【定型25グラム以下が31％の値上げに】
総務省は今日、「25グラム以下の封書（定形郵便物）の郵便料金」の上限を現行の84円から110円に改正する省令案を発表した。日本郵便は、2024年秋頃に110円に値上げする方針。
値上げは1994年から約30年振りとなり、合わせてはがきも63円から85円に値上げする方針のようだ。
理由は、日本郵便が22年3月期決算で民営化以降で郵便事業が初めての赤字に転落したためという。
赤字になってたった1年での31％の値上げ発表とは、いくら“独占”の民間会社・日本郵便とはいえ、民間の値上げルールには似ても似つかない大胆値上げである。
確かに、21世紀になってからのメールやＬＩＮＥなどインターネットを使った通信手段が急拡大して、郵便事業が急速に斜陽化したのには驚くばかりではあった。
私自身は、インターネットを通じた各種通信手段は頻繁に利用するが、それでも丁寧な文面の手紙の美しさ、素晴らしさには心を打たれるもので、将来も大切にしたい文化である。
インターネット関連の通信手段を得意としない高齢者や各種サークル、同人誌等にとっては、高額郵便代はやめて欲しいことだろう。
利用者が激減しているというなら、それこそ政府による日本郵便への郵便事業への財政支援があっていい。Ｆ35Ａやトマホークをほんの少し削減すればいいだけなのだから。
【郵便料値上げの変遷】
〇1966年に郵便法を改正し、定形と定形外に分類。定形25グラム以下15円、はがき7円。
〇1972年、定形25グラム以下20円、はがき10円に。
〇1976年、定形25グラム以下50円、はがき20円に。
〇1981年、定形25グラム以下60円、はがき30円に。3ヶ月後は がきが40円に。
〇1989年、消費税3％導入で定形25グラム以下62円、はがき41円に。
〇1994年、定形25グラム以下80円、はがき50円に。
〇2014年、消費税が5％から8％に上がり、定形25グラム以下82円、はがき52円に。
〇2017年、はがきのみ62円に。
〇2019年、消費税が8％から10％になり、定形25グラム以下84円、はがき63円に。
〇2024年秋、定形50グラム以下（25グラム・50グラムの区分廃止）110円、はがき85円に上げる方針。