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 交通事故などの衝撃で激しい頭痛や吐き気などの症状を引き起こす「脳脊髄(せきずい)液減少症」について、府は28日、診断や治療が可能な府内の医療機関名を9月にも府のホームページで公表する考えを明らかにした。同日府庁を訪れ、医療機関名公表などを求めた2万3863人分の署名を提出した患者の府立港南造形高校3年、万膳志帆さん(17)に対し、綛山(かせやま)哲男副知事が答えた。

 脳脊髄液減少症は、強い衝撃によって脳内の脊髄液がもれることでさまざまな症状を引き起こすとされている。万膳さんは小学校入学直前に交通事故にあい、原因不明の頭痛やめまいなどの症状に悩まれ続けた。今春、広島県内の病院で脳脊髄液減少症と診断されて治療を受けている。

 10年以上もの間、病名さえわからずに苦しんだ経験から、万膳さんは先月、治療可能な医療機関名の公表などを求める要望書を府に提出。今回は、友人や先生、PTAなどの協力を得て集めた署名を提出するために再び府庁を訪れた。

 願いがかなう見通しとなったことについて、万膳さんは「これでたくさんの人が救われる」と涙ぐみながら話していた。

 府健康づくり課によると、府内の脳神経外科や整形外科など約2千の医療機関に対し、脳脊髄液減少症の診療や治療が可能かどうかを問うアンケートを近く実施。その結果を9月上旬にも府のホームページで公表する予定。

 万膳さんに同行したNPO法人「脳脊髄液減少症患者・家族支援協会」の中井宏代表理事によると、府が医療機関名を公表すれば、未実施なのは東京都だけになるという。




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