デライト:ロニー・フォスター | かえるの音楽堂

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DELIGHT : RONNIE FOSTER

(1979年)

ロニー・フォスターは“職人”とも表現されますが、それだけ多くのミュージシャンのサウンドを陰で支えてきました。特にジョージ・ベンソンやスティーヴィー・ワンダーのグループでの活躍は有名です。ロニーは70年にグラント・グリーンのライヴ・アルバム“Alive!”に参加し、当時のブルーノート・レコード社長、ジョージ・バトラーにその才能を認められて、ブルーノートよりアルバム・デビューし5枚の作品を残しました。この当時の作品はオルガンを中心としたものでファンキーなオルガン奏者として注目されました。ジョージ・バトラーがCBSに移籍すると、それを追うようにロニーもCBSに移籍しファースト・アルバム“Love Satellite”を発表しました。そして続く移籍第二弾が今回紹介するアルバム“Delight”です。曲は全曲ロニーの作です。プロデュースは前作“Love Satellite”同様にジェリー・ピーターズが起用されています。ジェリー・ピーターズはキーボード・プレーヤーであり、プロデューサーとしても活躍していました。また当時ラルフ・マクドナルドらと“The Writers”というグループを組んで活躍していました。ロニー自身もプロデューサーとしても活躍していたのですが、他人それも同じキーボード・プレーヤーでもあるピーターズにプロデュースを任せたのは、キーボード・プレーヤーって結構器用でやりたいことをやりすぎちゃうこともあるので、自分を客観的に見てくれる人を求めていたのかもしれませんね。参加ミュージシャンはロニーとピーターズの人脈で、ロニー・フォスター(keybvo)、ロバート・ポップウェル、ネイサン・ワッツ(b)、フレッド・ホワイト、レオン・“ンドゥグ”・チャンクラー、デニス・デイビス、スティービー・ワンダー(ds)、ジェリー・ピーターズ、ジョージ・ベンソン、フィリス・ハイマン(vo)他と豪華です。スティーヴィー・ワンダーとジョージ・ベンソンの参加はロニーならではですし、アース・ウィンド&ファイアーのフレッド・ホワイトの参加も注目です。前作同様ギターが参加していませんが、キーボードが十分にギターの代役をしています。ブルーノート時代のオルガン・フュージョンとは違った、マルチ・キーボード奏者としてのロニーの生き生きとしたプレイもまた高く評価したいです。

 

1.Argentina(アルゼンティーナ)

2.You’re The One(ユー・アー・ザ・ワン)

3.We As Love(ウィ・アズ・ラブ)

4.Let Me In Your Life(レット・ミー・イン・ユア・ライフ)

5.Feet(フィート)

6.When Will I Write You A Song(ホエン・ウィル・アイ・ライト・ユー・ア・ソング?

7.Delight(ディライト)

8.I’ve Got Your Love(アイヴ・ガット・ユア・ラヴ)

1曲目「Argentina」はベースに元クルセイダースのロバート・ポップウェル、ドラムがフレッド・ホワイトとレオン・チャンクラーのツイン・ドラムです。二人のドラマーで結構、複雑なリズムをバックにロニーのピアノとシンセをフィーチャーしています。2曲目「You’re The One」はロニーのヴォーカルをフィーチャーしています。ここでもフレッドとレオンのツイン・ドラムでベースはネイサン・ワッツが担当しています。ロニーのシンセは70年代らしいサウンドです。3曲目「We As Love」はミディアム・テンポのちょっと哀愁のあるメロディの曲です。ドラムがデニス・デイヴィス、ベースはネイサン・ワッツ、レオン・チャンクラーはパーカッションを叩きます。ロニーはアコピを弾きます。4曲目「Let Me In Your Life」はロニーのヴォーカルがフィーチャーされます。注目はやはりスティーヴィー・ワンダーがドラムを叩いていることです。いかにもスティーヴィーらしい演奏です。ジョージ・ベンソンとジェリー・ピーターズらがコーラスで参加しています。5曲目「Feet」はポップなインストゥルメンタルの曲です。ベースはネイサン・ワッツ、ドラムがデニス・デイヴィス、レオン・チャンクラーはここでもパーカッションを叩いていており、ティンバレスのソロもフィーチャーされます。ベースはロニーのミニ・ムーグです。6曲目「When Will I Write You A Song」はメロウな曲でロニーのヴォーカルがフィーチャーされます。70年代的なストリング・シンセサイザーのサウンドが懐かしさを感じます。ポップウェルのタイトなベースが曲を締めます。7曲目「Delight」はアルバム・タイトル曲でミディアム・テンポのメロウな作品です。ロニーのオルガンもフィーチャーされます。8曲目「I’ve Got Your Love」はファンキーな曲です。ロニーのヴォーカルとキーボードがフィーチャーされます。バック・コーラスではジョージ。ベンソンが参加しています。ロニーはこの作品以降は86年に日本のエレクトリックバード・レコードよりアルバム“The Racer”を発表しました。その後はセッション、アレンジやプロデュースなどで活躍しています。もう長いことリーダー作を発表していませんので、また新しい作品を出して欲しいですね。