2017年の映画「ライフ」を見ました。
ビックリするほどスカされた感じがするのは、豪華キャストのせいで自然とハードルが高くなっていたせいか。
それとも、既視感のある展開が延々と続いたからでしょうか。
ジェイク・ギレンホールじゃなきゃブン投げていた気がする。

 

国際宇宙ステーションを舞台にし、火星で見つけた生命体を育てたら恐ろしいことになったというお話です。

 

 

結末を知ったうえで見ると、すごいドヤ顔に見える。

 

登場人物は

デビット・ジョーダン:医師。あまり人間関係が得意ではないから、みたいな理由で、延々と国際ステーションに滞在している。
ミランダ・ノース:マジメで頑張りやな検疫官。それだけに無個性なヒロイン。
ローリー・アダムス:悪ふざけが好きだが、やる時はやる航空エンジニア。
ショウ・ムラカミ:真田広之演じる日本人のシステムエンジニア。地球で嫁が子供を産んだばかりだという、ものすごいわかりやすいフラグを立てられる。
ヒュー・デリー:足が不自由な宇宙生物学者。地球では車イス生活なので、宇宙にいるほうが楽だと思っている。
エカテリーナ・ゴロフキナ(キャット):女司令官。リーダーシップがある。

 

もう、お手本のようにガチガチにベタなキャストであります。ただ、個人的に物足りなかったのはやっぱり悪役がいないからかな?基本的にみんないい奴だし、自己犠牲精神が強いんです。もっと「俺が助かりたいからお前が犠牲になれ!」という悪役がいても良かったのに。

 

ネタバレを含めて、展開で気になったところ。

 

まず、「カルビン」と名付けた宇宙外生命体。コイツが人間を襲って食ってはでっかくなっていくのですが、外観はタコっぽい感じです。グングン成長するのですが、なんだかねぇ。


ヒューはカルビンの研究にのめり込んでいくのですが、その過程はなかなか狂気を感じさせるような演出や演技があるものの、別に彼が暴走するわけでもないので、肩透かしを食らった感じ。

 

しかし、ちょっとずつ大きくなったカルビンはヒューを襲います。カルビンのいる部屋に入り、隔離されることになったローリー。カルビンを殺そうとして、逆に体内に入られてしまい、グッハァ!と吐血して死にます。隔離は失敗し、今度はステーションの外に出てピョコピョコするカルビン。キャットは様子を見に行き、案の定宇宙服を攻撃されて死亡してしまいます。しかも、キャットは宇宙服の中に水が溜まり、主人公の前で(扉を隔てた状態で)溺死。

 

ヒューも、知らないうちに感覚のない足に食いつかれ、ガブガブ攻撃されていたところで死亡。個人的には、ズボンをめくった時にカルビンが張り付いてばりばり食ってるのに、ヒューが気付いていない光景はなかなか怖かった。ここで大きくなったカルビンの攻撃が激しくなり、ショウは睡眠用のカプセルに入って難を逃れます。ちなみにショウは地球で嫁(設定的には日本人ぽい)が出産したばかりなのですが、数秒間で「コレ日本人ジャナイ感」がじわじわ伝わってきました。キャストご本人ははもちろん、妻の設定も日本人じゃなくてもいいんだけど、こんな日本人妻はいないだろう(ベトナムとか、タイのほうの顔っぽい。でもこの見分けつくのってアジア系だけなんでしょうか)って感じのキャスティングは気が散りますね。

 

結局、ショウがカルビンを追い詰めて、犠牲になって死亡。
でも、しつこいカルビンがまだ死なず、デビッドとミランダは宇宙船ごと見捨てられることになってしまう。でも、ミランダを助けるためにデビッドは自分が犠牲になることを選ぶ。救出ポッドに乗り、ミランダは地球へ。デビッドはカルビンと共に別の救出ポッドに乗るが、軌道のズレが生じ、ミランダが宇宙のほうにはじきだされ、寄生されたデビッドが地球に帰還。それを発見した者は、彼が止めるのも聞かず(英語圏ではないところに落ちたから)、ポッドを開けてしまう。

 

というバッドエンドであります。
「俺(私)が犠牲になってみんなを助ける!」って言うのでガンガン死んでいくわりに、何も状況が好転しないのがつらい。全部裏目に出ましたね。一所懸命なだけに、全員が空回りするのがちょっとマヌケに感じられてしまう時もあって、それはもったいない気もする。

 

そして最初からカルビンの全貌が見えているので、急スピードで成長するのはたしかに怖いけれど、「闇の中に何かわからないものがいて、それがこちらを見ている」という恐怖とはちょっと違う。抗いようがないほどの力を持ったものの前で、何もすることができずに殺されるのをただ待たなければいけない、無念な恐ろしさという感じ。個人的には、暗闇をうまく使ったホラーのほうが好きなので、ちょっと好みとは違ったかも。この、思いっきりスコーン!とバットをふるったような、フルスイングなバッドエンドは嫌いではありませんが。