私の耳が生まれたのは30年前なのですが、耳いわく、生まれてから一番の贅沢をしたそうです。
意識を耳に集中して、耳に栄養をやるような気持ちで聴きました。
私の席は39列目で、家入レオさんは5cmほどにしか見えませんでしたが、横のモニターで表情もしっかり見れました。
途中で気付きました。
いやもうこれ、映画ですやん。と。
家入レオさんは、もともとシンガーソングライターで、ここ数年は、提供された歌を歌うことも多くなったのですが、その機会が家入レオさんを化けさせました。
まず歌詞からその物語の主人公をイメージし、パーソナリティーを作りあげていくそうです。存在させてしまうのです。大好きなワインやコーヒーも、その主人公が飲まなさそうならその期間は控えるという徹底ぶりです。
そしてその物語が、自分が経験していないことであっても、自分の中にある同じ感情を探し、引き出して歌うそうです。
なので一曲一曲に表情や声の色が全然違って、時には泣き、笑い、崩壊するのです。
家入レオさんのアルバムは、1曲目、2曲目、というより、1話目、2話目、という感じだなぁ、とは思っていたのです。
そしてライブを見たら、はぁ…映画やってますやん、姉さん。
凄まじい表現力。
天才なのです。神から授かった繊細な感受性は彼女を苦しめ続けてきたかもしれません、しかしその感受性の強さがなければ家入レオという芸術はこの世には生まれていないのです。
あまりに一曲一曲に陶酔するので、曲と曲の間にはほとんど暗転を挟みます。
書きませんが演出の気遣いも細やかでした。
そしてトークもやはりお上手でした。
家入レオさんをあまり知らない人は、彼女を無口な女性だと思っているかもしれませんが、家入レオさんはとても明るくチャーミングな人です。
だけど感じやすくて抱えやすい部分があり、内面と深く向き合って、より繊細に捉えたものを体を使って出力している、真の表現者なのです。
外から吸収したものを中で分解・咀嚼し、言葉、声、表情、動きを総動員して、また外に出力する。
きっとこの先、音楽だけに留まらず、お芝居の世界でも活躍すると思いますし、小説なども書かれると思います。
私は恥ずかしい。6年生のとき幼稚園だった人が、私より濃密な生き方をしている。
私も頑張ります!!
私の歌、薄いなぁ…
(ウケメン、GYAOで見れます。もしくは8月2日(金)は深夜25時45分~26時45分、フジテレビで放送されますので見てください!※見られない地域もあります)