保育士試験:子どもの食と栄養攻略講座

保育士試験:子どもの食と栄養攻略講座

保育士試験・筆記試験の「子どもの食と栄養」を受験する方のために、「子どもの食と栄養」の出題傾向や具体的な対策などをお伝えしていきます。「1記事:5点アップ」をめざして、質の高い記事を掲載していこうと思っております。

<日本人の食事摂取基準(2020年版)【エネルギー】>

だいぶ更新が滞っておりましたが、「日本人の食事摂取基準(2020年版)」のポイントまとめ(超凝縮版)を再開したいと思います。

今回は、「Ⅱ 各論」の「1-1 エネルギー」(p51~105)のポイントをまとめます。



1 基本的事項

多くの成人では、長期間にわたって体重・体組成は比較的一定で、エネルギー出納バランスがほぼゼロに保たれた状態にある。
肥満者もやせの者でも、体重、体組成に変化がなければ、エネルギー摂取量とエネルギー消費量は等しい。

したがって、健康の保持・増進、生活習慣病予防の観点からは、エネルギー摂取量が必要量を過不足なく充足するだけでは不十分であり、望ましいBMI(body mass index:体格)を維持するエネルギー摂取量(=エネルギー消費量)であることが重要である。
そのため、エネルギーの摂取量及び消費量のバランスの維持を示す指標としてBMIを採用する。

2 体重管理

あくまでも、BMIは、健康を維持し、生活習慣病の発症予防を行うための要素の一つとして扱うに留めるべきである。

特に、65歳以上では、介護予防の観点から、脳卒中を始めとする疾病予防とともに、低栄養との関連が深い高齢によるフレイルを回避することが重要であるが、様々な要因がその背景に存在することから、個々人の特性を十分に踏まえた対応が望まれる。

【目標とするBMI(kg/㎡)の範囲(18歳以上)】
  
  18~49歳 18.5~24.9
  50~64歳 20.0~24.9
  65歳以上 21.5~24.9


乳児・小児では成長曲線に照らして成長の程度を確認する。
成長曲線は集団の代表値であって、必ずしも健康か否か並びにその程度を考慮したものではない。
しかし、現時点では成長曲線を参照し、成長の程度を確認し、判断するのが最も適当と考えられる。


<参考資料> エネルギー必要量

1 基本的事項

エネルギー必要量は、WHOの定義に従い、「ある身長・体重と体組成の個人が、長期間に良好な健康状態を維持する身体活動レベルの時、エネルギー消費量との均衡が取れるエネルギー摂取量」と定義する。
さらに、比較的に短期間の場合には、「そのときの体重を保つ(増加も減少もしない)ために適当なエネルギー」と定義される。

2 推定エネルギー必要量

成人(18歳以上)では、推定エネルギー必要量(kcal/日)は

   推定エネルギー必要量(kcal/日)
      =基礎代謝量(kcal/日)×身体活動レベル

として算出される。

小児、乳児、および妊婦、授乳婦では、これに成長や妊娠継続、授乳に必要なエネルギー量を付加量として加える。

● 基礎代謝量とは、覚醒状態で必要な最小源のエネルギーであり、早朝空腹時に快適な室内(室温など)において安静仰臥位・覚醒状態で測定される。

● 身体活動レベルは、1~5歳ではレベルⅡの1区分のみ、6歳以上では3区分になっている。

● 妊婦・授乳婦については、身体活動レベルの区別なく、妊婦初期・妊婦中期・妊婦後期・授乳婦の順に、50・250・450・350という付加量(kcal/日)が設定されている。

● 付加量を考慮しなければ、すべての年齢階級・レベルにおいて、男性の数値(推定エネルギー必要量)が女性の数値を上回っている。




【コメント】

「日本人の食事摂取基準(2015年版)」より、エネルギーの摂取量および消費量のバランスの維持を示す指標としてBMI(body mass index:体格)が採用され、今回もそれが維持されています。

そして、「目標とするBMI(kg/㎡)の範囲(18歳以上)」の3種類の数値を押さえることは困難ではないでしょう。

問題なのは、「参考資料」という位置づけの「推定エネルギー必要量」をどこまで押さえるか、という点です。

BMI採用後の筆記試験でも「推定エネルギー必要量」が出題されており、切り捨てることはできないでしょう。

一方、しっかり押さえようとすれば、本気で取り組む必要があり、気がついたら、食事摂取基準対策として、重要性の低下した「推定エネルギー必要量」ばかりに時間を割いていた、ということにもなりかねません。

そこで、「推定エネルギー必要量」に関して、最低限押さえておきたい知識を厳選してまとめたものが、上記の内容です。
やはり、「基礎代謝量」や「付加量」は、どうしても捨てがたい知識だと思われます。

なお、乳児・小児については、BMIの指標が示されていませんが、「乳児・小児における基準策定に当たっての留意点」として、「推定エネルギー必要量」を参照することとされています。
そして、乳児および小児のエネルギー摂取量の過不足のアセスメントには、成長曲線(身体発育曲線)を用いることとされています(「日本人の食事摂取基準(2020年版)」p393)。


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<リベンジセット子どもの食と栄養 改訂のポイント>

4月2日まで「日本人の食事摂取基準(2020年版)」(以下、単に「食事摂取基準」ともいいます。)のまとめ記事を書いておりましたが、4月7日に緊急事態宣言が発令され、4月8日に全都道府県での保育士試験(前期)・筆記試験の中止が発表されて以降、お知らせ等は「保育士試験:社会福祉・教育原理等攻略講座」のほうに掲載し、こちらのブログの更新は、いったん中断しておりました。

このたび、9年以上にわたってご好評をいただいている「保育士試験科目別リベンジセット子どもの食と栄養」の令和2年(後期)版への改訂がようやく完了いたしましたので、それについてお知らせするとともに、こちらのブログの更新を再開させていただこうと思います。



≪今回の改訂のポイント≫

今回の改訂のポイントということは、すなわち、後期・地域限定試験へ向けての範囲変更(令和2年4月1日までに施行等されたもの)のポイントということになります。

1 食事摂取基準

食事摂取基準の改定(ダイジェスト版の改訂)が一定の意味を有することは確かですが、[前期の筆記試験中止後の後期・地域限定試験]ということもあり、改定された食事摂取基準について、数多くの問題が出題される可能性は低いでしょう

そもそも、近年の「子どもの食と栄養」では、食事摂取基準に関する問題は、以前に比べて、だいぶ少なくなっています。

高齢者の年齢階級の変更や「フレイル」の意味、ナトリウムの食事摂取基準(食塩相当量:g/日)(成人男性8.0 → 7.5、女性7.0 → 6.5)など、重要な変更ポイントを押さえておけば十分だと思います。


2 国民健康・栄養調査結果

かつては「4年前の調査結果が出題される」という慣例があったのですが、近年はその慣例が崩れ、令和元年の後期試験では、同年4月1日時点で最新であった平成29年の調査結果が出題されました。

そうすると、今年の後期試験では、今年の4月1日時点で最新であった平成30年の調査結果が出題されるものと考えられるため、リベンジセットでも、平成30年の調査結果を掲載しております。

気になるのは、毎年「国民健康・栄養調査結果の概要」の「基本項目」に掲載されていた「欠食に関する状況(20歳以上)」が、「概要」全体から姿を消したことです。

詳細な表等が掲載されている「報告書」のp98(全212ページ)で、かすかにデータを見出すことができるのですが、平成30年の調査結果の「概要」から姿を消しているので、今回は気にしなくてもいいと思います。

念のため、平成29年の調査結果の「概要」に掲載されていた「欠食に関する状況(20歳以上)」の内容を引用しておきます。

朝食の欠食率(20歳以上)は、男性15.0%、女性10.2%であり、年齢階級別にみると、男女ともにその割合は20歳代で最も高く、それぞれ30.6%、23.6%である。

なお、本調査でいう「欠食」とは、①食事をしなかった場合、②錠剤などによる栄養素の補給、栄養ドリンクのみの場合、③菓子、果物、乳製品、嗜好飲料などの食品のみを食べた場合、の3つの場合をいう。


3 アレルギー表示推奨品目に「アーモンド」追加

昨年の9月に、食物アレルギーを引き起こすおそれのある食品のうち、「特定原材料(7品目)に準ずるもの」としてアレルギー表示が推奨される品目として、アーモンドが追加されました。
これで、推奨品目は21品目、特定原材料と合わせて28品目となります。

表示が義務付けられている特定原材料は、えび、かに、小麦、そば、卵、乳、落花生の7品目で、この7品目は覚える必要があります。

しかし、今回の品目追加については、
推奨品目についてはアーモンドが追加されて21品目、特定原材料(7品目)を加えて、全28品目
ということを押さえておけば十分かと思います。



なお、令和2年(前期)以前の「リベンジセット子どもの食と栄養」をご利用いただいていた方は、令和2年(後期)版の同教材のPDFデータは、無料でご利用いただけます。

追って、一斉メール等で再利用についてご案内させていただきますが、お急ぎの方は、メール等で、「ふくしかくネット」・「ふくしかく楽天市場店」あてにご連絡いただけますよう、よろしくお願いいたします。


今回の改訂では、やはり、食事摂取基準の改定の影響が重くのしかかりました。

「リベンジセット小児栄養」の販売を開始したのが2011(平成23)年2月で、その時は、食事摂取基準は2010年版でした。

その後、2015(平成27)年版の「リベンジセット子どもの食と栄養」から、食事摂取基準を2015年版に切り換えたわけですが、今回は、2015年版への切り換えのときと比べ、教材の改訂に非常に手間取ってしまいました。

今回のリベンジセットの改訂については、令和2年(前期)版での勉強の成果を発揮する場(前期の筆記試験)がないまま、すべてのご利用者様が改訂版を利用されるという特殊事情があり、なるべくPDFデータを再度印刷しなくてもいいように、詳細な「新旧対照表」を作成しておりました。

「リベンジセット子ども家庭福祉」や「リベンジセット社会的養護」の「各種資料ダイジェスト版」(以下「ダイジェスト版」といいます。)についても細かく新旧対照表を作成したため、新旧対照表がPDF(B5判)50ページ近くになってしまいました。

今回、「リベンジセット子どもの食と栄養」のダイジェスト版についても、改訂しながら、新旧対照表を作成し始めました。

ダイジェスト版の全123ページ中、50ページ以上を占める「日本人の食事摂取基準(2020年版)」から着手してみたのですが、表も本文も豊富で、例えば、たんぱく質の食事摂取基準の新旧対照表は、ダイジェスト版では1ページしかないのに、新旧対照表が2~3ページにわたってしまうことになり、これでは、新旧対照表を見ても何が何だか分からなくなるうえに、下手をすると、新旧対照表だけでダイジェスト版のページ数に近いものになってしまうということを、何日か作業してようやく悟り、結果的に、ダイジェスト版については、改訂箇所を赤字で示し、カラーの新旧対照表のPDFをアップロードすることで、新旧対照表に代えることとさせていただきました。

ポイント集と予想問題集については、通常どおりの新旧対照表を作成しております。


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<日本人の食事摂取基準(2020年版)【総論2】>

(令和2年 神奈川県独自 地域限定保育士試験 以降向け)


「日本人の食事摂取基準(2020年版)」の「Ⅰ 総論」(p1~50)のポイントの後半です。




1 ライフステージ別の留意点

● 妊婦・授乳婦
推定平均必要量及び推奨量の設定が可能な栄養素については、非妊娠時、非授乳時のそれぞれの値に付加すべき量として食事摂取基準を設定することとした。

胎児の成長に伴う蓄積量を考える場合には、妊娠期間の代表値280日として、1日当たり量として表すこととした。
妊娠期間を細分化して考える必要がある場合は、妊娠初期(~13週6日)、妊娠中期14週0日~27週6日)、妊娠後期28週0日~)に3分割した。

授乳期には、泌乳量のデータが必要であるが、日本人女性の泌乳量に関する信頼度の高いデータは存在しない。
そこで、哺乳量(0.78L/日)を泌乳量として用いることとした。

● 乳児
出生後6か月未満の乳児では「推定平均必要量」や「推奨量」を決定するための実験はできない
そして、健康な乳児が摂取する母乳の質と量は乳児の栄養状態にとって望ましいものと考えられる。

このような理由から、乳児における食事摂取基準は、(基本的に)「目安量」を算定するものとし(※1)、具体的には、母乳中の栄養素濃度と健康な乳児の母乳摂取量の積とした。
この期間を通じた哺乳量は平均0.78L/日との報告があるため、今回は0.78L/日を基準哺乳量とした。

● 小児
食事摂取基準の策定に有用な研究で小児を対象としたものは少ない
そこで、十分な資料が存在しない場合には、成人の値から外挿(がいそう:判明していることから分からないことを推測・予測すること)して求めた。

● 高齢者
高齢者では、咀嚼(そしゃく)能力の低下、消化・吸収率の低下、運動量の低下に伴う摂取量の低下などが存在する。
特に、これらは個人差の大きいことが特徴である。

また、多くの者が、何らかの疾患を有していることも特徴として挙げられる。

そのため、年齢だけでなく、個人の特徴に十分に注意を払うことが必要である。


2 策定の留意事項

食事として経口摂取される通常の食品に含まれるエネルギーと栄養素を対象とする。

耐容上限量については、いわゆる健康食品やサプリメント(以下「通常の食品以外の食品」という。)由来のエネルギーと栄養素も含むものとする。

耐容上限量以外の指標については、通常の食品からの摂取を基本とするが、通常の食品のみでは必要量を満たすことが困難なものとして、胎児の神経管閉鎖障害のリスク低減のために、妊娠を計画している女性、妊娠の可能性がある女性及び妊娠初期の女性に付加する葉酸に限り、通常の食品以外の食品に含まれる葉酸の摂取について提示する(※2


3 活用に関する基本的事項

健康な個人又は集団を対象として、健康の保持・増進、生活習慣病の発症予防及び重症化予防のための食事改善に、食事摂取基準を活用する場合は、PDCAサイクルに基づく活用を基本とする。

まず、食事摂取状況のアセスメントにより、エネルギー・栄養素の摂取量が適切かどうかを評価する。

食事評価に基づき、食事改善計画の立案(Plan)、食事改善を実施(Do)し、それらの検証(Check)を行う。
検証を行う際には、食事評価を行う。

検証結果を踏まえ、計画や実施の内容を改善(Action)する。




【コメント】

「ライフステージ別の留意点」における「● 高齢者」は、今回(2020年版)から加わった項目なので、注意しましょう。

妊娠期間の「280日」、哺乳量・泌乳量の「0.78L/日」という数字は、食事摂取基準の中では頻出の基本事項なので、しっかり覚えて、自分の中での常識にしてしまいましょう。

※1に関し、については、6~11月で「推定平均必要量」と「推奨量」が設定されているので、注意しましょう。
これは、母乳からの鉄摂取で十分と考えられる0~5月と異なり、鉄不足となるおそれがあるためです。

※2に関し、葉酸だけでなく、マグネシウムについても、通常の食品以外からの摂取についてのみ、耐容上限量が設定されています
「通常の食品以外からの摂取についてのみ・・・」というのは、通常の食事をしている限り耐容上限量は考えなくてもよい、ということです。


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