエスト島を吹き抜けるのは、フロリダの爽やかな南風。
インディアンは住んで居ないけど、インディジョーンズなら居そうな感じです。
ほら、そこに...。?"