教頭の負担軽減と公園樹木の維持管理 | 大阪市会議員 福田武洋(ふくだたけひろ) オフィシャルブログ(大阪市旭区)

引き続き、一般決算特別委員会で質疑した内容についてご報告します。

 

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まず、大阪市では小・中学校の教頭のなり手不足が深刻な問題となっています。

教頭選考試験の受験者数は平成16年度は441名でしたが、平成26年度はわずかに57名と激減しています。

平成28年度は100名台まで回復しましたが、これは教育委員会が各学校に、教頭試験の受験者を1名は必ず推薦するよう求めていることから、まだ教頭になろうと決意を固めきれていない人も受験しているケースがあり、受験者数を無理矢理に増やしているのが実情のようです。

 

不足の原因としては、教頭先生の業務が年々多忙化していることが考えられます。

朝一番に学校に出勤して鍵を開け、夜は最後の先生が帰るまで一緒に残って、鍵を閉めて帰ることが多いようです。

他にも休日や夜間の地域行事への出席や、その他の雑務の多くが教頭先生の業務となっており、朝5時台に家を出て、夜10時台に帰宅するという日常が繰り返されていると聞きます。

教頭先生の年齢は40代~50代前半が多く、若い世代の先生たちがそんな教頭先生の姿を見ていると、なかなか教頭を目指そうなんて気にならないのは当然の結果であります。

まずは鍵の管理について、教頭ばかりに負担がいかないように複数の鍵を作って、校長や教頭、他の教員で分担して対応するよう求めました。

しかし、現状はなかなかそう簡単にはいきません。他の教員の方も毎日大変な中で子どもたちの指導にあたっています。

夜は教員からの相談などで最後まで教頭が残ることはあるとしても、朝の鍵開けは、例えば管理作業員さんにお願いできないのか?など学校任せにするのではなく、教育委員会としても指導力を発揮するよう要望しました。

 

また、教育委員会からメールなどで送られてくる文書・アンケート・調査などに回答するのも教頭先生の業務となっています。

その数が大変多く、大きな負担となっています。

内容についても同じような調査が多く、教育委員会がデータを一元管理いれば一度で済むものが、それがなされていないために何度も似たような調査が行われ、現場の先生方は辟易していると聞きました。

さらには市内24区の区長を区担当教育次長として任命したため、区役所からくるアンケートや調査も増えてきているというのです。

教育委員会に対して改善するよう求め、文書収受についてはワーキングチームを作って具体的な削減方法を検討するとの答弁がありました。

 

他にも、教頭の負担軽減を行うため、副校長や教頭補佐、教頭補助の配置を行っており、新任教頭に対して配置する教頭補助については一定の成果が表れているようですが、まだまだ実態に合っていない面もあるようなので、引き続き、教頭の負担軽減に貢献する制度となるよう改善を求めました。

 

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 最後に、公園樹木の維持管理について。

ここ最近は特に、市民の皆さんからも公園の草木が生い茂っており、ちゃんと維持管理しているのか?といった苦情やお叱りをいただくことがあります。

建設局に維持管理の予算を減らしているのでは?と聞くと、直近の5年は予算・決算ともほぼ横ばいであり、維持管理は継続してしっかり行っているとのことなのです。

では、苦情件数はどうなっているのか?と伺うと、5年前は1,600件だったのが現在は約2,100件。

500件の苦情件数が増えているということは、何かしらの問題があるのは明らかであります。

 

これまでは樹木の剪定は建設局の職員が担っていましたが、市政改革の流れもあり、大阪市は職員を削減し、その分を業者に委託する制度に変えていきました。公園愛護会の方が伸びている枝などの伐採を現場で依頼すると、剪定している業者の人から「その枝は契約範囲外だから」との理由で切ってくれないというのです。

さらに社会環境の変化や少しずつ景気が上向いていることもあり、労務費や材料費の単価が上がっています。

そうなると、大阪市は予算を下げていないと言いますが、委託を受けた業者は人件費や材料費が上がっていますので、どこかで採算をとらなければなりません。その結果、剪定の品質が下がっているのも一因としてあるのではないかと申し上げさせていただきました。

 

大阪市は市政改革によって人件費を削減し、維持管理については業者と契約してしっかりとやっている。と考えているのかもしれませんが、少なくともそういった市政改革のシワ寄せが、ボランティアで活動していただいている公園愛護会や一般の方にまで及ぶようなことになってはならないと思います。

市政改革の弊害が生じていないか一定期間で見直しを行い、よりキメ細かな対応を検討するなどして、逆に改革のメリットが市民にも伝わるような取り組みを進めていくよう要望しました。