ものすごい広がりの”キャリアアップ助成金”
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現在、”旬”の助成金です。正社員を増やして、働いて稼ぐおカネを増やして、少子化問題や、年金問題などを合わせて解決しようという当局の意図はともかく、その広がり具合は、むかしむかし に比べて、こちらの想像を超え、実に広範囲に及んでいます。
1、正社員化コース・・・非正規社員を正規社員に直した場合の助成金、就業規則がキモ。
2、人材育成コース・・・非正規社員の教育、カリキュラムの作成がキモ。
3、処遇改善コース 賃金テーブル改定・・・賃金テーブル(職務給)を作って、昇給した場合。
4、処遇改善コース 健康管理・・・4人以上の非正規社員に健康診断。法律上義務でない。
5、処遇改善コース 賃金テーブル共通化・・・正規と同じ賃金テーブルを作って、共通化すること。
6、処遇改善コース 短時間労働者の所定労働時間延長・・・時間の延長で社会保険に入れること。
名前を替えつつ、昨年度からの助成金の内容は充実し、新設もあるのですが、今回は、別な助成金に「キャリアアップ助成金的な要素」ができてきたのが驚きです。それは以下のようなものです。いずれも今年度新設の助成金です。
50歳以上の方限定の「キャリアアップ助成金 1、正社員化コース」です。額はちょっと少なく、人数も10人までですが、キャリアアップで若いヒトを昇格させ、年配の方にはこちらを使う方法も可能でしょう。
キャリアアップ計画書のような、無期雇用転換計画書を2か月前までに作ることがポイントです。
建設関係の有力なヒトへの「キャリアアップ助成金 3、処遇改善コース 賃金テーブル改定」です。これも「賃金テーブル」を作り、3年後までの昇給目標まで定めることになっています。
登録基幹技能者というのは、建設関係技術者のあこがれの的のような最高峰の資格です。そういう宝のような人材に適用される賃金テーブル又は手当の単価を増額改定しその処遇を引き上げることにより、若年技能労働者の目標となるキャリアパスを整備する建設事業主に対して助成するものです。
女性に関する活躍の、数値目標、取組目標を達成した場合の助成金ですが、取組目標にキャリアアップに資する多様なコース区分への転換をさせる取り組みがあり、選択することが可能です。
また、東京都のキャリアアップ助成金の上乗せ も前からありましたが健在です。また、国と併給は不可能ですが、鳥取県 にもありますね。沖縄県 は研修が前提です。
「キャリアアップ」というコトバは、成長を前提とし、しかし正社員は非正規よりエライ、また、それよりさらにエライところまで努力しろよという、一種の階級制度を作るようなものとも言えます。
しかしブラック企業に象徴される、基本的人権の蹂躙はともかく、こうした「差別」は、上に這い上がろうという起爆剤になって社会の活性化につながるということを、当局は思っているのかもしれません。
実務で気になるのは、企業が「非正規なら何でももらえる」と、助成金が多くなることで非正規社員を増やしてしまうところです。最初から正社員で行っても良い場合でも、助成金を受けるために敢えて新規雇用者を非正規で取る、そんな会社が増えるのは、助成金の設定趣旨ではありません。
当局の意図でない助成金の使用法は、いずれ助成金の衰退を招きます。試用期間は企業にとっては、人件費を効率よく使うための武器ですが、それも厳格化を招くでしょう。「非正規だが、能力があって正規にする」、企業の実務はこの鉄則を守っていきたいところです。