パイロットのきわめて正しい行動 | プライベートジェット機長が見た「超」大富豪の投資の世界

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9月20日のCNNの記事によると、デルタ航空の便が「機内の加圧異常」のために「急下降するハプニング」があったという。

 

旅客機が一気に9千メートルの急降下、乗客パニック 米デルタ航空便
ニュースを扱うサイトの割には安っぽい表現が多い記事だ(笑)。

 

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ニュースの表題から見ると旅客機が墜落寸前だった、みたいな印象を受けるがプロのパイロットから言わせれば想定内のトラブルを想定したとおりに対処した、そして無事に最寄りの空港へ着陸した、という内容だ。シミュレーター訓練なら満点の対処であろう(笑)。

 

仮に旅客機の機内与圧装置に異常が発生したという警告を高度40,000フィート(12,000メートル)として、そこから乗客が与圧なしでも通常の呼吸が可能な安全高度である10,000フィート(3,000メートル)まで(高度差9千メートル)訓練通りの緊急降下(Emergency Descent)をパイロットが行ったとしたら、4分から5分程で降下が完了する。

 

通常の旅客機の降下なら15分から20分くらいかけて降下する高度差なので、乗客にしたら「急降下」に感じるかもしれない。

 

乗客によると「エアマスクや酸素マスクが下りてきた」「乗客は大混乱に陥った」と語っているが、この飛行機は正常に機能していたということだ。酸素マスクが降りてこなかったらそれこそ大変で、乗客は大混乱に陥るほどの意識を保てなかったかもしれないのだ。

 

40,000フィートで急減圧が起きた時の有効意識時間(酸素マスクなしで意識を保っていることができる時間)は30秒といわれている。だからこの高度で急減圧が起きたらパイロットはすぐに酸素マスクを装着し意識を失わないようにしてからなるべく早く安全高度に降下する操作をする訓練を受けている。

 

 

ちなみに私が乗るボンバルディア・グローバル6000などの最新の飛行機になるとたとえパイロットが意識を失って必要な操作を行うことができなくなっても機内の与圧に異常があるとコンピューターが判断すると自動的に緊急降下をする機能がついている。これは2005年ギリシャで起きたヘリオス航空522便の墜落事故(パイロットが低酸素のため意識を失って墜落した事故)のような事故を防ぐための装置だ。

 

このように航空機というのはいくつもの安全のためのバックアップ装置や仕組みが出来上がっているきわめて安全な乗り物だ。

 

このCNNの記事のように一方的に不安だけあおる記事だけではなく、冷静に判断してもらいたいと思い啓蒙もかねてこの記事を書いた次第である。


 

 

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