車を手に入れてからの生活は一変した。
車中泊が快適過ぎる(´∀`)もうよっぽどのことが無い限りバッパーには泊まらないだろう。
ベッドの下で性行為をされることも無い、クソうるさいイビキに悩まされることも無い。
テントすらもう張らないだろうから、キャラバンパークにも泊まる必要が無くなって来た。
要はもう、お金を出して泊まる、ということをする必要が無い。
それに、車中泊でガソリン代を相殺していかないと。
ガソリンは日本より高い(今現在の日本の値段は分からないけど)。リッター160円とか。
車一人旅でのガソリン代は大きくのし掛かる。満タンで入れると一発で8000円吹っ飛ぶ。
前にも書いたけど、オーストラリアほど快適な野宿をできる国は無いんじゃないかってくらい、快適です(´∀`)
ここはなんとホットシャワーがあり、もちろんバーベキュー台とトイレも。
バーベキュー台でお湯を作るのは時間がかかるだろう、とガス台を貸してくれる家族やおっちゃん達との出会い。
ハンバーグごちそうしてくれた(・∀・)
とにかく完璧な場所。欲を言えば、冷蔵庫くらいかな、欲しいのは(´∀`)
毎朝、目の前でこんなサンライズ。
そんな、仕事を探しつつ、タダで超快適過ぎる生活をしていた僕に、ソレは張られていた。
キャサリンのフロントガラスのワイパーに、何やらヒラヒラと、一枚の紙が元気に風に揺られて挟まっている。
早く見てくれよ!と言わんばかりのはためきだ。
うむ。
いつの間にこんな紙を置いたんだ!
オイラの気持ち悪い寝顔を見たんじゃないだろうな!今までの彼女にも見せたこと無かったのに!どうでもいいわ。
英文がズラーっとあって目がくらんだが、とりあえず下の方に、
$260
と書かれている。
一番下の方には、「How to pay 支払い方法」と書かれている。
マジなの?( ゚ ▽ ゚ ;)これが野宿で罰金ってやつですか?
3分ほどその紙を見ながら強い風に吹かれながらフリーズしていた。
オーストラリアは野宿は禁止、てのは知っていたが。
何で260ドルなんだろう、、、って考えてみたら、そう言えば前日にこんな警告の紙が張られていたんだった。
ハッキリと$130って書いてある。そうか、2回分の罰金なんだな。
この警告を完全無視したオイラが100パー悪い((゚m゚;)
しかし、他にも野宿していた人はいた。
その人に聞いてみたら、こっちはそんなの無かったよ、と言うではないか。
なんだって?
なんたる不公平。
もしかしてアジア人だからとか?
許さねぇ。
最初はもう、完全シカトでいいっしょ、住所なんて無いし。身元はバレんだろう。
なんて思ってたけど、ナンバープレート控えられてんじゃん。
これでパスポートナンバーも、日本の住所も分かるじゃん。
でもそこまでするか?わざわざ日本の住所にまで請求なんてするか?
なんて思ってネットで調べてみたら、するらしい。
レンタカーでの事例だったけど。
それに今後オーストラリアでの入国の際に、問題があるかもしれない。
最悪入国できない、なんてのもあるかもしれない。
まだまだオイラの人生は長い。この旅でオーストラリアは終わりだ、なんて思ってるけど、
もしかしたら将来ハネムーン的な感じで来ることもあるかもしれない。
愛する妻に、「私シドニーへ行ってみたい!」
なんて言われて、
「すまない、実は俺、前に旅していた時に野宿罰金を無視しているんだ、もしかしたら入国できないかもしれない、
ハネムーンは伊豆で我慢してくれないか。」
なんてことになったら!
だっせぇーーーーッ( ゚ ▽ ゚ ;)
あるいは。
愛する妻に、「私シドニーへ行ってみたい!」
なんて言われて、
「いいねぇ!シドニーは素敵なとこだよ~!いっぱい散策したから、キミを案内できると思う!」
なんてウキウキで出発して、いざ入国審査の時に、
「案外簡単に入国できるのね!念願のシドニーだわ!
最初はどこに案内してくれるの?・・・って、、、アナタっ、、、!!!」
愛する妻の目に飛び込んだのは、二人の入国審査官に挟まれ連行される、小さな背中の旦那。
あなたの旦那様は、過去に野宿による罰金を無視した罪で、連行されました。
「・・・そ、、、そんな、、、
そんなダサい夫はイヤ。別れましょう。私はオペラハウス、アナタは刑務所。さようなら。」
いやだーーーーー(゚Ω゚;)
そんな感じで、無視してそのまま気持ち悪い不安を抱えながら旅するのはもったいない。
ここは綺麗にこの問題を終わらせよう。
でも僕、払いたくない。
とりあえず、その請求の紙の英文を訳して熟読してみようと、辞書アプリで調べまくる。
一つ一つ、見た事の無い英単語を翻訳してみた。どんどん文章が組み立てられる。
もし払わなかった場合、法にのっとり、あなたは裁判にかけられるだろう。
ひゃーー怖い!( ゚ ▽ ゚ ;)
でも僕、払いたくない。
更に翻訳を続けていくと、一つの光が見えたんだ。
あなたは記載された日付から28日以内に、以下の4つの中の一つをしなければならない。
ってあって、
一つは、大人しく払いなさい、と((゚m゚;)
二つ目は、異議申し立てをしなさい、と((゚m゚;)
三つ目は、これですよ、僕の希望の光は。
交渉してみなさい、と((゚m゚;)
四つ目も、ちょっと正確には難しくて分からなかったんだけど、交渉してみなさい的なことが書いてあったと思う。
なんだこの選択肢w
希望があり過ぎるw
迷わず交渉だろッ(ノ´▽`)ノ
$260・・・2万5千円?
確かにオイラが悪いんだが、高過ぎだろ!ソフトクリーム何本食えると思ってんだこのハゲ野郎!
てか何で他の連中には請求してないんだ!!!
絶対に負けられない戦いがそこにはある。
作戦を練った。
次々とオイラの脳みそはグッドアイディアを創作してゆく。
いざ、次の日に記載されている市役所へと出陣した。
出で立ちは、ボロボロのパジャマ。
更に襟元を強く引っ張り、ビロ~~~ンとさせ、
貧乏アピール全開。
準備、OKヽ(*・ω・)人(・ω・*)ノ
受付けはふくよかなオバちゃんだ。
あの、この紙が張られていたのですが(´・ω・`)
「はい、お支払いは現金ですか?カードですか?^^」
まるでちょっと良い電化製品を買う時みたいな言い方やの。
こういう支払いを満面の笑みで言わないでくれ、うっかり払いそうになる。
僕負けない。
ビシっと言ったぜ。
I have to pay this one. 私はこれを払わなければならない。
I want to pay this one. 私はこれを払いたい。
But, しかし
But, しかしね
But, しかしだね
I do not really have money.
本当にお金が無いんだ。
So, だからね
I slept out. 野宿したんだよ♪
受付けのオバちゃんの笑顔が消え失せる。
笑顔から、哀れみの表情に変わってきた。
オバちゃんは何やら優しくオイラに言葉を発していたが、何を言っているのかは分からない。
そしてオバちゃんは引き下がった。
「ちょっと待っててね、他の人を連れてくるわ。」と言って。
ふくよかな笑顔の素敵な受付けのオバちゃん、
打ち取ったり。
さぁ次の相手は誰だ?
かかって来い。
しばらくして、別のちょっと偉そうなオバちゃんが現れた。
このオバちゃんもスラスラと何かを言ってくるが、聞き取れない。
なんとなく、払わないとダメよ的な、あの紙に書いてあることを言ってるような感じのことを言っている。
でもオイラはさっきと同じ事を繰り返す。
一層、感情的に。
このボロボロの服を見てくれ、金が無いんだ、、、アピール。
哀れみと、強い眼差しでオイラをしばらく見つめる。
強い眼差しに目を逸らさず、オイラも凝視する。
僕負けない。
これでも喰らえ。
I'm looking for a job. 仕事を探しているんだ。
But, でもね
Nothing. 無いんだ。
Is there a job? 仕事はありませんか?
Otherwise じゃないと
I can't pay this one. これを払えないんだ。
仕事は本当に探している。
ピンチを逆手に取り、それを利用してしまうオイラの脳みそ、さすがだぜ。
後でチョコレートのご褒美をたっぷりあげるからな。今は頑張れ。
「ちょっと待っていなさい。」
と言ってオバちゃんは引き下がった。
目が強い偉そうなオバちゃん、
打ち取ったり。
しかしそのオバちゃんは撤退したのではなく、しばらくして二人の男性を従えてやって来た!
オッサン二人を召還するとは、なかなかイヤラシい技を繰り出してくるじゃないか。
こんにちは。
今回の件ですが。
なんと日本語を話せる人が来た。
今回の件はですね、野宿は禁止ということを知らなかった、
ということで、無かったこととします。
次は気を付けてくださいね。
・・・勝った( ゚ ▽ ゚ ;)あっさり。
あまりにもアッサリして拍子抜けしたが、段々と喜びが込み上げてくる。
その中で彼はちょっと驚く発言をする。
オーストラリアは法律によって野宿は禁じられています。
しかしこの町はですね、公園などのパーキングなどで野宿はダメですが、
路上なら大丈夫です、路駐ですね。
お友達がいらっしゃいましたら、教えてあげてくださいね。
だって。
そうなのぉぉ~~~(ノ´▽`)ノ
不思議な法律である。
州によって法律が違う、と彼は言っていたけど、
それじゃあこの町だけでなくタスマニアでは路駐で野宿はオッケーなんだろうか?
ちょっとよく分からんけど、とりあえず助かった(´∀`)仕事はくれなかったけど((゚m゚;)
もう一人の男性はどうやら日本が好きなようで、いろいろと日本の文化的なことを長々と喋り出す。
もういいよ、話は終わりにしてくれ・・・!
オラはもう、ウズウズしているんだ。
「俺の勝ち」とメモ帳の切れ端でいいから書いてそれを掲げながら全力ダッシュしてテレビカメラじゃなくていいから通行人でいいから見せたい。
そんな、市役所とのバトルを制し、罰金がチャラになったお話でした(´∀`)
路駐ならオッケーとかホント不思議だ。
そもそも、なぜにこの国は野宿(車中泊含む)を禁止しているんだろうね?
旅大国で、他の国からもたくさんの旅行者が来るから、
単純に野宿旅人が蔓延して、地元の人に迷惑がかかるからなのか。迷惑だろうか?
それか野宿を禁じて宿泊施設に泊まらせ国の経済に活用しているとか?
まぁとりあえず野宿は、うまく隠れ場所を見つけることと、運が必要だ(´∀`)