「脳と6年と経った」 | 福盛貴弘の脳炎日記

福盛貴弘の脳炎日記

日常生活で起きたことを素朴に書き記しています。
まずは、予告編2編をご覧ください。

倒れてから6年経った。

早いものである。

 

6年前は確かに高次脳機能障害であった。

日常生活ができるかどうかも分からなかった。

 

意識混濁はある意味助かった。

私に現実を見せない防衛本能だったかもしれない。

 

自身の病気を自身で受け入れられるかどうかが分岐点だった。

ベッドへの拘束はそうしないと納得できないので。

 

同僚の親が倒れた時の話を聞いた。倒れた当人は、拘束されているのは悪いことをしてるからと思ったとのこと。たしかにあるあるである。

 

私も某国に捕らわれていた。

看護師が貼るメモは、工作員の連絡手段だと思っていた。

 

そういうことが冷静に判断できない。

捕らわれの身というイメージだけが頭から離れていないのだ。

 

脳がおかしくなっても、過去に得たイメージが何かを喚起する。

普段表に出てこないものが、病気になると出てくるという不思議さ。

 

感情のコントロールができず、時に怒ったり、時に泣いたり。

まるで子どものようだが、現実世界に何かを訴えようとしている。

 

同一人物の中に大人と子どもが同時に存在している。

別人ではないが、多重人格になっているのかもしれない。

 

そして、見た目がおかしくても別世界でちゃんと生きてるということ。

パラレルワールドというのは、案外こういうものなのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

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→ 「脳と3年とついに」

 

→ 「脳とあれからと4年」

 

→ 「脳とあれからと5年」