拒食症が原因で引退したアスリートのニュースを聞いて、

彼女に幸あれという結論しか出せませんでした。
 

競技は好きだったろう、続けたかったろう、

それでも痩せ続ける自分と痩せたい気持ちに

歯止めが利かなかったのだろう、

今の状態では競技を続けられない思うようにできないと、

実感したときの絶望はどれほどだったろう。

競技と痩せ姫は成立し得ない。

それでもどんなに続けたかったことか。
 

せめて彼女は、納得しての引退だったらいい。

周りに禁止されて…なんて結果だったら、耐えきれない。

 

私は、競泳をやってました。

今でこそ条件付きで泳ぎに行くのを許されているけれど、

当時は突如、禁止された。

自分がタイムを出せなくなってきているのも、

そもそも寒過ぎてプールに入れなくなっているのも、

全部わかってて、どうにかしたくて、足掻いていたときでした。
 

痩せ姫は万能だと思ってた。

痩せたら速くなる痩せたらできるって思ってたのに、

そんなことありませんでした。

痩せか競泳か、どちらかを諦めなくてはいけなかった。

そんなときに競泳という選択肢を失ったら、

気持ちを量る天秤の均衡は痩せへと大きく傾きました。

 

今も思い出すと胸がきゅんとします。

身勝手なことを言っているのは知っています。

禁止するなとは言わない。

せめて納得をさせて欲しかった。

今の私はもう競泳はできない。「水泳」しかできない。
 

競泳をやっていた頃についてはいろいろ思い出すことがあり、

そのうちまた、書くかもしれません。

 

それにしても、彼女は私とは全然違うレベルで、

本当に土俵が違うのだけど、だからこそいっそう胸が痛みます。

彼女に幸あれ。

 

そういえば「かすみはどうしたいの!」って

知り合いに詰め寄られて、

どうしても泳ぎたいがために「筋肉をつけたい…」って答えたら

「筋肉つけるためにもまず脂肪をつけなきゃでしょ!!」って。

そうだね、わかってる。でもごめん。

本当はね、筋肉も脂肪もみんなみんな要らないの。

痩せ姫ってそんな存在でしょ。
 

筋肉のつくり方も栄養系のイロハも知識だけは持ってる。

でもね、頭ではわかっても心が追いつかないよ。

 

私は後期も授業受けられるのかな。

猶予はあとひと月。