夢洲2期区域における不動産鑑定と土地契約金額の設定 | 大阪市会議員 福田武洋(ふくだたけひろ) オフィシャルブログ(大阪市旭区)

【令和7年2・3月市会 質疑報告2】

 

 

2月12日の朝日新聞の記事によれば、夢洲の関西電力送配電株式会社の変電所用地について、大阪市は令和5年4月に不動産鑑定業者に売却額の算定を委託。価格は1平方メートルあたり約15万円で、6月に不動産評価審議会に諮ったが、審議会からは保留とする判断が示された。

大阪市は令和5年7月に別業者に算定を委託。令和6年2月には3回目の算定をさらに別の3業者に委託した。令和6年4月には審議会へ再諮問、価格は前回の倍以上となる、1平方メートルあたり約33万円で承認に至った。

だが、関電側とは契約に至らず、1年がかりで決まった売却額は無効となった、とのことであります。

「この記事の内容は正しいのかどうか?」と質問すると、

 

土地所有者である港湾局の答弁は、

「記事に記載のある、令和5年6月に不動産評価審議会へ諮問し、結果、保留となったことや、令和6年4月に審議会へ再諮問し、結果、承認を得たこと。

また、令和5年4月から令和6年2月までに不動産鑑定業者計5者に鑑定を依頼したことは事実である。」

とのことでした。

 

そこで、

「土地価格については正しいのかどうか?」と質問すると、

 

港湾局は、

「関西電力送配電とは、売却に向けた協議を進めているところであり、土地価格については土地売買に関する協議中の内容となる。これを公開することで、不動産の処分・活用の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあることから、情報公開条例に基づき非公開としている。

記事に記載の土地価格については、本市から情報提供等をしたものでないことから、お答えしかねるもの。」

とのことでありました。

 

そこでさらに私から、

「関電変電所用地の西に位置するIR用地は、当時の鑑定で1平方メートルあたり12万円であった。IR用地の鑑定時は、夢洲駅は完成しておらず、IRが実現するかも分からない状況で、そのような評価となったのだろうが、現在は夢洲駅も開業し、IRの準備工事も始まっているなど、大きく状況が変化している。

路線価などからは、夢洲エリアの土地価格は上昇トレンドにあると思われるが相違ないか?」と質問。

 

港湾局は、

「毎年7月に公表されている相続税路線価では、夢洲駅の近傍の道路の路線価はIR用地の賃料を鑑定した令和3年から比べると、令和3年は1平方メートルあたり5万7千円であったところ、令和4年は6万1千円、令和5年は6万8千円、令和6年は8万円と3年間で約4割上昇している。」

との答弁でありました。

 

上昇トレンドにあることは間違いないとのことで、今回の関西電力送配電との契約が合意に至らないこととIR用地の価格との関係は不明ですが、気になるのは万博後の夢洲2期区域の開発における土地価格の設定なので、続けて質問しました。

 

Q.

第2期区域についても、不動産鑑定により土地価格を定めていくのだろうが、開発事業者との契約が、不動産鑑定の土地価格を下回る額で行われることがないか、気にかかるところ。

港湾局としてはIR用地の土地課題の対策費、788億円の負担があるわけで、できるだけ適切に高い賃料を設定していく必要がある。

開発事業者との土地の契約額は、不動産鑑定により定めた土地価格を下回ることはないのか?

 

A.

第2期区域の土地価格については、売却又は貸付けなど、土地の処分条件に沿った土地鑑定を実施し、土地の予定価格を開発事業者募集の募集要項に記載する予定であり、第2期区域の開発事業者募集にあたっては、不動産鑑定に基づき定めた土地価格を下回る額で契約することはない。

Q.

一方で、マスタープラン策定に向けた民間提案募集(1次募集)では、募集要項の中に「優秀提案者を対象に、2次募集における開発事業者の決定の際に、加点等の優遇措置を講ずることを検討」とある。

この優遇措置は、土地価格に対するものではないのか。開発事業者の決定時に、土地の契約額に対しインセンティブが反映され、減額の優遇措置がされるといったことはないのか?

 

A.

マスタープラン策定に向けた民間提案募集では、より実現性・具体性のある提案がなされるよう、優秀提案者を対象に開発事業者の決定の際に加点等の優遇措置を検討することを募集要項に記載した。

開発事業者の募集における具体的な優遇措置の内容は今後検討していくが、あくまで開発事業者が提案する事業計画の審査において、加点等の優遇措置を検討しているものであり、土地価格を優遇することは考えていない。

 

今回の関電変電所の記事からも分かるように、IR用地における土地契約額があまりにも安過ぎるということは一目瞭然であると言えます。

IR用地の不動産評価額が鑑定業者4社中3社が同一であったり、IR用地の土地課題対策への公金の投入について、当時の松井市長は「政策的な観点により」などと説明してきましたが、これまでのそういった進め方が今後の夢洲開発に大きな負の影響をもたらしていくと思われます。

関電の変電所、夢洲2期区域、夢洲3期区域、大阪ヘルスケアパビリオンの活用など、まだまだ課題は多く議論が必要です。