運命を拓く
2023年6月30日、メジャーリーグのアナハイムアンゼルスに所属する大谷選手がリーグトップの第30号ホームランを打ちました。
ホームランランキング1位でもありながら、投手としも7勝を記録し、このままいけばおそらく15勝達成もあり得るペースです。
毎日のようにホームランを量産するニュースを見てワクワクすることが、自分の良い朝の習慣を作っているようにも思えます。
大谷選手はバッターとピッチャーの両方で好成績を残していますが、
メジャーリーグを含めた現代野球ではピッチャーかバッターのどちらかに専念するということがセオリーとなっています。
かの有名なベーブルースも、元々は投手だったものの打つ才能があったため、一時期を境にバッターに専念することにしたくらい、バッターとピッチャーの二刀流は想像を絶する過酷な環境です。
そんな大谷選手が世界で活躍するバックボーンとなった、高校時代読んでいた本も注目を浴びています。
彼は高校野球部の監督からのすすめもあり、学生時代からかなりの読書家であったそうです。
読んでいた本のなかでも、今回紹介する中村天風氏の『運命を拓く』は愛読書の一つであるといいます。
高校時代に書いた目標達成シートの”運”の項目には「本を読む」とあり、運を引き寄せるうえで読書が大切だと考えていたのだと思います。
ちなみに、大谷選手が当時書いた目標達成シートがこちら⇓
10代で運は自分で引き寄せられるという考えに行き着いたこと自体驚きですが、
ニュースを見るたび、未だにシートの中の「ゴミ拾い」や「審判さんへの態度」についても今も実行しているように思えます。
本当に素晴らしいですね。
話は戻って、中村天風氏の本についてです。
基本的には哲学的な教えが書かれた本で、
そもそも哲学とは何か?というところから始まり、宗教についても中村氏の考え方などが書かれています。
それが今の大谷選手の考え方とどんな繋がりがあるのか?
一読した際に感じたのは、
『一般的な考え方にとらわれない』
ということです。
本書では、
神の存在について触れられています。
太古よりどの宗教でも「神」が存在します。
しかし宗教によって神の立ち位置が異なるのです。
一つは『唯神論』といわれる考え方です。
この考え方は、初めに神がいて、神がこの宇宙を創ったのだというものです。
もう一つは、『汎神論』という考え方。
こちらは逆に、宇宙が出来てから、その中に神が現れたものだ、という考え方です。
宗教はこの二つのどちらかの考えによって、神が今の世界を創造しているという教えです。
中村氏の考えは、今あるような宗教という宗教は、地上から姿を消してしまうといいます。
それは人間の理智が、既成宗教に頼らなければ活きられないような抽象的なものを凌駕していくということが起こるといいます。
今まで何百年もあった固定観念を覆す。
言い換えれば、
「当たり前を壊す。」ということ。
これは、
今まで100年もの間、バッターとピッチャーのどちらかに専念するという野球のセオリーという固定観念を破った、大谷選手の二刀流への挑戦にもつながっているのではないでしょうか。
「当たり前」と思っている既成概念に対し、ひとまず立ち止まって考える。
そうすることで、今まで以上の結果を生み出すことができるかもしれません。
「出来ない」ではなく、「出来ることを考える」ことこそ、これからの自分自身の仕事や、その先の人生をより良くするものです。
まずはその思考をできる限り固めていきたいと思います。