映画「嘘八百なにわ夢の陣」のネタバレを含んだあらすじを紹介します。

 

鳳凰の茶碗

古美術店「獺(かわうそ)」の店主・小池則夫と、贋作作りのプロである陶芸家・野田佐輔(は、詐欺まがいの商売を続けています。

店の繁盛には至らず、則夫の娘・大原いまりのタロット占いだけが盛況でした。

ある日、大阪城の発掘調査で見つかった椀の破片が話題となります。

それが、伝説の天下人・豊臣秀吉の「秀吉七品」の一つであり、唯一所在不明だった「鳳凰の銘がついた茶碗」ではないかという噂が広がりました。

 

秀吉七品

則夫は動画配信サイトで「秀吉七品」の解説動画をアップするも、再生回数は伸びません。

そんな中、テレビプロデューサーの青山一郎に呼び出され、「大阪秀吉博」の実行委員会に連れて行かれます。

そこで則夫は、総合プロデューサーに任命され、客寄せのために「鳳凰」を作るよう提案されて困惑します。

一方、カリスマ波動アーティスト・TAIKOHが話題となっていました。

彼の所属する財団「TAIKOHクリエイション」は「秀吉七品」の6品を所有しており、財団のトップ・山根寧々は最後の一つである「鳳凰」を手に入れようとしていました。

 

プロデューサーを解任

寧々は佐輔に100万円の報酬で「秀吉が茶をたてる茶碗」を作るよう依頼し、彼は「鳳凰」のことを知らずに引き受けます。

則夫は「秀吉七品」を見に行った際、佐輔と再会し、「鳳凰」を「大阪秀吉博」に出すよう持ちかけますが、佐輔は依頼されたのは「秀吉の茶碗」であり、「鳳凰」ではないと断ります。

作陶に取りかかった佐輔は、「鳳凰」を知ってからアイデアが浮かばずに苦悩します。

同時に、TAIKOHもスランプに陥り、創作に苦しんでいました。

寧々は「TAIKOHクリエイション」主催の別の「大阪秀吉博」を開催しようとします。

世間の関心がどちらの博覧会に本物の「鳳凰」が出展されるかに向かう中、寧々は佐輔を解任し、他の陶芸家を探します。

則夫もプロデューサーを解任されますが、佐輔は夢で水上に浮かぶ「鳳凰の茶碗」を見てヒントを得ます。

 

大阪秀吉博

則夫も秀吉の時代に存在したビードロ(ガラス細工)を知り、二人で「鳳凰」をイメージした茶碗を作ることを決意します。

TAIKOHもまた、いまりの持ってきた絵からインスピレーションを受けてスランプを脱します。

「大阪秀吉博」が同時開催される中、則夫はテレビ番組で第三の「秀吉博」を発表します。

会場に駆けつけた関係者たちの前で、則夫は「鳳凰」を披露します。

小出盛夫は茶碗の木箱や文書を本物と鑑定するも、ビードロを混ぜた茶碗には疑問を呈します。

その時、TAIKOHが「僕の絵で譲ってくれますか?」と大きな「鳳凰」の絵を披露し、寧々が涙を流します。

寧々とTAIKOHが秀吉に魅せられたきっかけは、幼い頃に見た紙芝居でした。

夢を追ううちに本当の幸せを忘れていた二人は、佐輔の茶碗に光が当たる瞬間に「夢のまた夢」を感じます。

 

ラストシーン

その後、「鳳凰」は博物館に展示されます。

佐輔は個展を開き、TAIKOHの絵が自分の茶碗より高く売れたことに喜び、則夫を呆れさせます。