アバ・ジャズ:アンデッシュ・ヴィーク、スティーヴ・ガッド、スヴァンテ・ヘンリソン | かえるの音楽堂

かえるの音楽堂

70年~80年のCROSSOVER(FUSION)とJAZZを中心にAORか
らSOULまで、かえるのお勧めのGood Music Albumや音楽情報な
どを紹介いたします。

SAME TREE DIFFERENT FRUIT – ABBA : ANDERS WIHK STEVE GADD SVANTE HENRYSON

(2012年)

世界最高のドラマー・スティーブ・ガッドが、スウェーデン出身の実力派ピアニスト・アンデッシュ・ヴィークと、オスロ・フィルハーモニー管弦楽団の首席コントラバス奏者を務めたベーシスト・スヴァンテ・ヘンリソンと3人で結成した最強のピアノ・トリオのアルバムです。アルバムの曲は、1972年から1982年まで10年間大活躍した、スウェーデンのポップ・グループABBAの大ヒット曲の数々をカヴァーしたものです。発売当時(2012年)はABBAの結成40年周年目に当たる年で、それを記念し製作されました。メンバーはこの3人の他にスペシャル・ゲストに4曲目「Fernando(悲しきフェルナンド)」にロベン・フォード、12曲目「Thank You For The Music(サンキュー・フォー・ザ・ミュージック)」にデヴィッド・サンボーンが参加し熱い演奏を聴かせてくれます。このアルバムはストックホルム、ニューヨーク、ロサンゼルスでレコーディングされ、トラックダウンはABBAのメンバーのベニー・アンダーソンが所有するストックホルムにあるスタジオで行なわれました。プロデュースは、セリーヌ・ディオン、バックストリート・ボーイズ、ブリトニー・スピアーズ等を手掛けたバーナード・ローが担当しています。スティーヴ・ガッドは当時はブラシを多用したプレイが多かったのですが、このアルバムでは1曲を除きスティックで叩いています。またドラム・ソロも有りSTUFFファンやスティーヴ・ガッドのファンにはたまらない演奏です。ベースのスヴァンテ・ヘンリソンのプレイにも注目です。スヴァンテは1曲を除きエレクトリック・ベースを弾いており、グルーヴ感溢れるプレイや、メロディアスなメロディ・ラインを弾いています。どこかジャコ・パストリアスを感じさせてくれます。このメンバーで来日公演も行われており実際に行かれて生で聴かれた方もいらっしゃると思います。

 

01. Voulez-Vous(ヴーレ・ヴー)
02. Gimme Gimme Gimme!(ギミー ! ギミー ! ギミー !
03. Money, Money, Money(マネー、マネー、マネー)
04. Fernando(悲しきフェルナンド)
05. Dancing Queen(ダンシング・クイーン)
06. The Name Of The Game(きらめきの序曲)
07. S.O.S(エス・オー・エス)
08. Take A Chance On Me
( テイク・ア・チャンス)
09. Does Your Mother Know( ダズ・ユア・マザー・ノウ)
10. The Winner Takes It All( ザ・ウィナー )
11. Mamma Mia(マンマ・ミア )
12. Thank You For The Music(サンキュー・フォー・ザ・ミュージック)

 

 アルバムを聴いてみると、1曲目から熱気がほとばしっています。そしてスティーヴ・ガッドが実に楽しそうに叩いている様子が感じられます。いや本当にスティーヴ・ガッドの演奏、すごく熱くて抜群のカッコいいんです。とてもスタジオ録音とは思えないライブ・アルバムのような熱気がほとばしっています。そして3曲目「 Money, Money, Money(マネー、マネー、マネー)」、あるいは5曲目「Dancing Queen(ダンシング・クイーン)」など数曲では、かつてのSTUFFを思わせる演奏が聴けます。いやーアンデッシュ・ヴィークのリチャード・ティーばりの演奏に思わず拍手喝采です。今後のこのメンバーでの活動ですが、ぜひ長く続けて欲しいですね。そして今度はSTUFFのカバー・アルバムとか面白いのではないでしょうか。スティーブ・ガッドのファンの方はもちろんですが、STUFFファンやフュージョン、ジャズの好きな皆様に是非聴いていただきたい、お勧めのアルバムです。