「ディベート」って聞いたことありますよね?
よく英語教育をはじめとする学校教育に用いられているあれですが、簡単に言うと、あるお題があってそれに対して賛成か反対かみたいな感じで2グループに分かれ議論しあう感じのやつです。
例えば・・・
お題、「学校に携帯電話を持ってくるのは賛成か反対か」
チームA、「賛成です。」
チームB、「反対です。」
チームA、「私たちは賛成です。なぜならブラブラブラ・・・・」
チームB、「いや私たちは反対です。なぜならチームAはブラブラと言いましたが、ブラブラというブラブラだからです。」
・・・
さて勝敗は!?って感じのやつです。
論理的に相手の欠点を見つけそこを攻め、自分達の方が論理的に正しいことを証明する議論です。
簡単に表わすと 「A vs.B」。
僕は論理的思考力とやらをつけたり、自分の意見を言えるようにするためにディベートを学校教育で用いることはとても重要なことだとは思いますが、なんかどうも痛いんです、こころが・・・。
だってどっちかが勝つために相手の弱点を見つけまくしたてる。
それも頭だけを使って。
なんか冷たく感じるのは僕だけでしょうか?
ディベートの訓練はとても大切だとは思いますが、それに偏った教育もどうなのかなってちょっぴり思っちゃいます。
・・・
それではディベート以外にどんな議論のやり方があるのか・・・。
SITで学び、ここで僕が紹介したいのが「ダイアローグ」というやり方。
ダイアローグ、簡単に言うと、AとBがある問題で対立していたら、まずその問題を目の前において、皆で一歩下がって見てみましょうよと。
そしてジャッジを一時中断して、色んな角度から一緒に見てきましょうよ。
その過程でお互いの意見の裏にある「ストーリー」を聴きましょうよ。
そのお互いの「ストーリー」を聴いたら、今まで自分達の側からしか考えられなかった問題が、「へ~そんな背景があったからBはそういう意見になるのかあ・・・」となるでしょうよ。
まずはお互いを理解することから始めましょうよ。
そしたら最初AかBかだったのが、新たなCという答えが見つかるかもよ?
ってな感じです。笑
なのでダイアローグはAとBの間に入るファシリテーターがうまいことストーリーを聞き出したり、どうどう、落ち着いて一度偏見をとって考えていきましょうよという感じにうまくリードしなければなりません。
式で表してみると、「A vs.B → A × B × ファシリ = C 」みたいな感じでしょうか?笑
例を挙げた方が簡単かもしれません。
簡単な例を紹介します。
(こんなうまくいくわけないだろうと承知の上で書いてます。どうかエッセンスだけ掴んでくださいm(_ _)m)
・・・
お題、「学校に携帯電話を持ってくるのは賛成か反対か」
チームA、「賛成です。」
チームB、「反対です。」
チームA、「私たちは賛成です。なぜなら家の人と連絡が緊急時とれるからです。」
チームB、「いや私たちは反対です。なぜならチームAは緊急時用と言いましたが、授業中とかLINEとか使っていじめが起きる可能性があるからです。」
ファシリ、「ほうほう、ちなみにAさん、緊急時に携帯がなくて今まで困ったこととか聞いたことがあるんですか?」
チームA,「はい、実は半年前、私の妹が下校時に事故に遭って、携帯を持って行ってなくて・・・ブラブラブラ・・・」
チームB,(えっ?!そんなの知らなかった・・・。心痛い経験をしていたんだなあ実際Aさんは・・・そりゃ携帯を学校に持ってくるべきって言うのもわからなくもないよねえ・・・)
ファシリ、「Aさん、ありがとうございました。それではBさん、ちなみにLINEでいじめの可能性をご心配されているようですがそれはまた何か具体的にあったんですか?」
チームB、「えっ、はい。よくニュースとかでも言われている問題ですが・・・、私ももう数年前になるんでいいんですけど、いじめられたうちの一人で・・・ブラブラブラ・・・ほんと悔しくて・・・」
チームA、(えっ・・・そんな過去があったのBさん・・・。私はニュースでしか見たことなかったからあれなんだけど・・・、悔しかったんだろうね・・・。)
ファシリ、「Bさん、ありがとうございます。それでは今携帯電話を学校へ持ってくることは賛成か反対かという議論をしていましたが、どう思われますか?」
・・・
もう白か黒かじゃなくなってきた感じ、つかめていただけましたか?
僕らは人間であり、温かい血が通った生き物です。
そして白か黒かで割り切れないグレーの世界で生きています。
黒か白かに決める決断をする時は確かに生きている中、あると思いますが、その練習と同じくらい「グレーゾーンを生きれる寛容さ」を身につけることも大事ですよね。
そしてその「グレーゾーンを生きれる寛容さ」が異文化理解で最も大切なことなんだということを僕はSITで学びました。