「できない」という思い込み | 沖縄で語学と日仏バイリンガル教育と

沖縄で語学と日仏バイリンガル教育と

フランスで6年、東京で4年過ごしたのち、2020年8月に私の故郷(夫と出会った場所)沖縄に来ました。
2011年生まれの息子、2013年生まれの娘がいます。
2020年8月より、沖縄在住。
公立小+おうちフランス語で日仏バイリンガル育成中。

仏検一級を受けると宣言しておきながら

本当に恥ずかしい話ですが、私はいまだに、

フランス生活で苦手な部分は、無意識のうちに

避けて通ろうとするクセがあります。




たとえば、新しい場所に電話をかけて、何かを

問い合わせなければならない。




そういう時、自分は「忙しい」ことにして、

夫に頼んでいます。




知らないところにかける電話は、いまだに苦手です。

話が通じなかったら、聞き返されたりしたら、、、、

そう思うと、怖くて怖くて嫌になります。




しかし、今週、逃げられない状況になりました。




夫が急な出張で日本に行くことになり、そんなタイミングで

娘が風邪をこじらせました。




医者に連れて行ったところ、

「キネに行って、処置をしてもらってください」

といわれました。




フランスでは、自分で鼻をちゃんとかめないような

子供が気管支炎になると、薬の処方と併用して、

「キネ」に行くように、と処方箋を渡されます。


※通称「キネ」の正式名称: Kinésithérapie respiratoire




そのキネは、医者とは別の機関で、診療所のような形で

街のあちこちにあります。そこに自分で連絡を取って、

予約を取って、出向いて行くことになります。




いつもだったらこういう時、迷わず夫に頼みます。

それで夫がグーグルマップで自宅から行けそうなところを

見つけ、電話して予約を取ります。




でも、今回は夫がいない。

しかも週末まで帰ってこない。

やるのは自分しかいない。

もたもたしていたら、娘がもっと苦しくなる。

ギャー。



嫌だ、いやだ、イヤダー。。。。。

できない、無理。私には分からないよー。。。。




そんな心の叫びをギュッっと押し殺し、

ひとつひとつ、行動を開始しました。



まず、ネット検索をかけて、この街にあるキネの

リストを見つけました。それから、住所を確認し、

歩いて行けそうなところの電話番号を確認。




めぼしいところが見つかったところで、受話器を

握り締め、フゥー、と深呼吸をして、かけました。




一件目。プルルと鳴るとすぐに、女性が出ました。




「ボンジュール。娘が気管支炎になって、キネの

施術を受ける必要があるのですが。。。」



と言うと、もうそこではその施術をやっていない

とのこと。ネットに情報が載っていることに言及して

みると、その施術を担当していた人が、別の所で

開業することになって、いなくなったとか。




その人の名前と開業先の住所を教えてくれたが

場所がちょっと遠く、断念。




それで気を取り直して二件目に連絡。

しかし、そこも、「もうやってない」と同じ答え(涙)。




ガーン。

その時点で夕方5時。

「早くしないと、どこも閉まってしまう。

明日の予約が取れなくなる~~」


と焦りつつ、必死になって三件目を探す。




住所的にいいところが見つかって、かけてみると、

「OK!」との返事が(涙)。




三件目のしてようやく、翌朝10時の予約が取れ、

心底ほっとしました。




その時に、思ったこと。




あれ?電話…、案外普通にできたな…。

口頭での番号のやり取りも、できた…。

特に分からないこともなかった…。

あの恐怖は、なんだったんだ?…。




翌朝、早速出向いてみると、担当の若い男性が

出てきて、挨拶をしてくれました。オーラが優しい人

だったので、なんだかそれだけで安心しました。




初診なので、今飲んでいる薬の情報をはじめ、

生まれてから今までの健康状態など、一通り

質問を受けます。

15分くらい問診と説明があって、施術へ。




「思ったより、軽いですよ。」ということで、

「もし悪化することがなければ、特に次の予約は

取らなくてもいいですよ。」との嬉しい言葉を頂き、

文字通りスキップしながら気分さわやかに家路へと

着きました。




それでホッとしたと同時に思ったこと。




あら、できるじゃない。




初めてのところに出向くときは、夫が一緒じゃないと

だめだ。だって、私じゃ分からないだろうし。

と思っていました。




いつものお医者さん、いつもの場所なら、なんとか

自分で電話をかけたり、一人で出向くこともできるけど、

初めての場所はダメダメ!絶対無理!




そうやって、自分に暗示をかけていたことに気づき、

ハッとする瞬間でした。




結局、人は追い詰められないと、本気を出せないもの

なんだな~と思い知らされます。




新しいことに挑戦して、失敗するのは、怖いです。

恥をかく自分を想像するだけで、嫌になります。

でも、そうして逃げているうちは、「今の延長の自分」

でしかいられない。




常に進化する自分でありたいなら、足がすくむことも、

怖いことも、思い切ってやってみなきゃダメなんだな~

としみじみ感じました。




夫不在時に娘が病気になる。

なんて運の悪い!とはじめは滅入ったものでしたが、

結果として、自分を一歩成長させてくれる、貴重な

機会になりました。




うっかりすると、つい怠けたくなる、楽な道を選んでしまう。

そんな自分の怠惰な部分を認めると同時に、フランス語を

もっと上達させたいのなら、「少しくらいの無理」は、常に、

意識的に自分に課すようにしようと思ったものです。




仏検一級もまた同じで、今の自分には高すぎる目標の

ような気もしていますが、高すぎる目標に向かって走る

こともまた、自分を成長させてくれるのでは、と信じて

がんばります(まだまだ実力が足りていないことを感じる

日々ですが、、、)。





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