韓国の食い物 チャンオ(うなぎ または ヌタウナギ) | 寂しげサラリーマン、時々超高圧ベーシスト in Pyeongtaek

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日々の反省と感傷日記。いまは韓国駐在日記をつづっています

土用の丑の日にあたるものが韓国にもあるようです。
 
「伏日」と書いてポンナルという日。夏至から数えて何日目、という感じで合計で3日間あるらしいのですが、難しいことは興味がある人が調べて教えてください。
 
ポンナル当日はもちろんのこと、韓国ではとにかく7月に入ったら滋養食として「サムゲタン」「犬」「うなぎ」のうちどれかを食いに行くのが一般的な風習というか、風物詩のようなものになっています。
 
サムゲタンは、小さ目の鶏まるごとの腹に米を詰めて煮込んだもので、1人前せいぜい千円・二千円ぐらいです。腹に米が入ってなければラーメンの中間体と言えなくもない。家族連れでも気軽に行けるメニューです。会社の昼飯にも出ることがあります。
 
犬は、好きな人はたまらなく好きみたいですが、実際は食材としては非常にマイノリティに属します。そもそもあまり話題にあがりません。
 
では、うなぎはどうか。
 
うなぎのように細長い魚介類を総称して韓国語では「チャンオ(長魚)」と呼ぶようですが、だいたいうなぎかヌタウナギを指すようです。そして、うなぎとヌタウナギでは大違いなので、
 
うなぎ→ ミンムルジャンオ
ヌタウナギ→ コムジャンオ
 
という風に、食う時・売られる時は明確に名前が区別されています。
 
ヌタウナギについては日本で見る機会はほとんど皆無と思われ、すごく美味しいものでもないのでいったん紹介はやめときます。うなぎの歯触りを牛のミノへ近づけたというか、力強い噛みごたえがありますかね。良く言えばね。
 
ミンムルジャンオとコムジャンオ、どっちが日本で言ううなぎだったかなあ、、、というとき、間違えて「ヌタウナギを食いたい」と間違えないことは重要ですね。下手すると「日本人の珍しいリクエストをかなえてやろう」ということでヌタウナギ屋に連れて行かれるという、悲しいすれちがいが起こります。
 
 
さて、うなぎ。
韓国でも希少な食べ物で、日本と同様の価格です。家庭で食うものではなくて、うなぎ専門店へ行ってぜいたく品として食べるものというべきでしょう。または、会社の金で食うべきものです。
 
7月に入って、会社主催の宴会をやるとなると、どこからともなく「うなぎを食べに行きませんか」というリクエストが社内で聞かれるようになります。西日本出身の日本人のわたしからすると、「わざわざ韓国でうなぎかいな?」と思いつつもしぶしぶ行くのがこの時期のならわしです。
 
素晴らしくおいしいとは思われてないようですが、そこそこうまいし高くてありがたいものだというのが韓国のうなぎのようです。
 
食べ方はこんな感じ↓
 
①店の奥から、生か半焼けの状態でうなぎを持ってこられるので、目の前で焼き上げる。
 蒸すという工程はどうやら無い。

 
②適当に焼けたら、店の人がハサミで輪切りにしてくれる。

 
③焼けたと思ったら、
 1)甘いタレか塩をつける。タレは日本のうなぎやアナゴのタレとほとんど同じ。
 2)葉野菜に乗せる。
 3)細切りショウガをたくさん乗せて、さらにニンニクやネギ、輪切り青唐辛子などの薬味を乗せて、一気に食べる
 4)飽きたら、うなぎの骨をよく焼いたやつをカリカリかじって口直し
 
うなぎだけ拾って食ってもいいけど、だいたい何か足すことを勧められますね。
 
・葉野菜にすべてくるんで、出来上がったものを左手に構えておいて、
・右手には焼酎のショットグラスを構えて、乾杯して、
・一気に飲み干して、
・その直後に、左手に持ってるやつを一口で食う
 
というコンビネーションもよくやります。これは焼肉でも同じです。平澤の田舎だけかもしれんけども。
 
 
焼き物炒め物の韓国料理にだいたい共通しますが、とにかく薬味を足して葉でくるまないと気が済まないらしい。
若い人は必ずしもそうでもないみたいだけど、古い人や古い考えをもった男どもなんかは、間違いなく何らかを乗せまくった上で食う。
 
昔は流通や保存状態も悪くて薬味が活躍しないといかんかったんだろうけども、現代でもこの調子。
 
「こうやって食うのがうまいんだよ」、この哲学が韓国料理の特徴のひとつに見のえます。日本で韓国料理を食べたいときは、食材や調味料を求めるのもいいんですが、この「薬味乗せまくり」で「薄い葉野菜で包む」ことを再現したほうがよっぽど韓国らしくなると思います