◆◆◆土壌のはなし


コシヒカリは、田植えの時の土がチッ素を多く含んでいる(元肥)と、穂をもった時に倒伏しやすいと言われています。




では、チッ素量がどれくらいあると倒伏がはじまるのか、調べてみましたが、潅水による成分の欠乏などの理由で明確な情報がなかなか手に入りません。


そこで、倒伏を防ぐには、という目的に変更。




これは、農業事務所のイネの担当者さんから頂いたヒントが足がかりになりました。




イネ科の植物は、ケイ酸を取りこみ重たい穂がついても倒れにくいカラダを作っているそうです。ケイ酸を形成する成分のひとつケイ素はガラスの主成分です。ススキやイネで皮膚が切れたことありませんか?あれはこのケイ素を含んでいるからだそうです。

また、ケイ素を十分に取りこむことで病気や害虫からも身を守ることができうのだとか。さすがガラス。




先週まで堆肥を田んぼにいれるか悩んでいました。チッ素量を計算できれば施肥をした方がいいのではないか、と思っていたからです。




しかしどうやら、イネは、チッ素の少ない土壌の方がケイ酸を取りこみやすいようです。しかもチッ素を含む土壌よりも、穂のつきがよく、その差も大きいのです。


しかも、MURAの土は多湿黒ボク土という種類で、もともとケイ酸の含有量が少なめらしい。




と言うことは倒伏防止を第一に考えた場合、堆肥は撒かない方が安全、という結論に達しました。


なお、倒伏防止にはケイ酸以外にカルシウムが役立ち、一般にケイカル(ケイ酸+カルシウム)という土壌改良肥料を撒くそうです。貝の化石を粉・粒状にした土壌改良肥料「貝化石」もケイ酸が弱いものの、カルシウムを目的として撒いている農家があります。




※肥料成分の1点を見てしまうと、上記のような話になります。しかし、肥料成分同士でさまざまな相互関係がありまして、チッ素とケイ酸は土全体の中の一部の作用です。その他の成分とのバランスもあると思います。絶対的な情報ではないので、あしからず。