腸内フローラの変化が「社会的行動決定に影響する」という研究結果~magmagニュース~ | 長谷部茂人 マイノリティレポート

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「腸内細菌」「腸内フローラ」などの言葉が飛び交い、健康志向の人たちの注目を集める腸内環境。腸内細菌の分布(腸内細菌叢、腸内フローラ)は、生活習慣病に関わるだけでなく脳の働きや精神面にも影響すると考えられているようです。

◎要約:『腸内細菌叢の変化によって、社会的な行動が変化する可能性がある』

腸内細菌の分布(腸内細菌叢)が様々な精神疾患に影響を与えることが指摘されてきました。今回は、腸内細菌叢の調節を行う(synbiotic シンバイオテック)食事を摂って、どのように社会的な行動が変化するかを調べた研究をご紹介します。

腸内細菌叢の調節食を摂取する51人と、通常食を摂取する50人に分けて、7週間の経過観察を行いました。

上記の介入前後で社会的な行動の確認(ゲームで確認)、便と血液のサンプル採取を行いました。
結果として、以下の内容が示されました。

  • 腸内細菌叢の調節食を食べている場合のほうが、得のある選択でも、不公平に扱われたときにはそれを拒否する傾向がありました。
  • 行動変化にはドーパミン前駆体のチロシン濃度の上昇が関連していました。

(不公平に扱われたときの拒否傾向が)望ましい結果をもたらす行動決定かは分かりませんが、腸内細菌叢の変化によって脳内の物質代謝が変化し、何らかの行動変化を導く可能性が考えられました。