殿様酒屋と呼ばれ

城下の人々からの親しまれた

「柏屋」の柏露


戊辰の戦没者たちの魂も

柏露をもって慰められたであろう


だが

やはり武士の商法


売掛金ばかりが膨らみ

営業は行き詰まった


結局

牧野家の財産を整理して

「柏屋」を手放すこととなった


そしてこの窮状を救ったのが

柏露酒造の前進

越中屋であった


北越戦争後

長岡にわずかな期間だけ存在した

殿様酒屋は無事引き継がれた


現在でも

長岡城が落城した5月19日に

最も近い日曜日には戊辰戦争の

招魂祭が執り行われている


その際

供えられる酒が

「柏露」であることは言うまでもない