昨日、とうとう我が愛車HONDA Dioを手放すことにした。
3月に任意保険が切れるし、4月または5月からはロンドンに行くつもりだったので、先月もバイクを手放すことを検討した。けれどもコロナ騒ぎでイギリス行きも秋まで延期となったので、それまでは乗ろうと考え直していた。
ところがコロナ騒動が拡大、国内にいても自宅待機を奨励される状況となり、お稽古事も中止。またもやバイクは置いたままの状態が続いた。これも、神様が「そろそろバイクは手放しなさい」というお告げかな?
先月、手放そうかと思ったときに、かって勤めていた会社の近くにあり、今もお世話になっているバイク屋さんに相談した。そのとき、手続きの方法を何通りか教わった。以前書いたように、そのバイク屋さんの代車はボロボロだったので、私のバイクを使ってくれるかなと訊いてみたが、「今は足りているので」とやんわり断られた。
平成18年3月3日に購入したので、14年前のバイク。走行距離は85937キロ。やっぱり私のバイクは廃棄処分しか道はないのね。まだよく走ってくれるのだけど。
廃車しようとする理由は
1.事故の心配(いつの間にか71歳の私。家族が心配している)
2、故障の心配(古いので、突然の故障が起きるかもしれない)
3.使用頻度の減少(開発により平場から地下移動した駐輪場が増え、バスの方が降りてから楽etc)
3年前まで通勤にも使っていたので(片道11キロ)、退社する時にはもう8万キロを超えていた。退社後の3年間はお稽古に行く時に乗るくらいで、特に昨年8月にオイル交換をしてから昨日までは399キロしか走っていない。あんまり乗らないまま放置していると、エンジンがかかりにくくなって、ドキっとすることがある。
廃車にしたくない理由
1.今回廃車にするともう一生乗れないという寂しさ
2.これまでよく働いてくれたという愛着
どう考えても手放す理由の方が勝っている。一昨日、私はようやく重い腰を上げ、ネットで検索を始めた。
まず、買い取ってもらうのは無理だと思い、なるべく安く処理する方法を探した。すると、「二輪車リサイクルシステム」があることがわかった。
バイクは、使えないと思っても、修理・整備等を施せば、バイクとしてもう一度乗ることができ、分解すれば、パーツとして再利用できるリユース性の高い製品と言われています。(中略)乗らなくなったバイクがある場合、まずは廃棄二輪車取扱店にご相談ください。使える場合はリユース、使えない場合は「二輪車リサイクルシステム」にて適正処理・再資源化することができます。(公益財団法人 自動車リサイクル促進センターHPから)
「二輪車リサイクルシステム」の対象車両であれば、現在全ての車両を、 廃棄時に処理費用を徴収することなく再資源化するそうだ。そしてHONDAの2輪車は現在全て対象車両となっている。
先ずは廃棄2輪車取扱店に連絡して、引き取りを依頼するとのことで、区内で6軒ある取り扱い店に電話をかけてみた。
A社・・・引き取るが4000円必要。廃車手続きは自分ですることが条件。
B社・・・指定取引場所に持っていくのに5500円かかる。
不用品回収業者に依頼すると10000円かかる。
(A社より高いので、廃車手続きのことは訊かなかった。)
C社・・・持ってきてもらえれば無料。廃車手続きも代行し、完了後書類を送付してくれる。
無料だと思っていたので、費用が掛かるのは残念に思ったし、ここまで値段が違うことにもビックリした。しかし前出の自動車リサイクル促進センターのHPをよく読むと、下記のように書かれていた。
・ リサイクル料金は無料です。排出者が直接、指定引取場所に持ち込めば費用は掛かりません。
・ 廃棄二輪車取扱店に運搬を依頼する場合、廃車手続きや廃車処理に関わる実費用が掛かります。
なるほど。それなら、ネットでは「不用品回収業者に頼むと10000円位かかる」と書かれていたので、A社でもいいかなと思ったが、実はこれまでも緊急の場合はA社にお願いしていたが、何時でも他社より高い。そこで試しにB社にも電話をしてみたら、もっと高かった!店に依って値段が違うのならもう1社きいてみようと、C社にかけたのが良かった。
C社は人の良さそうなゆったりした口調のバイク屋さんで、廃車手続きまでしてくれて無料とは驚いた。無料も嬉しかったが、ゆっくり話を聞いてくれて、安心感が持てたので、翌日の午前中に持って行くことにした。
さて、当日(昨日)は春の陽気。明るい日差しがまぶしいほどで、私は朝からバイクを引っ張り出して、最後のお掃除をして写真を一杯撮った。
ルイ君まで乗せてパチリ。(笑)
目指すバイク屋さんは国道20号線沿いにあり、私のバイクで15分くらいのところにある。バイク日和と言える好天の中、本当に気持ちよく私は走った。
実は最後にどこかに乗って行ってみたかったのだが、格別行きたいところもなく、名残惜しいなと思っていた。このバイク屋さんまで走ることは私の最後の気持ちのいいドライブとなった。
昨日は13日の金曜日。あまりえんぎのいい日ではないけれど、思い立ったが吉日と思い、細心の注意を払いながら運転した。仕事でも度々走っていた道なので、本当に懐かしく、そして、このバイク屋さんにして、この道を走れてよかったと思った。
ああ、これで最後、これで最後と思いながら走った。これでお別れなんだ、もうバイクに乗ることはきっと一生ないんだ、と名残を惜しみながらも、一方で、春らしい明るい陽気に励まされ、「一つのことを終えて次に向かって進むんだ」という前向きな気持ちも湧いてきた。この晴れ晴れとした日にバイクを手放すことにして良かった。やっぱり春はいいな。
バイク屋さんに着くと、人の良さそうな初老の店主が出てきて、廃車手続きの書類を作ってくれた。一段落した時、「実は鍵がもう1本あるのですが、持ってくるのを忘れてしまいました。送った方がいいですか?」と訊いた。もし、バラバラに解体されるのなら鍵は1本で充分だろうと思いながら。するとなんとそのバイク屋さんはにっこり笑ってこう言った。
「そうですね、そうしてもらえたら。このバイク、近所に行く時に私が乗らせてもらいますよ」
あ、嬉しい!解体されないんだ!乗ってもらえるんだ!前輪は昨年8月に交換、オイル交換も済ませ、以後400キロも走っていないし、ガソリンもまだ残っている。乗ってほしいな。もし故障しても、バイク屋さんなら安心だし。
最後に写真を撮ってもらった。
ありがとう、私のバイク。お利口さんで殆ど故障もせず走ってくれて、私が一番大変な時に、本当に良く仕事を手伝ってくれたわね。このバイク屋さんともまた元気に走ってね。
告別式の様な思い出に浸りながら手放したのに、帰宅したら、もうすっかり気持ちは晴れていた。名残惜しさもないし、寂しさもない。何だろう、この薄情さは!(笑)
ずっと気になっていたことがきれいに片付き、そのことに納得できているからなのだろう。気持ちのいいバイク屋さんに引き取ってもらえて、愛車とは最高の別れ方ができたと思う。今は本当にホッとした気持ちで一杯だ。
P.S ちなみに今日は冬が戻ってきた寒さで、しかも雨です。やっぱり昨日行動していて良かったです。
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