205系

国鉄末期からJR発足初期にかけて製造された通勤型車両です。

同時期に登場した211系同様ステンレス車体が採用され、ステンレスボディにラインカラーを巻くという現在までに通ずる鉄道車両のデザインを確立しました。従来の車両に比べ塗装コストやメンテナンス費用を大幅に削減することができました。

また、界磁添加励磁制御と電気回生ブレーキを搭載したことにより、エネルギー効率も向上させています。

 

首都圏と京阪神圏を中心に投入されましたが、特に首都圏には大量に投入されました。

山手線や埼京線など都心を走る路線から、横浜線、南武線など郊外を走る路線にも投入されました。

しかし、2010年代以降置き換えが進んでおり、東京都内からは撤退しています。

京阪神圏では奈良線で使用されています。

 

埼京線用の205系。川越車両センターに所属していました。

10両編成で運行されており、中間2両は6扉車でした。

2013年からE233系による置き換えが進み、2016年に最後まで残ったハエ28編成の引退をもって埼京線から205系は完全撤退しました。

 

八高線・川越線用の205系3000番台。川越車両センターに所属していました。

前面のデザインがかなりモダンな形状ですが、これは中間車を先頭車に改造したものです。

3000番台は山手線で使用されていた205系の中間車を改造したもので、ドアチャイムと半自動ドアが搭載されています。

2018年に運用を撤退しました。

 

横浜線用の205系。鎌倉総合車両センターに所属していました。

8両編成で横浜線のラインカラーである黄緑、緑色のラインが巻かれていました。

2014年にE233系の投入によって引退しました。

 

南武線用の205系。鎌倉総合車両センター中原支所に所属していました。

ラインカラーは歴代の南武線の運用に就いた車両の色である黄色、茶色、オレンジの3色です。

1989年に南武線では約半世紀ぶりの新車として投入され、2014年まで活躍しました。

南武線用の205系1200番台。こちらは山手線の中間車を先頭車に改造したものです。

こちらも2014年までに引退しました。

 

鶴見線用の205系1100番台。先頭車は全て中間車の改造車です。

2024年にE131系の投入によって引退しました。

 

南武支線用の205系1000番台。

205系グループでは最短の2両編成で運行されており、両車とも中間車を先頭車に改造したものです。

E127系の投入によって置き換えられる予定でしたが、現在も一部編成が現役で活躍しています。

 

武蔵野線用の205系。

武蔵野線は地下を走ったり高架を走ったり高低差が激しいので、モータ比が6M2Tとモータ車の割合が高くなっていました。

その後モータ車の不足が見込まれ主回路の変更、主電動機の換装を行った5000番台が登場しました。

これによりモータ比は4M4Tとなったが同等のパワーを確保しました。

この前面デザインは京葉線に投入する際、東京ディズニーリゾートへのアクセス列車になることから「楽しいイメージ」を提供するためこのような形になりました。

ファンの間からは「メルヘン顔」とも呼ばれていました。

武蔵野線でも使用されていましたが、2020年に引退しました。

 

相模線用の205系500番台。国府津車両センターに所属していました。

相模線電化時に導入されましたが、他の205系とは明らかにイメージが違う前面デザインが採用されました。

E131系の導入によって2022年に引退しました。

 

仙石線用の205系3100番台。

4両編成となっており全編成が中間車改造先頭車となっています。仙石線では伝統的に首都圏で使用されていた通勤車両が余生を送っています。

冬の寒さが厳しい東北地方を走るため、寒冷地対応工事が行われています。

一部の編成は4両それぞれに沿線の観光地をイメージしたラインカラーを施しています。

ロングシートとクロスシートを切り替えできる2WAYシートを採用していますが、現在はロングシートに固定されています。

仙石線の205系は2024年現在現役ですが、間もなくE131系によって置き換えられるかもしれません。