2022年晩冬の北海道旅行⑦釧路から幸福な駅へ | 風かおる 鉄の路

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主に私が乗車した乗り物関連(鉄道中心)、その他気になったことを綴っていきます。稀にお絵かき。

無料朝食

おはようございます。

2022年3月5日、時刻は6時30分を過ぎたところ。

8:21発のおおぞら4号に乗らないといけないので朝ごはん会場にやってきました。

 

ちなみに釧路ロイヤルインでは宿泊すると無料朝食が必ず付いてくるそうです。

 

無料朝食とは思えないほどの豪華さ…!

朝食バイキングには地元産の食材を使った料理が沢山並んでいました。

 

美味しくいただきました…!

 

 

朝食会場は一番上にあるので、駅周辺が一望できます。

昨日行った和商市場も見えました。

 

お部屋に戻って支度を済ませ、出発。

 

朝8時の最終列車

すぐ隣の釧路駅にやってきました。

 

改札を見ると、8:21発特急おおぞら4号の次、10:11発普通帯広行きは運休の文字。

本当に今日はおおぞら4号で最後のようです。

 

改札に入るとキハ283系が待っていました。

所定は5両ですが、今日は1両増結の6両編成。

座れないか心配でしたが、なんとか自由席の窓側に席をとることができました。

 

8:21、釧路を出発!朝8時にして最終列車の旅、始まりました。

 

列車はしばらく工場地帯の横を走っていきます。

釧路は工場の街。2021年までは日本製紙が工場を構えていました。

 

しばらく走ると、左側に海が見えてきました。太平洋です。

行きは夜だったので見えなかった雄大なこの景色をしばらく楽しみます。

 

厚内を過ぎると列車は山の中へ。

とある信号場で停車しました。

 

反対方向からDF200に牽引された新富士行きの貨物列車がやってきて通過していきます。

ここは常豊信号場。

根室本線によくある「信号場に降格された駅」ではなく、開業当時から信号場だった駅です。

 

しかし、それにも関わらず、上下線にはなぜか短いプラットホームが設置されており、駅名標まで掲げてあったのだとか。

駅になったことがないのに駅名標とホームがある…そんな光景を見たいところですが、残念ながら2019年ごろに撤去されてしまったのだとか。

 

↑駅名標があった時代の信号場はこちらから

 


常豊信号場を発車し、行きは停車した浦幌を通過。

 

次の停車駅は池田ですが、その前にこの列車は面白い駅を通過します。

その名は「十弗」。

「弗」は「$(ドル)」の漢字表記であるため、この駅は「10ドル駅」として鉄道ファンには名の知れた駅となっています。

 

その十弗駅を高速で通過。

 

駅舎の横には10ドル紙幣を模した大きな看板が建てられていました。

なかなかユニークな駅ですね~

 

しばらくすると丘の上に立つ大きな建物が見えてきました。

ワイン城です。

 

ワイン城が見えたところで最初の停車駅・池田に到着。

 

池田を出ると次は帯広です。

 

池田のひとつ先の利別で運転停車。

しばらく待っていると札幌よりやってきたキハ283系特急おおぞら1号が走り去っていきました。

珍しくなったキハ283系同士のすれ違いがここで行われるのです。

 

利別を発車した列車はしばらくすると高架区間に入りました。

 

9:52、帯広に到着です。

ホームに降り立つと、自由席乗車位置には長蛇の列ができていました。

この列車が本日の札幌行き最終なので多くの人が乗るようです。

 

あっという間に満員になったおおぞら4号は札幌へ向け、走り去っていきました。

 

さあ、これでもう、逃げられませんね…

 

発車標にはもはや何も表示されていません。

今日ここから札幌方面に行くことはできなくなりました。

帯広に泊まる予定にしていたので降りましたが、もし明日も止まってたら詰んでしまいます。

明日は大丈夫だろうという賭けに出たわけですが、果たして…?

 

帯広の記念入場券

そんな不安を胸に改札口を抜けました。

 

ちなみに帯広駅の改札口は1・2番ホームと3・4番ホームとでそれぞれ別に分かれており、

各ホームを改札内で行き来することができない構造になっています。

以前は宮崎駅も同じような造りだったようです。

 

まずはみどりの窓口で北の大地の入場券とキハ40記念入場券を…!

 

こちらは北の大地の入場券。

使われているのは冬の川を渡るキハ283系の写真。所定が7両だった時代のものでしょうね。

 

裏は帯広の観光案内になっています。

 

そしてこちらがキハ40記念入場券。

撮影場所は先ほどと同じですが、季節と被写体が異なっています。

 

裏面はやっぱりカレンダーになっていました。

 

駅員さんが入場券に日付をスタンプするのを待っている間ふと見ると、カウンターに「幸福駅」「愛国駅」という駅舎の模型が置いてあるのに気づきました。

そういえば、幸福駅って帯広の近くでしたね…

 

広尾線代替バスで幸福駅へ!

こんなに早く来るつもりはなかったので帯広で何をするか決めてませんでした。

でも、これで行く場所が決まりましたね。

 

帯広駅のコンコースにはこれまた幸福駅を模した観光案内所があります。

そこで聞いてみると、今から愛国駅に行くのはバスの時刻的に難しいが、幸福駅なら行けるということで行き方を教えてもらいました。

 

駅前の十勝バスの窓口で1日乗車券を購入。

 

※2023年4月1日より価格が改定されており、旅行時とは異なります。

 

実は幸福駅も帯広市内なのでこのフリーきっぷで行けるようです。

 

バス乗り場へ行き、11番のりばで待っていると黄色い車体の十勝バスがやってきました。

 

乗車するのは60番広尾線広尾営業所行き。

幸福駅までは約50分のバス旅です。

 

帯広駅を発車したバスは長崎屋、イオン帯広店、イトーヨーカドーなど商業施設を巡りつつ、市街地を走っていきます。

 

市街地を抜けると窓の外には遠くまでつづく雪原が広がるようになってきました。

北海道の冬そのものといった風景ですね。

 

さて、今乗っているこのバスは「広尾線」という名前が付いていますが、これは旧国鉄の同名の路線に由来します。

旧国鉄広尾線は1987年2月2日、国鉄分割民営化の約2ヶ月前に廃線となった路線。

帯広~広尾間84.0kmを結んでいました。

計画では広尾からさらに襟裳岬の近くを通って日高本線様似駅までを結ぶことが予定されており、実現すれば苫小牧から襟裳岬廻りで帯広まで向かう長大路線となるはずでした。

基本的に普通列車のみの運行でしたが、夏の観光シーズンには急行列車が運転されており、一時期は同じく帯広を起点とする士幌線の糠平と広尾とを結ぶ急行「大平原」も運行されていました。

 

今から向かう幸福駅はその広尾線の駅。

2つ隣に「愛国」という駅があり、愛国→幸福間のきっぷが「愛の国から幸福へ」と呼ばれ、大ブームを巻き起こしました。

このきっぷが売れに売れた結果、広尾線の営業係数が704から189へと劇的に改善したという伝説が残っています。

※営業係数:100円の運賃を得るために必要な経費を表したもの。100以上は赤字

(例)芸備線東城~備後落合間の2019~2021年平均営業係数は23,687…100円の運賃収入を得るのに23,687円の経費が必要

 

ただ、このブームは長続きせず、再び営業係数は悪化。第二次特定地方交通線に指定され廃止となりました。

この十勝バス広尾線はその代替路線として運行されているのです。

 

なお、路線廃止後も愛国駅と幸福駅は残され、今では観光地となっています。

 

バスは愛国駅の近くを通過。

まだ現役のような駅舎がちらりと見えました。

 

愛国を過ぎると大正という地区に入ります。

まず大正9号というバス停を通過。その次のバス停は大正10号。その次は大正11号。その次は大正12号…と延々「大正」が続いていきます。

 

大正16号…大正17号…大正本町…大正…大正18号…大正19号…

 

そろそろ「大正」という文字がゲシュタルト崩壊を起こしそうになった頃…

最初に「大正」が現れてから21個目のバス停、「大正27号」を過ぎると次が降りるバス停です。

 

バスはその名も「幸福」バス停に停車。

ここで降ります。

 

幸福駅訪問

国道236号線から脇道に入って少し歩くとこんな看板がありました。

 

ここが幸福駅跡。現在では交通公園になっています。

 

 

中に入っていくと…ありました!

幸福駅の駅舎です!

木造駅舎ですが、これは開業当時のものではなく、2013年頃に老朽化のために建て替えられたもの。

とはいえ、旧駅舎の雰囲気をそのまま再現しています。

 

中に入ると…

びっしりとピンク色の紙が壁や天井に貼られています。

 

よく見ると、そのデザインは愛国→幸福のきっぷ。この紙に願いを書いて貼るようになっているのだとか。

 

こちらは駅舎のホーム側。

 

「恋人の聖地」として有名なこの幸福駅ですが、鉄道ファン的にも注目ポイントがあります。

 

それは…ホームと線路が残され、車両が保存されているところです。

 

こちらは駅名標。

けっこう新し目に見えるので当時のものではないでしょうね。

 

こちらは保存されている車両のひとつ、キハ22-221。

キハ22形はJR北海道では1995年までに引退した車両です。

 

車内のボックスシートも多少くたびれてはいますがそのまま残っています。

 

こちらは運転台。

 

ちなみに本来は中にも入れるようですが、COVID-19のため閉鎖されていました…

 

所属表記を見ると、釧クシ…釧路車両所(現:釧路運輸車両所)所属だったようです。

 

キハ22-221の隣にはモーターカーが保存されていました。

保線作業に使われていたと思われます。

 

ホームから少し離れたところには3両目の保存車、キハ22-238が保存されていました。

 

気動車2両とモーターカー1両。なかなか充実した車両展示ですね。

 

最後に愛国→幸福きっぷを買って帰ります。

店はほとんどが閉まっているように見えますが、右側のお店が開いていました。

 

関連商品がいろいろありますね…

 

ということで購入したのがこちら!

今日のきっぷが入ったキーホルダーです。

これがあの営業係数を劇的に改善したという伝説のきっぷですか…

 

 

再びバス停に戻って広尾線代替バスで帯広に戻ります。

 

早めに帯広に来たおかげで幸福駅を訪れることができました。

列車の運休がいい方向に転びましたね~

 

続きます。

 

 

★乗車データ

4004D 特急おおぞら4号 札幌行き 釧路(8:21)→帯広(9:52)

キハ283系 キハ283-15+キハ282-2005+キハ282-5+キハ282-7+キロ282-8+キハ283-16

 

十勝バス 広尾線 60番 広尾営業所行き 帯広駅バスターミナル(11:20)→幸福(12:14)

十勝バス 広尾線 60番 帯広駅バスターミナル行き 幸福(12:45)→帯広駅バスターミナル(13:35)

※2022年3月5日乗車

 

 

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