~新型コロナ行政の後始末~起きたことを、なかったことにしないために | 地方政治の未来を創る 秦野市議会議員  古木勝久

~新型コロナ行政の後始末~起きたことを、なかったことにしないために

こんにちは 26日に閉会した第1回定例月会議では、議員13人から提出された議提議案の結果を言い忘れましたのでご報告します。

 

その前に、少し触れなければならないことがあります。

 

さかのぼること4年前からです。第1回危機管理連絡会議がスタートしたのは、4年前の令和2年1月23日(危機管理監)です。

 

あれから4年、いろいろなことがありました。4年経ちコロナが終息に向かっていますが・・・。

 

☆30年後、コロナ関連の資料はどこへ?!

昨年5月8日に新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行したことにより、それより先立ち議会は5月7日に秦野市議会災害等対策会議を解散しました。

 

またコロナ対策の危機管理担当課から健康づくり課への事務引き継ぎが令和5年5月8日に行われ、秦野市新型感染症コールセンターが同年9月30日に廃止されました。

 

コロナの影響も少なくなり、本市の新型コロナウイルス対策が大きく転換しています。

 

そして本年3月31日に窓口の新型感染症ワクチン接種推進課は解消。4月1日より事務は健康づくり課に移ります。

 

新型コロナウイルス感染症対策では、これまで様々な部署の方々の表現しきれないほどのご労苦があったと思います。この場をお借りして感謝申し上げます。

 

そんな中で、議提議案第1号「新型コロナウイルス感染症の後遺症及びワクチン接種の副反応による影響の調査を求める決議」が提案されました。

 

全議員、全会一致ではありませんでしたが、賛成多数で可決。

 

賛成が志政会(6人) ともにつくる秦野(4人) みらいを変える(2人) 無所属(1人 吉村慶一議員)

 

反対が創和会・市民クラブ(6人) 公明党(2人) 無所属(1人 伊藤大輔議員)

 

欠席が石川潤議員(日本共産党)

 

☆平行線の異論反論~主な意見から

 

質疑で焦点になったご意見などをご紹介します。

 

〇この事業は法定受託事業(*)であり、むしろ決議ではなく国に意見書を出していく方法が良いのではないか。

 

〇何故、このタイミングで決議をするのか。〇目的は何か。〇執行部の負担が大変だ。

 

〇賛同者の中には調査はWebアンケートでしたらどうか。

 

様々な異論や反論などが呈されました。

 

法定受託事務とは、生活保護、児童手当、戸籍事務、マイナンバーなどの事務、本来、国の役割ですが、地方自治体が法に基づいて受託している事務のこと

 

☆起きたことを、無かったことにしない

自治体の資料の保存年限には限りがあります。よくあるパターンで、起きたことが、なかったことになるような話になってはなりません。

 

昨年から公的機関でもなく調査研究機関でもない一部のメディアが、コロナ感染やワクチンの後遺症などを積極的に調査報道をしています(下記参照)。

 

膨大な市民のデータは 基本、国や県に保管されています。

 

市民の記憶に頼るのでは、公式な記録として当事者である自治体が管理し、今、コロナ後遺症で苦しんでいる人たちに対応していくことが喫緊ではないでしょうか。

 

熊本県八代市などのように「新型コロナワクチン接種後の健康被害救済制度の本市における認定状況」などを、国や県と連携しながら症状などが分かるように認定件数などを公表しています。相談窓口も開設しています。

 

またはある自治体では新型コロナに罹患された方を対象に、大学と連携して、感染後に後遺症の症状があるかなど体調変化に関する調査を実施している所もあります。

 

本市では「本市も令和6年2月に「新型コロナウイルス感染症への対応の記録」を公表しています。内容は主に本市の対応と対策です。これも大切な資料です。

 

古くは江戸時代でも地震や飢饉などの記録で、人や建物、農作物などの被害、被災状況が把握され、後世に災害規模や様々な教訓などを伝えてきました。

 

これらがないのですわ!

 

本市の「新型コロナウイルス感染症への対応の記録」では、市民の状況がどうだったのか。保育園や学校、医療機関などがどのようにひっ迫したのか。自治体自らが後世に伝えることは市民の窮状、記録があまり見えません。

 

「喉元過ぎれば熱さを忘れる」と言われますが、あの薬害エイズでも厚生省の行政資料の保管が問題になりました。

 

組織が改正されたり、人が入れ替わったりして、よくありがちなことは資料の散逸です。

 

本市の現状の30年を限度する「文書管理規程」では、散逸の可能性は起こり得ることです。このことを、今やらなくて、いつやるのでしょうか。