朝がやってきました。私は、夫から風邪をうつされていて具合が悪かったのです。
夫は、布団ではなく、台所の椅子で寝ていました。寒い時期ではなかったので、このと
ころそうやってウトウトしていました。見ると、苦しそうな息遣いもなく、完全に
眠っていました。私は、昨夜飲んだ漢方薬が、完全に効いたのかと思い、すっかり安堵しました。
眠っている彼に向って「薬効いたみたいね。また作るから、起きたら飲んでね。」と、声をかけて
薬を作りました。本当にぐっすり寝ているんだなと思い、隣の部屋で、パンをかじっていました。
パンを食べながら、ふと、息遣いがあまりにも静かなことに気が付きました。
もしかして、息をしていない?台所に行き、彼の息遣いを聞いてみても、やはり、息をしていない。
いそいで救急車に電話をしました。救急車が来るまでの時間がとても長く感じました。
何度か体をゆすってみたり、声をかけてみたりしたけど、もう亡くなっていると、どこかで
感じていました。心に浮かんだ言葉は、「何で?」ではなく、「やっぱり!」でした。
何度か話している時に、ふと「この人は長くない」という言葉が浮かんで来たり、
彼自身もよく「俺には時間がない」と言っていました。救急隊の人が「もう亡くなっています。」
と言った時に、まるで夢を見ているような不思議なデジャブを感じました。私はこの感覚を知っている。
今日はこの辺で、長々読んでくださってありがとうございます。続きは又明日。