「先生、レントゲン撮ってください」
整形外科では本当によく言われます。
でも正直なところ、私はいつも少しもやもやします。
なぜなら── 検査をしても痛みの原因がわからないことは多い からです。
🔎 日本人はなぜ「検査好き」なのか?
日本では「とりあえず検査を受けておこう」という文化が強いです。
理由はいくつか考えられます。
-
国民皆保険制度で安く受けられる ▶ 最近は社会的な問題にすらなっています
-
「検査=きちんと診てもらえた」という安心感
-
テレビやドラマで“検査すれば原因が全部わかる”と刷り込まれている
でも、現実の医療はそんなに単純ではありません。
🦴 レントゲンで見えるもの・見えないもの
レントゲンで映るのは「骨」だけです。
痛みの原因の多くを占める 筋肉・靭帯・神経・軟部組織 は映りません。
-
肩こり → 映らない
-
筋肉の炎症 → 映らない
-
神経の圧迫 → 微妙に映ることもあるが限界あり
つまり、レントゲンで「異常なし」と言われても痛みが消えるわけではない のです。
⚠️ 不要な検査の落とし穴
検査をしすぎると、逆に患者さんを混乱させることもあります。
-
被曝のリスク(レントゲンは微量でも積み重なれば影響)
-
加齢による変化を“病気”と誤解する(例:腰のヘルニアっぽい影があっても無症状の人は多い)
-
「画像は正常=問題なし」とされて取り合ってもらえない
検査は「必要なときに」「必要な範囲で」使うことが大切なんです。
👨⚕️ 医師が大事にしていること
私は、まず 問診(症状を聞くこと)と診察(体を診ること) を重視します。
それで大体の見立てが立ちます。
検査はあくまで「診断の材料を補うスパイス」のようなもの。
料理に例えるなら、調味料がないと味は決まらないけど、調味料だけでは料理にならない のです。
✅ まとめ
-
日本人は「安心したい」気持ちから検査を好む
-
レントゲンは骨しか映らず、痛みの原因はわからないことが多い
-
検査しすぎはむしろ混乱を招くこともある
-
一番大事なのは「話を聞き、体を診ること」
検査で病気は治りません。
でも、正しく診断し、体に合った治療をすれば痛みは改善していきます。
だから、もしお医者さんに「今回はレントゲンはいりません」と言われたら──
それは手を抜いているのではなく、あなたにとって本当に必要な診療を選んでいる のだと思ってください。
