総合病院入院編~はじめましてゆうとん | 福耳一家の日常

福耳一家の日常

~今日もぶるとっぴん(。・ω・)ノ゙~

平成13年2月20日


分娩監視装置をするために朝から総合病院へ行った。


母は仕事でいないので、父につれてきてもらった。


名前を呼ばれて部屋にはいる。


お腹に装置をつけられベッドに横になる。


わずかに聞こえる胎児の心音。


ドッドッドッドッドッ・・・・・・・・


胎児の心音は大人と比べて随分と早い。


お腹の張りもぐーときている。


このままお産につながればいいなー。なんて思っていた。


ドッ・・・・・・ドッ・・・・・・・ドッ・・・・・・・・・・


あれ?なんだか心音が遅くなったような。。。気のせいかな?装置がずれたのかな?


ドッドッドッドッ・・・・・・・・ドッ


しばらくして看護師さんが見に来た。


「どーですか?」


記録紙を見ていて


「・・・・・ちょっと先生呼んできますね」


と出て行き、先生と一緒に戻ってきた。


先生と一緒に排出された記録紙を目に通しながら


「○○さん、ちょっとねあかちゃん弱ってきているみたい。このまま入院して様子みよっか?」



ガーーーンΣ( ̄Д ̄;)



待合室に待つ父のところに行き、


「お父さん、このまま入院してくれって。なんか赤ちゃん弱ってるって・・・」


「うそじゃろ?」


「いやっ本当。」


別棟の病棟に移動する。


父に入院するために準備していたものを持ってきてもらうように頼み、私一人でナースセンターに入る。


分娩監視装置をつけ、病棟担当の看護師さんにいろいろと質問を受けていた。


看護師さんはとてもやさしくて、私は昨日起きたことを涙ながらに話していた。(昨日のこと


「うん、大丈夫よ。もう予定日すぎてるからね、いつ生まれても大丈夫だからね」


といわれてそのやさしい言葉にまた泣いてしまった。


しかしまた、胎児の心音が弱まった。私は恐怖で体がこわばってしまった。


看護師はあわてて私を横の体勢にし、酸素マスクを取り付けた。先生もあわててやってくる。


「赤ちゃんに酸素が行きにくい状態だから、なるべく体勢を横向きにしたほうがいい。」


そして、診断の結果


羊水が少し少なくてそのせいでへその緒を圧迫し、酸素が行きにくい状態になっているのではないかということ。


胎児の肺の異常はもうすでに成長しきっているので、なんともいえないということ。


もう一度心音低下になればすぐに手術をして胎児を取り出さなければ危険なこと。


もし、このまま低下しなければ明日促進剤投与して出産すること。


と告げられた。


病室で一人寝ていると、仕事が終わった夫が駆けつけた。


そして、先生に言われた事を話して


「このまま、落ち着いてくれればいいね」


と話していた。


入院準備を持って父と母もやってきた。


夫に夕食を買ってきていた。


私は手術になるかもしれないので、飲み食い禁止。


横で美味しそうにいなりずしを食べる夫。


夜の9時を回って父と母は帰っていった。


夫はもう少しそばにいるといって残ってくれた。


昨日からあまり眠れなかった私達。うつらうつらし始めたその時、


胎児の心音がゆっくりと小さくなっていった。


「あっ」


夫と顔を見合すと同時に先生と看護師がどかどかっと病室に入ってきた。


装置の音はナースセンターにつながっていたのである。


「○○さん、今から手術しますからね。剃毛をするのでご主人はでてください」


と主人が出された。


私は


「なにが起きても文句はいいません」


みたいなことがかいてある誓約書にサインをした。


サインをする手がぶるぶる震えた。


外に出た夫は今帰ったばかりの両親に電話。


「今から、手術になりました」


術衣に着替えて、ストレッチャーの上に乗せられた。


病室を出たときに、父と母が息を切らしながら着いていた。


「がんばってね」


「がんばれ」


うん。とうなずくだけ。夫と手を握った。


妊娠が発覚して10ヶ月、普通分娩の情報しか読まなかった。いや、帝王切開のことなんてほとんど載ってなかった。まさか、自分が帝王切開になるなんて思いもしなかった。



私が行われる手術は全身麻酔といって、人工呼吸器をつけて意識も何も無い状態で手術をする方法だった。


手術室はとても寒い。


私は寒さと恐怖で振るえが止まらなかった。


「○○さーん、麻酔科の●●です。がんばりましょうね」


震えている私の手をぎゅっと握ってくれた。少し恐怖感がなくなった。


私の体にいろんな装置がとりつけられていく。


そして


「○○さん、今から5カウントします。そしたら意識がまったくなくなりますからね。」


といわれた。


そんなあほなっ。と内心思っていたのだが、カウントが始まってから私の記憶は一切ない。




とーおーい意識の片隅で名前を呼ばれている気がする。





はっΣ( ̄Д ̄;)うかつにも寝てしまった。


と目が覚めたときには手術は無事終わり、私はストレッチャーに乗せられ手術室を後にしていた。


「あかちゃん。。。あかちゃんは・・・・?」


うわごとのようにつぶやいていたという。


病室に入ると夫と父と母が待っていて


小声で


「おめでとう。男の子だったよ。」


といって手をぎゅっと握ってくれた。


手術室で撮ってくれた写真を見せてくれた。


写真の中の赤ちゃんはとても夫に似ていた。


「あはっパパそっくり・・・」


というと意識は無くなった。





平成13年2月20日 午後11時28分 


帝王切開にて男の子を出産しました。