去年の3月、友人が食事療法を入院して指導しているという病院を見つけてくれた。
予約をしようと電話をかけると週に数回、1日ひとりかふたりしか受診できないため、かなり先になるとのこと。
それでもいい、と最速の約1か月後に予約を入れてもらった。
そして予約から数日、問診票がその病院から送られてきた。
病歴と、これまでの食生活と、現在の1週間分の3食の細かいメニューと、間食や飲み物について記入するための用紙が入っていた。
その問診票を携え、向かったM病院。
まずはひとりで診察室に入るように促される。
待つこと数分。
ひょろっとした背の高い先生がお見えになった。
お名前はN先生。
そして、私を見るなり
「あなたは虚だな!」
と。
そしておもむろに引き出しから手書きの紙芝居のようなものを取り出す、N先生。
そこには「虚」「実」
「虚・・・顔色が悪い。胃が弱い。お腹を壊しやすい。痩せている。」
「実・・・胃が強い。生命力が強い。身体ががっちりしていて大きい。」
などと書いてあった。
そして、私の食生活を見て
「虚のくせに食生活が実だから、がんになったんだ!」
とおっしゃる。
「虚」の人は簡単に言うと、虚弱体質。
だからそして消化吸収も悪いので栄養過多になってしまうと、あふれ出した栄養がゴミみたいになって積もって、がん化してしまうというのが、N先生の考える「虚」体質で「実」生活をしていた人の発病の原因だと。
なので、N先生曰く、「虚」体質はがんにもなりづらいはずだ、と。
なぜなら細胞が弱いから。
身体弱けりゃ、宿る細胞も弱く、がん化するパワーもないはずだ、と。
そして、エネルギッシュな中年男性芸能人でがんになってしまった人を数名あげ
「ああいう実タイプは、なりやすいんだ」
と。
確かに・・・
私、お肉食べ過ぎると便秘になっていた。
いつも胃酸を飲んでいた。
なのに、胃酸飲みつつ、またお肉食べていた・・・
お肉じゃなくても油っぽいものをよく食べていたな・・・
でも、お肉ばっかり食べるようになったのって29歳くらいからだったな。
白米が嫌いでパスタとかラーメンとか麺類ばかり食べていたな。
思い当たる節はたくさんあって。
N先生は医学部の学生だった頃に、食べ過ぎと不摂生で身体を壊してからずっと食事と健康について研究されてきた先生で、ご自分も「虚なのに実の生活をしたからいけなかったんだ」とおっしゃっていた。
「虚は虚の生活をしろ」
これが先生の極意。
その後、栄養士さんに母と友人と共に食生活の指導を受けるのだが、大切なことは
「日本人はコメを食え」
と言うこと。
玄米もいいし、胃腸の弱い人は五分搗きでも七分搗きでもいいから、と。
そして根菜、葉物野菜を万遍なく食すようにと指導を受ける。
入院治療もあるけれど、どちらかというとアトピーの改善や肥満の改善がメインのようなので、私は外来でN先生のお話を聞けただけで、目からウロコだったので大満足。
それからしばらくして、敬虔なクリスチャンの叔母に紹介されて、佐藤初女さんという方の存在を知った。
佐藤初女さんもカトリックの敬虔な信者で、いわば駆け込み寺の「森のイスキア」という場所を青森で開かれています。
佐藤さんは数冊、本を書かれていて、何冊か読みました。
その著書の中で「お米には穀力(ゴクヂカラ)があります。」と書かれていて、食と心のバランスがいかに大切かを説かれていました。
彼女もやはり「日本人はお米です」と。
というわけで私はお米というものを日本人なのに今さらしっかり食べ始めました。
でもきっと、普通はお米好きなんだよね・・・
だから、あんまり参考にならないとは思いますが、もし「やだ、これって私のこと??」って思うくらい体質・嗜好が似ている人がいたら、要注意って伝えたくて。