9月の「ふみサロ」提出作品
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【まっ白いノートがまっ白いままだったわけ】
頭になにか思い浮かんだら、まず書き出してみる。いつでもすぐに書けるように、我が家はノートやペンがそこいらじゅうに転がっている。
まっ白いノートに考えたことを書いていくのは、とても楽しい。書くことで、頭の中のもやもやが言語化され、感情や思考が整理される。そこから次にやるべきこと、進む道、自分の本音も見えてくる。書き出すことで「考える力」は確実に鍛えられるし、書かれた言葉が自分自身を知る道しるべにもなる。だから、私のところに悩み相談に来た方には、「頭の中のもやもやを紙に書き出す」ということを勧めている。
それなのに!
ノートを開いて数日何も書けないなんて日が来るなんて……。
頭になにも思い浮かばない。ペンを持ち紙に言葉を書くというエネルギーが湧いてこない。
この夏、義母の救急搬送からの緊急入院。入院したと思ったらあっという間の回復退院。義父の「もうお母さんの面倒は見られない」発言からの施設探し。訪問診療医の診察拒否、新しい訪問医探し。やっと診てくれる先生が見つかってホッとした矢先に、再びの義母の意識消失。延命治療をどうするか、このまま急変最悪の事態もあり得るからその覚悟を……からの再びの義母復活。そして、とりあえず受け入れてくれそうな施設が見つかって。ここから施設見学・面談・手続きとをケアマネさん主人と協力しながらこなしていかないとの今、主人が病気に、ケアマネさんがコロナに感染。
ここ数日ずっと開いたままでまっ白だったノートに、今やっとこうして書き出せて気づいた。私の頭の中を「義母の介護のこと」が占拠しているんだ。頭の中になにかが思い浮かぶ余白もないほどに。エネルギーをひたすらに奪っていく介護にまつわるあれこれの多さと重荷。これらが、私自身の考える力をも奪っていたんだ。
でももう、こうして書き出すことができたからきっと大丈夫。焦らず、ゆっくり、書ける自分を取り戻していこう。
(エッセイここまで)
【今回のエッセイの意図】
今月は本を読み切るのにも苦労したし、
(自分自身がパツパツすぎて、内容が頭に入ってこない)
いざ書こうと思ってもまったくなにも頭にも心にも浮かんでこなくて、
ここまで何も書けないことは滅多にないことなので、
そんな自分自身にとても戸惑いました。
この本の第四章に「まっ白いノートに考えたことを書いていくことのすばらしさ」
と書かれているところをモチーフとして、
「書けないで苦しんだけど、いざ書きだすことができたら
書けなかった理由がわかり道が開けた」
ということを作品にしてみました。
ハート・カウンセラーkokkoの本