厚生労働省によると、2025年には全国の認知症高齢者の数が最大730万人に上り、高齢者の5人に1人の割合になるとのことです。さらに2060年には1,154万人にも上り、高齢者の3人に1人が認知症になるという予想がなされています。
認知症の主要な要因が加齢であることから、高齢化社会においては避けて通れないものであるとしても、改めて私たちが抱える将来課題の大きさを実感します。1,000万人というオーダーになると、もはや介護施設や介護療養病床だけで受け入れられるキャパシティを遥かに超えることになり、施設に依存しない地域ぐるみの取組みが不可欠でしょう。
実際厚生労働省も「市町村認知症施策総合推進事業」というものを実施していますが、1省庁だけで構築出来るものでもなく、このような取組みこそ省庁横断的に行うべきです。安倍首相は年内をめどに認知症対策の国家戦略を定めるとしていますが、野党もその内容を充分に精査すべきで、ここは建設的な討論を与野党ともに行うべきであると考えます。
認知症対策は、ケアという医療・介護の身体的、メンタル的なサポートが中心ですが、認知症は症状が進行すると、自分で医療や介護に関して自己決定できなくなるという問題があります。現在の法制度においては、このような場合にインフォームドコンセントの権限を誰かに委任することや、法定後見人が代わりに判断することは出来ません。これでは効果的なサポートが難しくなってしまいます。
そこで、このような場合に第三者が判断出来る制度を設計すべきです。私はこれを、「命の後見人制度」と名づけています。命の後見人は、認知症対策に限られません。命の後見人は医師の資格を持つ者に限られるべきだと考えています。自分自身まだ十分に検討を重ねているものではありませんが、今からこのような制度の創設に向けて議論すべきでしょう。