新潟の老舗ホテル

「イタリア軒」


新潟を代表する洋食店としても

広く知られている


イタリア軒の歴史は

明治七年(1874)まで遡る


この年の5月


フランス人の率いる曲馬団が

開港の町・新潟を訪れた


その中に賄い方として

ピエトロ・ミオラという

イタリア人がいた


ミオラは不幸にも怪我で負傷

してしまい一座と離れて

ひとり日本に残ることとなった


幸いミオラの怪我は

長崎の養成所「精得館」で

医学を学んだ竹山屯(たむろ)

によって回復に向かった


がしかし


ひとり異国の地に残された

ミオラの心の傷は癒されない


そんなミオラに救いの手を

差し出したのが

時の県令・楠本政隆であった


ミオラを不憫に思った楠本は

県費から二百円もの大金を援助し

牛肉店を開かせてやった


これがのちのイタリア軒になる

お話はまた今度