ひょんなことから足を運ぶことになり
目から鱗のような体験を味わい続けています。
現在、熊本市現代美術館で開催中の展覧会、
「坂口恭平日記」。
https://www.camk.jp/exhibition/sakaguchikyohei/
会場に入ると、壁には目線の高さ動線上に小ぶりのパステル画(700点だそうです)が中心になって案内・導いてくれます。スイミーのように見える配置も。
熊本の風景を中心に、心象風景のような画だったり、人物(ご家族も)、具象、半具象、抽象と、そのときの気持ちの揺らぎが反映されているかのように感じられました。
海や水を描いたものがとくに印象的で、透明感、キラキラした白い波の粒感、水のたゆたう感じがそのまま描かれてスーッと吸い込まれそうでした。
作品から感じられる純度の高さによって
気持ちが浄化されながら、
身近にある日常の風景ってこんなに素敵だったんだと、何か忘れていたものを取り戻したような感覚。
自宅アトリエを再現したかのようなスペースでは、なんとお客さんの目にさらされるなか、パステル画を描く日があるそうで…。
こちらがアトリエです。
2回目に訪れたときに、
ご本人の制作現場を観ることができました。
紙に向かって一心不乱に描く様子は、
緑豊かな山のような存在感で、お客さんも自然にその様子を眺めています。
ここは坂口さん宅?それとも誰かのウチ?というくらいのプライベート感。
坂口さんの集中力がすごいのか、お客さんの視線も背中でエネルギーに変換されているような印象を受けました。
たまにお客さんと話す声にもハリがあって存在感があります。
アトリエの本棚にはご本人の著書(『0円ハウス』)をはじめ、愛書らしき書籍、自作の陶芸、オブジェが飾られています。
また、ギターや鍵盤、サックス、アナログミキサーもあり、会場内では自作の音楽がBGM(アンビエント)として気流のように流れていて、居心地がとてもよいのです。
その音源はこちらです。https://m.soundcloud.com/kyohei-sakaguchi-1/music-for-museum-am11-15
こちらの表紙デザインも素敵でした。メモっぽく書いた文字だけで既にセンスだだ漏れ。
これは初日の感想ですが、
パステル画など全ての個々の配置を含めて、デザイン性が高く、総合インテリアとして空間ごとごっそり持ち帰りその中で暮らしたいと思いました。
日常のくらし・生活が愛おしくなる洗練されたセンスに溢れています。
坂口恭平さんってアーティストさん、知的でめちゃくちゃセンス素敵!
これが初日の「軽薄な」感想でした。
というのも私は坂口さんの活動経歴を全く知らなかったのです。
そして、展覧会にあわせて
ぜひご覧になっていただきたいのがこちら。
https://m.youtube.com/watch?v=kiO2QageSSo&feature=youtu.be
知の協演です。
さらに目からボロボロうろこが落ちました。
ちなみに、対談された千葉雅也さんは
坂口恭平さんについて次のように
ツイートされています。🕊
今回の個展をきっかけに
灯台下暗しだった自分に気づいてから
足元の生活がよく見えるようになりました。👀