今年も夏に集中講義をやりましたよ。 | 深江誠子のブログ

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 8月25日(火)から28日(金)まで、今年も京都コンソーシアムで、「エコロジカル・フェミニズム」の集中講義をやりました。4日間、毎日4コマづつで、ゲストを4人お呼び出来るので、受講する学生たちには変化に富んだ講義だと思います。受講申し込みは350数名でしたが、教室に入らないので、304名に絞りました。でも、毎年のことながら、実質受講する学生数は250名前後です。


 私は、京都コンソーシアムのコーディネーターなので、ゲストを4名お呼びすることが出来ます。だから、受講生にとっても、変化に富んだ講義だったろうと思われます。まず最初の講義では、私の自己紹介から始めます。

高校卒業後、2年半OLをして、組合活動に明け暮れて、その後、もう一度大学の経済学部に入って、今度は大学闘争にのめりこんでいったこと、また、大学院時代に、一緒に暮らした男性との関係がうまくいかず、苦しんで、愛していない男性との性行為は、イヤでたまらなく、その結果、性産業に働く女性の性を見つめてみたい、という欲求に駆り立てられたこと。だから、ストリッパーの一条さゆりさんの裁判闘争をしたり、プレイタウンというキャバレーの女性たちが大火事で、死んだり、大怪我した客や、ホステスの遺族を訪ねたり…、その時の女性の友人と2人で動き回っていたこと、そして、子どもを産んでから、環境問題に目が向き始めたこと、など、語ったけれど、学生たちは明らかに驚きとカルチャーショクを受けていたようで、シーンとした静かさで聞いてくれていました。


 次の時間からは性教育、しっかり時間を掛けて、現状を報告したし、「私を抱いて、そしてキスして」の映画も見てもらったのです。そこに、繁内さんのHIVの話が加わります。彼はHIV感染者の相談に乗っておられて、感染者の立場から、HIVを語ってくれました。学生たちも、彼の話に引き込まれて、静かに聞いていました。これで、HIVが他人ごとではないことを、ほとんどの学生たちが実感してくれたと思います。


 次の日は、右衛門佐(よもさ)さん の講義で、近隣アジアの環境問題をパワーポイントで次々に見せてくれました。ただ、環境問題を考えたこともない学生さんには、少し、難しかったようでしたが。3日目は弁護士の佐賀千恵美さんで、セクハラについての講義でしたが、彼女は実際、八幡市の聖神中央教会の牧師が、女性たちにレイプやセクハラを繰り返してきた、被害者側に立って、裁判を起こし、5000万円以上の賠償金を獲得された弁護士だんでもあったからです。


 講義の途中で、被害者がどうして訴えたか、について、私が質問した時に、「ご自分だけが被害に遭っただけなら、訴えなかった女性が、自分の弟、妹も信心していて、被害に遭う恐れがあったので、と言いながら、涙を見せられた時、私は、あの冷静な佐賀さんが…、と思って、混乱してしまいました。同じ日に、脱原発のオピニオンリーダーでもある、京都大学熊取実験所の小出さんの講義もありました。彼は、毎年、この集中講義では、1、2番目くらいに人気のある講師です。今年は、原発がCO2を出さない、というまやかしを暴いてくれたし、石油があと30年しかない、と30年言い、あと50年だ、と0年間言い続けてきたので、あと100年ある、というまやかしが100年つづくだろう、と説得的に説明してくれました。


 この集中講義の試験に、講義の感想文を書く欄を設けてあるのですが、ほとんどの学生さんが、「価値観が変わった」とか「生き方が見定められた」とか「世界を見る視野が大きく広がった」など、いい感想が多かったです。

なんとか、定年退職したあとの来年度の夏も、集中講義が出来ればいいな、と今は思っています。