残雪ところにより藪 〜上越国境稜線縦走記その3(最終回) | ふじふじのトレイルの道もロードから♪

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ランニング大好き!
平坦な道に物足りなくなり、トレイルランニングを始めたら、すっかりハマッてしまいました。
アップダウンを求めて週末は山へ繰り出します。

上越国境稜線縦走の山旅も3日目。
ゴールの巻機山を目指します。

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5月3日(日) 天気 快晴

前日の夕方から吹き荒れた強風は、夜半には止んでいました。
朝4時半。米子沢ノ頭(コメコサワのカシラ)のピークに張ったツェルトから這い出すと、この3日間で最高の朝焼けが、人の気配のない静寂の山々を照らしていました。
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目指す最後のピーク「巻機山」は大きくなだらかな山体を目の前いっぱいに横たえています。
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山頂まで標高差300mの最後の登りは若干の藪こぎこそありましたが、斜度も緩やかでアイゼンはつけずに歩くことができました。
ただし、登路を覆う残雪にはいたる所にクレバス(裂け目)が走っており、雪が薄くなっている場所を踏み抜くと隠れているシュルンド(雪洞)に落ちてしまうので、ピッケルを刺して雪の厚さを確かめながら、慎重に歩をすすめました。
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辿り着いた巻機山のピークはあまりにも大きく大雪原のようで、どこが最高点だか良く分かりませんでしたが、ケルン(石を積み重ねた塚)があった場所でザックを下ろし記念撮影。
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南を振り返ると、これまで歩いてきた中央分水嶺が遥か遠くまでうねるように続き、その先には谷川岳が小さく見えます。
ここまで歩いてきた距離と困難を乗り越えた達成感が胸に沁みました。
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まだ朝8時でしたが、日本百名山の巻機山はさすがに多くの登山者で賑わっていました。

山頂でゆっくり時間を過ごした後、バスの時間に間に合うように下山することにしました。

下山路は一度鞍部へ下ったあと、1861mのピークに登り返します。
地図には「前巻機山」とありましたが、そこには「ニセ巻機山」の山名標識が。。
自らニセピークを名乗る謙虚さは越後のお国柄なのか、受けました。
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巻機山を見上げて名残りを惜しんでいると、下から登ってきた登山者から僕の名前を呼び止められました。
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なんと、南魚沼在住のラン仲間のナカちゃんでした。

ナカちゃんは僕がこの時間に山頂に着くだろうと予測して、ビールとおにぎり、エネルギードリンクをここまで担ぎ上げてくれていました。

水分が欠乏気味の身体に染み渡る、生涯最高の缶ビールでした。

ちなみにちゃんと、賞味期限内でした。

3日間の縦走で疲労困憊でしたが、ナカちゃんの的確なガイドと差し入れてもらったおにぎり&ドリンクのおかげで、美しい残雪とブナの新緑を目に焼き付けながら、無事に登山口へと下りることができました。
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バスの時間はまだ先でしたが、ナカちゃんの車で六日町まで送ってもらい、温泉で3日分の汗を流すことができました。
坂戸山には当然立ち寄って、麓の神社に無事下山できた報告をしました。

上越国境の美しくも困難な山々と濃い藪を抜けると、仲間が待っていてくれました。
またひとつ、忘れられない山行が増えました。

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