ボタン型電池に気をつけろ! 最も危険なのは「大きいリチウム電池」 | 福岡ER ~日々奮闘中!~

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こんにちは、ERのSです。
今回は、小さいお子さんをお持ちの方にぜひ読んでほしい内容です。

みなさん、ボタン型電池ってかなり危険だということは知っていますか?





以前、「ボタン型電池に気をつけろ! 対処方法は・・・」という記事を書きました。
よろしければ、まずはこちらをご覧ください。
「ボタン型電池に気をつけろ!対処方法は・・・」へのリンクはこちら


実は本当に危険なのは、ボタン型電池の中でもリチウム電池という種類のものです。

リチウム電池は放電能力が高く、電池の外側にアルカリ性液を産生するために
他のボタン型電池よりも重篤化しやすいのです。


今回は、本当に危険なリチウム電池の見分け方などをご紹介します。




目次
1.リチウム電池による重症例が増えている!
2.リチウム電池の見分け方
3.リチウム電池はどんなものに使われているか?






1.リチウム電池による重症例が増えている!

じつは異物を飲み込んでも、ほとんどの物が大便と一緒に肛門からでてしまうのであまり心配いりません。
しかし「ボタン型電池を飲み込んだ」と聞くと、救急に携わる者は身構えます。
放電などをおこして食道や胃や腸の粘膜を傷つけ、腸管に穴をあけることがあるのです。

ひどい場合は命に関わりますし、手術が必要なケースもあります。



「National Capital Poison Centor」というアメリカの中毒センターのホームページには、ボタン型電池誤飲で、これまでに報告された重症例が(英語で)すべてまとめられています。

National Capital Poison Centor のホームページはこちら

そしてその内容は2010年に一度、Pediatricsという有名な雑誌に論文としてまとめられています。

文献「Emerging Battery-Ingestion Hazard: Clinical Implications」へのリンクはこちら




論文によると、最近ボタン型電池の中でもリチウム電池の誤飲が増えています




これに比例して、ボタン型電池誤飲による重症(死亡を含む)患者さんが増えています。

これらのうち、重症例や死亡例の9割がリチウム電池誤飲によるものです。







2.リチウム電池の見分け方

では、どのボタン型電池がリチウム電池なのでしょうか?
論文によると、リチウム電池を見分ける方法は2つあります。


①大きいボタン型電池はリチウム電池


8600人(NBIH)のデータによると、直径が20mm以上のボタン型電池誤飲は99.4%がリチウム電池でした。


20mmというと、ボタン型電池の中では最も大きい部類です。

論文ではコインのペニーが20mmであると記載されています。
日本では、1円玉が20mmなのでこれと比べると良いでしょう。

1円玉と同じくらいの大きさの場合はリチウム電池かもしれません!




なお2015年までにボタン型電池誤飲で死亡した患者さんのうち
電池の大きさが分かっているのが28人。

そのうち27人が20mm以上、1人だけ15mmのボタン型電池でした。

大きいボタン型電池の誤飲はとにかく危険です!







②電池表面のコードを読む  「CR20・・」は直径20mmのリチウム電池

ボタン型電池には表面に必ずコードが記載されています。
リチウムのボタン型電池のほとんどが「CR・・・・」です。
これを見てください。


じつは「CR20・・」と書かれているものが、直径20mmのリチウム電池です。


「CR2032」は非常に多く利用されているボタン型電池なので、事故も多いのかもしれません。




論文ではさらに、


・重篤になったのは3歳以下
・新品のボタン型電池は使用済みのものよりもリスクがある。
・高齢者は補聴器のボタン型電池を薬と間違って内服するが、これは小さい電池であり重症例はない。

などのマニアックな情報が記載されています。



電極がマイナスの側の腸管損傷が悪化するという情報も面白い記載でした。







3.リチウム電池はどんなものに使われているか?


さて、わたくしは大きなリチウム電池の実態を調査するために、病院のそばにある某電気屋に足を運びました。


信頼する「〇ジマ電気」の店員さんによると

・ボタン型電池の中でリチウム電池の売れ行きは好調
・しかし小さいリチウム電池はほとんど売れない
・リチウム電池の中では圧倒的に「CR2032」が売れている

とのこと。


どんなものに使われているかというと・・・


ストップウォッチ





万歩計




携帯ゲーム機



リモコンキー



などにCR2032が使われています。

電子機器が小型化する中で、強力なリチウム電池を使う頻度が増えている様です。

こどものオモチャにも多く使われていますが、最近は電池交換のフタはネジで固定されていることが多いですよね。

むしろ新品で買ったボタン型電池を居間に置きっぱなしにしていて、お菓子とまちがった子供が食べてしまうというのが危険なパターンだと思います。


その場合は、ボタン型電池のコード(型番)が分かるように、もともと入っていたパッケージを持参して受診していただけると良いと思います。

何よりも大切なことは、ボタン型電池を子供の手の届く範囲に置かないということです。

世の中にはこれで命を失っている子もいます。気を付けてください。




前回のブログでも書きましたが(http://ameblo.jp/fukuoka-er/entry-12003699677.html
ボタン型電池が胃に落ちているときの対応は意見が分かれます。

2015年までの全死亡例を参考に、胃に落ちているときの対応については、またブログを書こうと思います。

【S】

ボタン型電池に気をつけろ! 対処方法とは・・・

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