ミアゲニフダウ | もののけ神社社務日誌

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情けなしとよ、高僧たち。偽りなしと聞きつるに、鬼神に横道なきものを。

ミアゲニフダウ 東京などの子供が見越し入道といふのも同じもの、佐渡では多く夜中に小坂道を登つて行く時に出る。始めは小坊主のやうな形で行く手に立塞がり、おやと思つて見上げると高くなり、後には後へ仰けに倒れるといふ。これに気づいたときは、

   見上げ入道見こした

といふ呪文を唱へ、前に打伏せば消え去るといひ伝へて居る(佐渡の昔ばなし)。壱岐では東京と同じに見越し入道といふが、夜中路をあるいて居ると頭の上でわらわらと笹の音を立てる。その時黙つて通ると竹が倒れかゝつて死ぬから、やはり「見こし入道見抜いた」といはなければならぬといつて居る(続壱岐島方言集)。

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