10歳の頃から舞台俳優として活動し、『ミュージック・マン』や『グリース』といったミュージカルにも出演した彼は、21歳でミュージカル『ヘアー』のツアーキャストとして6か月間ヨーロッパを回ります。

2005年から2008年にかけてミュージカル『ウィキッド』に出演していた彼は、並行してロックバンドのフロントマンとしての活動も行っていました。

2009年、アイドルオーディション番組『アメリカン・アイドル』に出場すると、番組史上最高の賞賛で準優勝となり、番組終了後に同性愛者であることをカミングアウトして注目を浴びた彼は、ゲスト出演していたブライアン・メイとロジャー・テイラーにクイーンへの参加を打診される一方で、この年、ソロ・アーティストとしてアルバム・デビューを果たすのでした。

そんなわけで、今日の一枚はこちら↓
M1:トレスパッシング
M2:クックー
M3:シェイディ
M4:ネヴァー・クローズ・アワ・アイズ
M5:キッキン・イン
M6:ネイキッド・ラヴ
M7:ボップ・ザット・ロック
M8:べター・ザン・アイ・ノウ・マイセルフ
M9:ブロークン・イングリッシュ
M10:アンダーニース
M11:チョークホールド
M12:アウトローズ・オブ・ラヴ
M13:ランニン ※
M14:テイク・バック ※
M15:ニルヴァーナ ※
M16:バイ・ザ・ルールズ ※※

2012年に発表された、全米はじめ世界3か国で1位を獲得した彼の2ndアルバム、アダム・ランバートの『トレスパッシング』です。

3年ぶりとなるこのアルバムでは、彼のナルシスティックでドラマティックなヴォーカルは不変ですが、シアトリカルなグラム色は後退していて、代わって歯切れの良いエレクトロが導入され、全編にわたってクラブ寄りのサウンドに仕上がっていて、フィンランドで2位、ニュージーランドで4位を記録、全英では16位、日本でもオリコン15位を記録しました。
因みに、 ※印はDVD付きのデラックスエディションでのボーナストラックです。

そして、通常盤のジャケット・カヴァーはこちら↓
また、※※印は日本盤通常盤のボーナストラックです。

因みに、米国盤のジャケット・カヴァーはこちら↓

先行配信シングルとしてリリースされたM8は、全米では76位と今ひとつでしたが、フィンランドでは6位、日本では9位を記録して、続いてシングルリリースされたM4は、全米ダンスクラブチャートで6位を記録、全英では17位、ニュージーランドでは24位を記録、日本でも前作に続き9位を記録するヒットとなりました。
そして、M1(c/wはアルバム未収録)は、全米ダンスクラブチャートで33位、カナダでは92位でした。

見た目は違いますが、フレディ・マーキュリーと同じ匂いが漂う彼は、クイーンのフロントマンとしては、あまりにフレディの存在感が強すぎて賛否が分かれるところでしょうが、このアルバムは、クイーンへの参加打診を受けたことが間違いなく彼の転機となった一枚です。