湘南ベルマーレ戦、辛うじて逃げ切りました。
3-0と楽勝ペースだったのに、最後は危うく引き分けになりそうでした。
湘南戦の試合後、録画した試合を再度視聴しました。
その結果、生放送で観ていた時とは違う感想を抱くに至りました。
まず、フロンターレの試合内容は非常に良かったと思います。
但し、それは後半40分迄のことであり、それ以降の内容は全くダメです。
試合開始から、ベルマーレは積極的に前に出てきました。
風間監督の言葉を借りれば、ベルマーレの矢印は非常に強かったということです。
フロンターレは、後半45分迄は、決定的なピンチは殆どありませんでした。
両チームのシュート数は殆ど同じですが、ベルマーレのシュートは遠めからのものが多く、得点の可能性は低かったです。
ベルマーレは、基本的には
①セットプレー頼み。特にアンドレ・バイアのヘディングシュート。
②ピンチはイエロー覚悟でファールで潰す。
というスタンスです。
ベルマーレはファールやイエローカードが多かったです。
この楽勝ムードの試合がおかしくなったのは、後半40分以降の、フロンターレの雑な攻撃からです。
具体的には、後半41分と後半44分の、エドゥアルドと大久保の無駄なロングシュートです。
フロンターレは時間を使おうとせず、ボールを奪えずに困っている相手を助けるようなプレーを選択し、相手にボールをプレゼントしました。
その結果、後半45分に、井川のファールとも言えないプレーで相手にフリーキックを与え、アンドレ・バイアにヘディングシュートを決められたのです。
アンドレ・バイアのヘディングシュートが決まるまでは、ベルマーレは死にかけていました。
神風特攻隊のような一か八かのヤケクソな攻撃をし、ボールをフロンターレに奪われたらイエロー覚悟のファールで潰す。
ベルマーレは、そんなプレーをしていました。
それが後半40分と後半42分のイエローカードです。
後半45分にベルマーレに1点差に詰め寄られてから、フロンターレは急に浮き足立ちました。
相手も疲れているし焦っているのだから、ちょっとボールをキープすれば、簡単にファールを貰える状態だったにもかかわらず、簡単にクリアし、相手にボールと勇気を与え続けました。
特に、フレッシュな武岡がクリアしたのは悲しかったです。
武岡の前方にはスペースがあったのですから、足の速い武岡が前方に持ち出せば、ファールを貰えたハズです。
奪ったボールを繋ごうとせず、ひたすらクリアすることを選択したため、フロンターレはベルマーレの波状攻撃を受けることになります。
フロンターレは、なぜ繋ごうとしなかったのでしょうか?
繋ぐだけの体力が無かったのでしょうか?
キープしてファールをもらうプレーをしないのは何故でしょうか?
それができていれば、試合終了間際のドタバタは無かったと思います。
場合によっては、フロンターレがさらに1〜2点を追加できたかもしれません(実際、後半43分に4点目が入りそうになった)。
フロンターレがクリアするだけだと判断したベルマーレは、アンドレ・バイア、岡本、三竿をトップに残します。
その状態であのような単純なクリアを続けるのであれば、それは相手に「同点にして下さい」と言っているようなものです。
失点を防ぐ対策としてはラインを上げるしかありません。
その結果、アンドレ・バイアの落としを長谷川アーリアジャスールにシュートされます。
今回の試合終了間際の試合運びには大変不満です。
風間監督の言うように、2点差がついて楽勝ムードだったため、一部の選手がボールを大事にしなくなったのです。
それがエドゥアルドと大久保です。
後半7分にアンドレ・バイアがイエローカードを受けた時は、試合終了までにバイアを退場に追い込めるのではないかとさえ思いました。
0-2となって、バイアはかなりイライラしていましたからね。
ただ、よく考えれば、次節で浦和vs湘南があります。
この日のフロンターレ戦だけを考えれば、アンドレ・バイアを退場させることは、フロンターレにとってプラスになります。
しかし、それはバイアが浦和戦に出られなくなることを意味します。
まさに痛し痒しです。
そのような余計な先読みをしたことが仇になったのではないと思いますが、この試合のフロンターレは、その後、アンドレ・バイアに翻弄され続けました。
アンドレ・バイアは、フロンターレにいたジェシのような選手です。
守備の中心であり、セットプレーでの得点源です。
今年3月に等々力で行われた湘南とのホームゲームで、フロンターレはアンドレ・バイアの高さを無力化するためにエドゥアルドをFWで使いました。
その作戦が功を奏し、その試合は森本のゴールで引き分けに追いついたわけですが、平塚でのアウェーゲームではそうなりませんでした。
まさに、アンドレ・バイア恐るべしです。
5月に日立台で行われたレイソル戦では、フロンターレは後半の苦しい時間帯を上手く消化し、前に出てくるレイソルをいなすことが出来ていました。
今回は何故そのようなプレーができなかったのでしょうか?
矢印の強いベルマーレに合わせたサッカーをし、相手の土俵で戦ってしまった感があります。
まるで、突っ張りの得意な力士に対し、まわしを掴んで四つ相撲をしようとせず、ムキになって突っ張りで応戦するかの如くです。
もう少し試合巧者になってほしかったです。
実力は申し分ないのですから、そういったゲームコントロールができれば鬼に金棒です。
湘南ベルマーレの2点目を生んだセットプレーについてですが、井川はファールをしていないと思います。
相手選手が勝手に接触して倒れただけです。
ただ、井川の場合、慢性的に手を使う癖がありますので、どうしても主審の印象は悪くなります。
今回の場合、それがマイナスに作用しました。
なんとか勝ちましたが、課題も浮き彫りになりましたね。
橋本の縦パスもちょっと雑です。
そこからピンチを招いてました。
ただ、今回の苦戦の一番の原因は、ラスト10分における雑な攻撃です。
このような稚拙な試合運びは、二度としてほしくないです。